歴史あるシビックに、待望のハイブリッド車が登場!
ホンダは、「新型シビック(CIVIC)e:HEV」の発売を開始した。
初代ホンダ シビックは、1972年にベーシックカーとして誕生した。初代シビックは、ホンダにとって歴史的なモデル。初代シビックに搭載された排ガスクリーン技術CVCCを搭載。世界一厳しい米国マスキー法(排出ガス規制法)を世界で最初にクリア。ホンダが北米で躍進するきっかけにもなり、世界中の自動車メーカーがホンダの技術力に震撼した。
国内で人気が高かったのは、3代目通称ワンダーシビック。DOHC16バルブエンジンを搭載し、ホンダエンジンらしく高回転まで回り、非常にパワフルなモデルだった。モータースポーツでも脚光を浴び、爆発的ヒットモデルとなった。
そんなシビック人気も徐々に下降。7代目シビックからは、販売が低迷。そして、8代目シビックはミドルサイズへボディサイズをアップ。さらに、人気は下降。その後、タイプRなどの一部車種を除き、シビックは日本マーケットから撤退してしまった。
だが、ホンダは7年振りとなる2017年に10代目シビックのセダンと5ドアハッチバックを投入。その理由は、軽自動車とコンパクトモデルしか売れなくなった国内販売のテコ入れだ。セダン復権も掲げた。
しかし、マーケットのセダン離れは非常に厳しく、2020年にはセダンが早くも撤退。ライバル車となるCセグメントのセダンであるマツダ3、カローラセダン、インプレッサG4などは継続販売されている。ホンダは、判断が早いともいえるが、諦めも早い。
そんな中、2021年9月に11代目シビックが登場。デビュー時、1.5Lターボエンジンのみの設定。6速MTも用意された。
進化版2.0L e:HEVを搭載。後出しなのに、燃費ではライバル車と大きな差が・・・
そして、本命であるハイブリッドシステムを搭載したシビックe;HEVが投入された。ステップワゴンなどに搭載されているハイブリッドシステムをベースに、より進化させた仕様となった。モーター出力は、ステップワゴンと同じ184ps&315Nmだ。
進化したポイントのひとつ目がエンジン。熱効率に優れたアトキンソンサイクル化し、直噴システムを新採用。従来のe:HEV用2.0Lエンジンに対し高トルク化とエンジンモードでの走行可能領域の拡大した。こうした技術により、低回転から高回転まで幅広い領域でエミッション(燃焼ガス中の有害物質)を抑制。さらに、燃費や静粛性を向上させている。
進化ポイント2つ目は、PCU(パワーコントロールユニット)。軽量化と高出力化され、より力強い駆動を実現した。
また、IPU(インテリジェントパワーユニット)は、内蔵するリチウムイオンバッテリーに低全高化した新しいセルを採用。バッテリーモジュールの重量あたりエネルギー密度を約1.5倍に高め、パッケージ効率を向上させている。
さらに、電動車開発で培ったノウハウを生かし、バッテリーの耐用年数を考慮しつつ使用領域を拡大。さまざまな場面でトルクのある加速を実現している。
こうした進化を遂げたハイブリッドシステムにより、シビックe:HEVの燃費は24.2㎞/L(FF、WLTCモード)となった。しかし、Cセグメントのハッチバックであるハイブリッド車のトヨタ プリウスの燃費は30.8㎞/L(FF、WLTCモード)とは大きな差になっている。
燃費より「爽快スポーツe:HEV」にこだわった
この燃費差の大きな要因は、やはり車重。シビックe:HEVの車重は1,460g。これに対して、プリウスは1,350~1,370kgと約100㎏も軽い。さらに、タイヤサイズは、シビックe:HEVが235/40ZR18なのに対して、プリウスは195/65R15。タイヤサイズから、シビックe:HEVが燃費より走りの質を狙っていることがよく分かる。
それもそのはず、新型シビックe:HEVのコンセプトは、ハイブリッド車=スポーティーという方程式を世界に根付かせる「爽快スポーツe:HEV」だ。シビックのもつ優れた運動性能をハイブリッド車でも楽しめるように仕上げている。求めたのは燃費ではなく、爽快な走りということだ。
走りへのこだわりは、車体の重量配分や重心高にも及ぶ。重量物のIPUは、リヤシート下付近に設置された。これにより、前後重量バランスは最適化され、重心高も10mm下がり、ボディのねじり剛性も3%アップした。さらに、専用ダンパーを装備するなどし、ハンドリング性能はガソリン車を以上のレベルになっている。
爽快な走りをアシストする機能も用意された。ノイズを打ち消すアクティブノイズコントロールと、エンジン音を強調するアクティブサウンドコントロールを装備。気持ち良い加速サウンドを奏でることで、走る楽しさをさらに高めてくれる。
また、シビックe:HEVには、パドルシフトの減速セレクターが装備された。変速機能は無いのだが、このパドルシフトを操作すると、回生ブレーキの強弱を4段階でコントロール可能。コーナー手前で、減速したいときなどのスポーティな走りのシーンや、回生ブレーキにより前走車との車間距離保ったりすることにも使え利便性も高い機能だ。
ドライブモードは、ECON、ノーマル、スポーツ、INDIVIDUALの4つから選択可能だ。電制ギヤセレクター下に設置されたトグルスイッチ操作できる。タッチパネル式などではないので、走行中ブラインドタッチで操作が各自にできるのは便利だ。
ガソリン車とのデザイン差は微小だが、価格差は40万円!
シビックe:HEVとガソリン車のデザイン上の違いは、大きな差は無い。専用のグリルにブラック塗装されたドアミラー、リヤバンパーロアガーニッシュだ。
インテリアデザインも基本的にガソリン車と共通。e:HEVでは、メーターにはパワーメーターが初採用された。百分率の目盛りを設けたことで、加速時にはタコメーターのような針が100の目盛りに向けて動いていく。アナログちっくな機能だが、ガソリン車世代には気分が盛り上がるアイテムだ。
さて、シビックe:HEVの価格は3,940,200円となった。同等装備のガソリン車であるEXの価格が3,539,800円。価格差は、約40万円。ハイブリッド車とガソリン車の価格差としては、平均的なレベルといえる。装備はガソリン車とほぼ同じ。価格差なりの価値がシビックe:HEVにあるのか? じっくりと試乗して決めたい1台だ。
新型ホンダ シビックe:HEV価格
・シビックe:HEV 3,940,200円
新型ホンダ シビックe:HEV燃費、ボディサイズなどスペック
代表グレード: シビックe:HEV
ボディサイズ 全長×全幅×全高[mm]: 4,550×1,800×1,415
ホイールベース[mm]: 2,735
最低地上高[mm]: 135
最小回転半径[m]: 5.7
車両重量[kg]: 1,460
エンジン種類:LFC型 直4 DOHC16バルブ
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm]:104(141)/6,000
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm]: 182〈18.6〉/1,500-2,400
モーター最高出力[kw(ps)/rpm]: 135(184)/5,000-6,000
モーター最大トルク[N・m(kg-m)/rpm]:315(32.1)/0-2,000
WLTCモード燃費[km/l]: 24.2km/l
バッテリー 種類:リチウムイオン
サスペンション前/後:マクファーソン/マルチリンク
タイヤサイズ:235/40R18
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