ホンダ マイクロコミュータープロトタイプβ新車情報・購入ガイド バリアブル・デザイン・プラットフォーム採用で、用途・要望に合わせて生産できる期待の超小型車 [CORISM]

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【ホンダ】2013/06/10

ホンダの実証実験参加で、超小型車導入スピードが加速する?

ホンダ マイクロコミュータープロトタイプβ
 ホンダは、国土交通省主導で導入が検討されている超小型車の車両区分および欧州L7カテゴリー(欧州の二輪カテゴリーのひとつで、EVの場合はバッテリーを除き、重量400kg以下、出力15kW以下)を視野に入れた近距離移動用の超小型EV「マイクロコミュータープロトタイプβ」を使った社会実験を行うための了解覚書を、熊本県および沖縄県宮古島市と締結した。今秋から順次実施できるように、具体的な検討を開始。

 この社会実験では、高齢者層の近距離圏内の日常的な移動支援、通勤や業務目的のカーシェアリングといったさまざまな用途での可能性に加え、それぞれの環境に合わせたインフラを含めた街づくりについても各自治体と共に検証していく。また、子育て層に対しても、超小型車の価値検討も合わせて推進していく。

熊本県では、各地域における移動の問題の改善と、それに伴う地域の活性化、観光地としての新たな魅力の創出に加え、環境エネルギー問題にも取り組み、各施策の効果検証を行う。ホンダの他では、日産が超小型車ニュー・モビリティ・コンセプトを用い、横浜市や東急電鉄などと協力し日常生活での利用実態などを調査しているなど超小型車に対しては積極的。日産の横浜本社のショールームでは、ニュー・モビリティ・コンセプトに一般来場者が試乗できるなども行なっていたほどだ。

宮古島市では、環境モデル都市としての取り組みの一環として、離島での街づくりや環境事業と連携した超小型EVによるCO2排出量低減効果を検証。また、観光地における環境対策のひとつとして、再生可能エネルギーで超小型EVを運用するCO2フリー化の検討を東芝と共同で進めていく。宮古島のように、小さな島はまさにEVにピッタリな環境といわれている。島周囲を回っても、わずかな距離なので、走行可能距離が少ないEVでも十分だからだ。とくに、豊かな自然環境が観光資源となっている宮古島などでは、ゼロエミッション化は必須とも言えるだろう。

 現在、超小型車に関しては、大型トラックなどのと混走による危険性、衝突安全性能などの問題点も課題とされている。また、安全性能や走行性能を上げると、車両価格が高価になり普及しないなどのデメリットや、自動車メーカー以外のベンチャー企業が参入しにくなどの課題もある。日産だけでなく、ホンダが新たに実証実験に参加するということは、車両の違いなど多くの新しいデータが出てくることになり、超小型車の本格導入に向けてスピードが加速するとみられている。

 ホンダのマイクロコミュータープロトタイプβは、バッテリーやモーター、コントローラーなどを床下およびリアスペースに配置し、動力機能をコンパクトに完結させたプラットフォームである「Variable Design Platform」を採用しており、さまざまな用途や顧客の要望に合ったボディや内装を、既存の自動車より比較的容易に開発・生産することを可能としている。使う場所や使い方に合わせることが可能なので、よりマーケットニーズに合った超小型車になるということだ。

 今回の実証実験には、ホンダのマイクロコミュータープロトタイプβの2名乗車タイプ車両を提供。リアシートを交換することで、大人1名+子供2名の乗車も可能するなど、フレキシブルな使い方が可能となっている。

ホンダ マイクロコミュータープロトタイプβ

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(レポート:CORISM編集部

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