2020‐2021日本カー・オブ・ザ・イヤー、10ベストカー決定! 入ったクルマ、入らなかったクルマは?
2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤー、10ベストカーを紹介!
日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会は、2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤーを決める第一次選考となる上位 10 台の「10 ベストカー」を発表した。
この10ベストカーの中から、自動車評論家、ジャーナリスト、有識者からなる 60 名の選考委員によって最終選考投票が行われ、2020年12月7日に2020-2021 日本カー・オブ・ザ・イヤーが、選らばれる。
選出された 10 ベストカーは、以下のとおり。(順不同)
*車種の紹介は、日本カー・オブ・ザ・イヤーの見解ではありません。CORISM独自の評価です。
スバル レヴォーグ
2代目となるスバル レヴォーグは、最新のプラットフォームであるSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム) が採用された。低重心化されるなどした結果、劇的に走行性能を向上させている。また、スバルの予防安全装備である「アイサイト」も機能を向上。さらに、「アイサイトX」と呼ばれる運転支援機能もプラス。渋滞時ハンズオフアシストなどの新装備が追加されている。
トヨタ ヤリス/ヤリスクロス/GR ヤリス
従来国内でヴィッツと呼ばれていたモデルは、欧州などでヤリスと呼ばれていた。このモデルから、ヴィッツからヤリスに車名を統一した。このヤリスから、トヨタの最新プラットフォームであるGA-Bが採用され、大幅な低重心化などにより、運動性能を飛躍的に向上。また、直3 1.5Lの新ハイブリッドシステムも投入され、ヤリスの燃費は36.0㎞/L(WLTCモード)という、世界トップレベルの低燃費性能を誇る。このヤリスの派生モデルとして、SUVのヤリスクロスも登場した。また、スポーツモデルのGRヤリスは、ヤリスの名は付くものの、まったく別のモデルとなっている。
日産キックス
日産キックスは、人気絶頂BセグメントのコンパクトSUVに投入されたモデル。シリーズハイブリッドシステムである最新のe-POWERを搭載。このe-POWERは、1.2Lのエンジンで発電。発電した電力を使い電気自動車であるリーフと同じパワフルなモーターで前輪を駆動する。このキックスは、なかなか割り切った設定で、ガソリン車は無くe-POWORのみの設定。グレードは2つしかない。また、キックスはタイで生産され日本に輸入している。
ホンダ フィット
4代目ホンダ フィットは、3代目フィットとはガラッと雰囲気を変えて登場した。これは、3代目フィットのデザインが、やや不評だったことも影響している。新たなテイストとなったフィットのデザインは、癒し系で愛着が持てるものになった。また、注目のハイブリッドシステムは、1モーターのSPORT HYBRID i-DCDから、上級モデルに搭載されていた2モーターのSPORT HYBRID i-MMDタイプへ変更。ハイブリッドシステムは、呼び名が変更されe:HEVとなっている。このフィットは、ヤリスとライバル車関係にある。ホンダは、トヨタとハイブリッド車の燃費を競いあってきたが、今回のフィットでは、ヤリスとの燃費差は非常に大きな差となってしまっている。
マツダ MX-30
MX-30は、CセグメントのコンパクトSUVに属する。マツダには、同じセグメントにマツダ3がある。同一セグメントに同一メーカーが2台のモデルを投入するのは、トヨタを除けばかなり稀なこと。その理由は、後から投入されるEVがメインとなるモデルであること。また、観音開きのフリースタイルドアなどデザインも従来の魂動デザインとはややことなるテイストももつ。こうした方向性の違いにより、従来のマツダファンとは異なる新規顧客を得たいという目的がある。現在、搭載しているパワーユニットは、2.0Lのマイルドハイブリッドのみとなっている。燃費性能面では、マツダ3の2.0L車と大差はない。
アウディ e-tron Sportback
アウディ初の量産電気自動車となった e-tron Sportback 。95kWhという大容量バッテリーを搭載し、航続距離はWLTCモードで405㎞となった。ボディサイズは、全長 4,900×全幅1,935×全高1,615mm。かなりワイドなボディサイズとなっていて、狭い道の多い日本ではやや扱いにくいサイズとなっている。駆動方式は、モーターを前後に配置したquattro(4WD)。最高出力は300kWで、最大トルクは、なんと664Nmを発揮する。車重は2,560kgと重量級だが、低重心化されたボディも相まって、優れた走りを予感させる。価格は13,270,000円と高価で、多くの人が手に入れることができる価格帯ではない。
BMW 2 シリーズ グランクーペ
FF(前輪駆動)のプラットフォームをベースにし、居住性を確保しながら流麗なクーペ風のボディラインを与えられた2 シリーズ グランクーペ。ボディサイズは、全長4540×全幅1800×全高1430mm。都市部のマンションに多い立体駐車場の使用制限サイズである全高1,550mm、全幅1,800mm以下となっていて、日本でも扱いやすいサイズとなった。搭載パワーユニットは、直3 1.5Lターボと直4 2.0Lディーゼル、ハイパワー仕様の直4 2.0Lターボの3タイプを用意。2.0Lターボ車は306psと450Nmとかなりパワフルなため4WDであるxDriveのみの設定となっている。
BMW ALPINA B3
アルピナは、BMW車をベースに独自のチューニングなどを施した特別なモデルを生産する。アルピナB3は、BMW3シリーズをベースに開発された。アルピナ史上最もパワフルな直6 3.0Lエンジンが搭載された。その最大出力は462PS、最大トルクはなんと700Nmという大トルクを発生する。0-100 km/h加速 は、わずか3.8秒。巡航最高速度 303㎞/hに達する。外観は控えめなデザインということもあり、まさに羊の皮を被った狼といった印象だ。ただ、価格は12,290,000円とかなり高価で、普通の人が買えるモデルではない。こうした特殊なクルマが日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストに選ばれたのは、近年では珍しい。
ランドローバー ディフェンダー
ディフェンダーは、生粋のヘビーデューティ4WDとしての価値をアピールし続けたモデル。新型ディフェンダーも同様ながら、最近のSUVブームにも対応するため、現代的な装備などにより快適性を高めた。また、デザインは武骨でタフネスさを持ちながら、洗練されたスタイルになった。フロントフェイスなどは、なかなか愛嬌がある。また、プラットフォームは、D7xと呼ばれるアーキテクチャーを採用。軽量アルミニウムによるモノコック構造を採用しながら、従来のラダーフレームの約3倍のねじり剛性を実現している。
プジョー 208/e-208
208には、直3 1.2Lターボエンジンの他、このモデルからe-208と呼ばれる電気自動車(EV)も投入されている。e-208は、50kWhの大容量バッテリーを搭載。最大航続距離は403㎞(JC08モード)となった。ひとクラス上の電気自動車である日産リーフは、40kWhのバッテリー容量で400㎞(JC08モード)走行できることを考えると、効率という面では少々物足りなく見える。ただ、デザインは、さすがプジョーといえるもので、小さいボディサイズながら圧倒的な存在感をもつ。また、インテリアデザインも同様。208独自の3D-iCockpitも個性的だ。メーターは3D表示され、近未来感あふれるものだ。Bセグメントコンパクトカーとは思えない豪華さを誇る。
2020‐2021日本カー・オブ・ザ・イヤー、10ベスト総評
2020‐2021日本カー・オブ・ザ・イヤーの10ベストの結果は、なかなか物議を醸す結果となった。
まず、アウディ e-tron SportbackやアルピナB3といった1千万円オーバーのモデルが2代目入ったことだ。最近の傾向は、こうした特別なモデルが10ベストに入ることは稀で、10ベストに入っても1台程度といったところだったからだ。選考委員の判断基準も徐々に変化しているのかもしれない。
また、今年は新型の輸入車が多く激戦となっている。10ベスト入りできなかったものの、本来、10ベスト入りしてもおかしくないモデルも多数あった。フォルクスワーゲン TロックとTクロス、メルセデス・ベンツGLAとGLB、アウディQ3などがそれだ。
国産車ではホンダeや、スズキ ハスラー、ダイハツ タフトが10ベストから外れている。今年から、K CAR オブ・ザ・イヤー と呼ばれる新たな賞典が設定された。この賞は、10ベスト外からでも選ぶことができることもあり、多くの選考委員が軽自動車を10ベストの対象外としたと予想できる。
その他、デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー、テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー、パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤーといった賞典も設定されており、こちも10ベスト以外からも選ぶことができる。
そんな2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤー最終選考会・表彰式は、12 月 7 日(月) 17 時 00 分にスタートする。
【日本カー・オブ・ザ・イヤー 公式 YouTube チャンネル】にて配信するので、チェックしてほしい。
https://www.youtube.com/channel/UC3xov9Ckka3ZqZ-oYhha74A/
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