
どんなクルマにも似ていない価値あるデザイン

トヨタ サイ(SAI)がマイナーチェンジで大きく変身した。大きく変わったのは外観デザインで、これまでのいかにもおとなしい感じのデザインから、個性を強調するデザインに変わった。
開発を担当したチーフエンジニアは“大人がもてるための武器”をテーマに開発したとアピールする。こんな下心をあらわにしたようなことを言うチーフエンジニアは珍しい。それくらい意欲的なデザインがなされた。
実際、新型トヨタ サイは見るからにカッコ良い。前後のライトが左右いっぱいに広がり、夜間に点灯したときの見え方が特に良い。しかも、他のどんなクルマにも似てなくて、前から見ても後ろから見てもすぐに新型サイと分かる。
4ドアセダンでありながら、テーマカラーは鮮やかな赤(レッドマイカメタリック)だ。セダンのテーマカラーが赤というのも前代未聞の設定である。
外観デザインについては、好き嫌いの要素が大きいのでこれくらいにしておくが、マイナーチェンジ後の新型サイが良く売れているのは、このデザインを良しとするユーザーが多いからだ。
インテリアも変わった。ウイング状に張り出すセンタークラスターは従来から採用しているが、従来はその部分がカバーでおおわれていた。すっきりしていた印象があったものの操作性には不満もあった。
そこで、今回はウイング形状はそのままに、スイッチ部分を表に出す形に変更して操作性を高めた。そのスイッチのつまみ部分は、アルミ製の削り出しで作られているというから念が入っている。

燃費&静粛性をアップし、着実に進化

見た目のデザインだけでなく、メカニズム部分もしっかり進化した。まずは燃費の向上だ。ハイブリッドの制御の変更などにより、JC08モードで22.4km/Lを実現した。カムリやクラウンが2.5Lエンジンのハイブリッドシステムを採用してさらに良い燃費を出しているから、単純に喜んではいられないが、新型サイも今回の改良での燃費向上幅は大きい。
燃費を向上させる一方で、スポーティな走りも実現できるようスポーツモードを設定した。これを選んで走ると、軽くアクセルを踏み込むだけで力強い加速が得られるのが分かる。エコモードとの違いは明確だ。
当然ながら、スポーツモードで走ると燃費は悪い方向に向かうから、普段はエコモードやEVモードを選び、走りを楽しみたいときにスポーツモードを選ぶという走り方をすれば良い。
走りに関連して、もうひとつ良くなったのが静粛性だ。SAIはハイブリッド専用車としてそもそも静かなクルマだった。クラウンハイブリッドには及ばなかったが、プリウスよりは静かなクルマという印象があった。
新型サイでは、エンジン音の遮断が徹底され、風切り音も低減させるなど、静粛性の向上を図っている。高速クルージングなどで一段と静かな走りが味わえる。
エコプラスチックや再生樹脂などを徹底的に使用し、燃費だけではない本当の意味でのECOカーに
新型サイのクルマ作りでは、従来からテーマとされていた環境への配慮もさらに徹底された。トリムなど、インテリアの表面部分の80%くらいに植物由来樹脂(エコプラスチック)が使われ、また床下のアンダーカバーなど見えない部分には再生樹脂(リサイクルプラスラック)が採用されている。
トヨタは、かねてから植物由来樹脂や再生樹脂の使用量を20%以上にすることを自主的な目標に掲げてきたが、今回はその目標年次を2年前倒しする形で達成した。
これらの樹脂は、普通のプラスチックに比べると、ともすれば品質で劣り、コストが高くつくことになりかねない。さまざまな研究開発を進める中で、新品の石油系樹脂と同等かそれ以上の品質や耐久性、コストを実現できたという。だからこそ採用が大きく広がった。
ユーザーは、新型サイが環境に深く配慮したクルマであることに、高い誇りを持って乗れる。資源・環境のためには再生樹脂などの使用拡大が必須なので、ほかのクルマも新型サイに続いて欲しいと思う。このようにまじめなクルマ作りという面から見ても、今回の新型サイは大きく前進している。
残念なのは、最近注目のプリクラッシュセーフティシステムが最上級グレードでしか選べないこと。それもミリ波レーダー方式のままで進化しておらず、人間認識などは相変わらずできない。それでもSAIを買うならプリクラッシュセーフティシステムが付くG“Aパッケージ”がお勧めだが、最上級グレードなので価格が高い。安全装備は極力幅広い設定が望まれる。
トヨタ サイ(SAI)価格、燃費、スペックなど

■トヨタ サイ(SAI)価格
・S 3,210,000円
S“Cパッケージ” 3,310,000円
・G 3,820,000円
G“Aパッケージ” 4,210,000円
| 代表グレード | トヨタ SAI(サイ)G |
|---|---|
| ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4695×1770×1485mm |
| 車両重量[kg] | 1590kg |
| 総排気量[cc] | 2362cc |
| エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] | 150ps(110kw)/6000rpm |
| エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 19.1kg-m(187N・m)/4400rpm |
| モーター最高出力[ps(kw)] | 143ps(105kw) |
| モーター最大トルク[kg-m(N・m)] | 27.5kg-m(270N・m) |
| ミッション | 電気式無段変速機 |
| JC08モード燃費[km/l] | 22.4km/l |
| 定員[人] | 5人 |
| 税込価格[万円] | 382.0万円 |
| 発売日 | 2013/8/29 |
| レポート | 松下宏 |
| 写真 | 編集部 |
【関連記事】
- トヨタ サイ新車情報・購入ガイド クラウンより高価な高級ハイブリッド セダン。キレ味抜群のスタイリッシュな大人のセダンに大変身!
- マイナーチェンジ前モデル【トヨタ SAI(サイ) 試乗評価】プリウスから一歩踏み出した、ハイブリッド戦略の新機軸
- レクサスHS250h新車情報・購入ガイド スピンドルグリルで男前度200%アップ? 燃費も向上したマイナーチェンジ
- 隙のない完成度と低燃費を誇るハイブリッドシステム【トヨタ カムリ ハイブリッド試乗評価】
- トヨタ新車情報・購入ガイド一覧
- トヨタ新車試乗評価一覧
【オススメ記事】
- フォルクスワーゲン ポロ新車情報・購入ガイド ついに全長4m越えに! 3ナンバー化した6代目新型ポロは、1.0L直3ターボを搭載【ニュース・トピックス】
- 三菱エクリプスクロス試乗記・評価 さすが4WDの三菱! 豪快にリヤタイヤを振りだすような走りも楽しめる絶妙なS-AWCに脱帽!【レビュー】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.6】 日差リーフの実電費チェック! (一般道編)コツコツ電費を稼ぐe-Pedal【評論家ブログ : 日産リーフ】
- メルセデス・ベンツSクラス新車情報・購入ガイド 約20年振りの直6エンジンに、ISGを組みあわせた次世代エンジンを搭載!【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.5】 日差リーフの実電費チェック! (高速道路編)実電費アップは、こだわりの空力性能にあり!【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 三菱エクリプスクロス新車情報・購入ガイド スタイルに走り、装備とスキ無しの完成度を誇るコンパクトSUV。ガソリン車だけしかないことが、唯一の弱点?【ニュース・トピックス】
- 【日産リーフ 長期評価レポートvol.4】 30歳代クルマ好き女性、初めての電気自動車! その評価は?【評論家ブログ : 日産リーフ】
- 日産セレナe-POWER新車情報・購入ガイド ついに、シリーズハイブリッドシステムを搭載したセレナ! 5ナンバーミニバン、ハイブリッド車戦争へ加速!!【ニュース・トピックス】
- マツダCX-8試乗記・評価 際立つ運転のしやすさ! こだわりの「躍度」を雪上でチェック!【レビュー】
- 日産テラ(TERRA)新車情報・購入ガイド ナバラベースのSUV中国でデビュー! 日本への導入は?【ニュース・トピックス】
【関連記事】
- トヨタ タンドラ新車情報・購入ガイド 全長5.93m! とにかくデカい!! アメリカを象徴するフルサイズピックアップトラック【トヨタ】
- トヨタ ハイランダー新車情報・購入ガイド 円安が理由!? 少々高価な3列シートSUV【トヨタ】
- トヨタ GRヤリス(10系)新車情報・購入ガイド さらなる熟成が施された26式【トヨタ】
- トヨタ RAV4 PHEV(60系)新車情報・購入ガイド 優れた走りが楽しめるGR SPORTを設定!【トヨタ】
- ホンダ フリード新旧比較 後悔・失敗しないための新車購入ガイド【対決】
- トヨタ RAV4(60系)新車情報・購入ガイド 知能化へ第1歩「アリーン」を初搭載! 【トヨタ】
- 2026年箱根駅伝、先導車など、陰の立役者といえるトヨタ運営車両が「全車電動化」へ【イベント情報】
- トヨタ ハイエースコンセプト 次期新型ハイエースか? Japan Mobility Show 2025【トヨタ】
- トヨタ ランドクルーザーFJ 大ヒット確定!? ランクルシリーズの末弟が登場! Japan Mobility Show 2025【トヨタ】
- トヨタ カローラコンセプト まるでスポーツカー!次期新型カローラなのか? Japan Mobility Show 2025【トヨタ】
【オススメ記事】
- 日産サクラ(B6系)新車情報・購入ガイド 買い得感をアピールするマイナーチェンジ【日産】
- ホンダN-ONE e:(JG5系)試乗記・評価 違和感なく運転しやすい軽BEV! リセールバリューも予想!【ホンダ】
- ヒョンデ インスター試乗記・評価 神コスパ! 軽BEV、ハイブリッドコンパクトカーの脅威になる!?【その他】
- スバル クロストレック(GU系)新車情報・購入ガイド ブラックの内外装で、よりスポーティさをアップした特別仕様車「Limited Black」登場!【スバル】
- マツダCX-80(KL系)新車情報・購入ガイド グレード体系刷新と、利便性&走りの質感向上をアップした一部改良【マツダ】
- マツダCX-60(KH系)新車情報・購入ガイド 機能性・快適性・安全性の向上とグレード体系の見直した一部改良【マツダ】
- トヨタ タンドラ新車情報・購入ガイド 全長5.93m! とにかくデカい!! アメリカを象徴するフルサイズピックアップトラック【トヨタ】
- トヨタ ハイランダー新車情報・購入ガイド 円安が理由!? 少々高価な3列シートSUV【トヨタ】
- トヨタ GRヤリス(10系)新車情報・購入ガイド さらなる熟成が施された26式【トヨタ】
- レクサスLM(10系)新車情報・購入ガイド 日本車らしい、細部にわたるおもてなし【レクサス】
CORISM公式アカウントをフォローし、最新記事をチェック!











