トヨタ アクア新車試乗評価 見た目はほとんど変わらないが、マイナーチェンジで乗り心地と静粛性がアップ。

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【トヨタ】2014/04/25

 

 

燃費競争は歓迎するが、顧客不在のカタログ燃費値のだまし合いはいかがなものか?

トヨタ アクア マイナーチェンジ後

アクア にしてもフィット にしても、このようにカタログ上の燃費の優劣を競うだけの競争であるなら、やらないほうが良いと思う。ユーザーが本当に欲しいと思うような仕様で良い燃費を出したり、実際にユーザーが使うような状態での実用燃費を良くすることのほうがずっと大切だ。

ワケの分からない燃費競争をするとき、技術者はユーザーの顔が見えなくなっているのではないか。技術者の自己満足のためだけに燃費競争をしてもらっても困る。ユーザーの顔が見える燃費競争をしてもらいたい。

私としてはつまらない燃費競争には文句たらたらになるが、アクアにしてもフィットにしても30km/Lを超えるような実力値は相当に良い燃費である。これだけ良い燃費を出しているのだから、それを堂々と誇ったら良い。カタログ燃費のためだけに小賢しいことをやるから、文句を付けたくなるのだ。

トヨタ アクア マイナーチェンジ後
トヨタ アクア マイナーチェンジ後
トヨタ アクア マイナーチェンジ後

 

 

多くのユーザーの声が、マイナーチェンジで静粛性、乗り心地アップにつながった

 アクアに話を戻すと、今回の燃費向上は、フリクションの低減や制御の高度化などによって得られたものだという。これも真っ当な方向である。アクアが発表されてから約2年が経過しているから、この間の技術開発によって、フィットの燃費を上回るのは容易なことだったろう。

燃費を向上させるのに、手っ取り早いのは転がり抵抗の少ない空気圧の高いタイヤを採用することだが、そうした禁じ手に近いような方法を使わず、真っ当な方法で燃費を向上させてきたのは評価していい。試乗したブラックレザーセレクションが履いていたのは、一般的なエコタイヤであるBSのエコピアで特に無理なことはしていなかった。

実際に走らせた印象も、燃費のために走行感覚を犠牲にするようなものではなく、これまでと変わらない感覚の走りを維持しながら燃費が向上している。まあ実際には、燃費のために走りが犠牲になった部分も多少はあるのだろうが、私が試乗した範囲ではそれは感じられなかった。

それ以上に良くなったのは、乗り心地や静粛性の向上だ。実は2011年にアクアが発売される前に、燃費の情報などが出てきた段階では、本気でアクアの購入を考えるつもりでいた。

ところが試乗会で乗ってみたら、騒音や振動、乗り心地などが何とも安っぽくてダメで、購入を検討するどころではなくなった。開発者には、相当に辛辣なことを言った覚えがある。

私以外にも多くのユーザーからそうした指摘があったとみえて、今回のマイナーチェンジでは乗り心地や静粛性をしっかり改良してきた。このあたりは大したものである。

際立って乗り心地が良いクルマであるとか、あるいは際立って静かなクルマというほどではないが、従来のアクアに比べると格段に進化したのが良く分かる。このクラス、この価格帯のクルマとして満足できる水準に達したと思う。

トヨタ アクア マイナーチェンジ後
トヨタ アクア マイナーチェンジ後
トヨタ アクア マイナーチェンジ後

 

 

 

 

トヨタ アクア価格、燃費、スペックなど

トヨタ アクア マイナーチェンジ後

■トヨタ アクア価格
・G“ブラックソフトレザーセレクション” 2,005,714円
・G 1,923,428円
・S 1,861,715円
・L 1,748,572円
・アクアG G's 2,283,429円

定員[人]5人

代表グレード トヨタ アクアG
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3,995×1,695×1,445mm
車両重量[kg] 1,080kg
総排気量[cc] 1,496cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 74(54)/4,800rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 11.3(111)/3,600〜4,400rpm
モーター最高出力[ps(kw)] 61ps(45kw)
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] 17.2kg-m(169N・m)
システム全体[ps(kw)] 100ps(73KW)
ミッション 電気式無段変速機
最小回転半径[m] 4.8m
バッテリー 種類/容量(Ah) ニッケル水素/6.5
価格 1,923,428円
レポート 松下 宏

 

 

 

 

 

 

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(レポート:松下 宏

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