【スバル インプレッサWRX STI spec C 試乗評価】やっと追加されたスバルのインプレッサ競技ベース、スペックC

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【スバル】2011/03/13

 

スペックC、純粋競技マシンに変化あり!?

 スバルインプレッサといえば、言うまでもなく、ラリーを戦うコンペモデルとして誕生。WRCや全日本をメインとする国内ラリーでの輝かしい戦歴を誇るが、そのベースとして歴代モデルに用意されているのがスペックCである。もちろんCとはコンペティション(競技)の頭文字だ。
で、現行型にも遅ればせながら、STIスペックCが追加された。ノーマルに対して徹底的な軽量化が施されているのが特徴で、もちろんそれは今回の現行型も例外でなし。ボディまわりではアルミ製ボンネット/薄板ガラス/小型バッテリーに変更され、足回りでも18インチのホイールは軽量タイプとなる。さらにリヤデフには機械式LSDを採用したり、フロントクロスメンバーのエンジンマウント接合部分を補強していると評価していい。

スバル インプレッサWRX STI spec C フロントビュー 画像

外観的には一見変わらないものの、ボンネットをアルミ化。さらにガラスも薄板に変更。じつはガラスは重量がけっこうかさむものなのだ

スバル インプレッサWRX STI spec C リヤビュー 画像

リヤに関しては変更点や特別な部分はないが、精悍なシルエットであるのは確かである

スバル インプレッサWRX STI spec C 18インチホイール 画像

ブレンボのキャリパーは専用色としてゴールドに塗装される。さらにシンプルな17インチ使用も用意されていて、こちらが真のベースグレードになるのだろう

 

それほど、差がない?

スバル インプレッサWRX STI spec C エンジン 画像

毎度の赤い結晶塗装が精悍な感じ。インタークーラーにはウォータースプレーが付いていて、さらに吸気温度を下げてくれるので、ガンガン走っても熱ダレはなし
 エンジンでも制御を司るECUの設定を専用とし、ターボの軸受けをボールベアリングタイプも採用して、トルクを8N・mアップ。しかも1200回転から最大トルクを発生させることで、鋭いレスポンスと加速を実現している。
と、聞くと相当軽快感のある走りが楽しめると思いきや、今までの歴代スペックCほどはノーマルとの差があまりないというのが、走ってみたうえでの正直な感想。そもそものノーマル車重が今よりもかなり軽かったし、初期のスペックCではトランクの内装などもないといった念の入れようで、軽量体感度はかなり高かったと評価だ。

競技ベース車というよりも、ハイスペックグレードどとしての価値

スバル インプレッサWRX STI spec C フロントシート 画像

写真はオプションで用意されているレカロ製シート。サイド/カーテンエアバッグとセットオプションになる。通常は赤ステッチのファブリック&ジャージ表皮のバケットになる
 まぁ、今や競技ベースといってもラリーやダートラの人口は激減しているし、WRCだって過去のモノだ。骨のある競技車ベースを作っても意味があるのかどうか? ハイレベルなスポーティグレードのひとつとしてとらえるというほうが現実的だろう。そう見ると、じつに楽しい。パンチは十分、ボディ剛性ももともと高いのがもっと高いし、機械式LSDの利きも尖っていないのでコーナーも勇気さえあれば踏んでいけて、踏んだ分グイグイと曲ってくれるのはインプレッサの真骨頂だ。昔は曲らないと言われたこともあったが、今やそんなことはなし。先に言ったように軽快感は正直ないのでヒラリヒラリという感じではないけど、ドッシリと構えつつ、安心してスポーティな走りが楽しめるというのは、新しいスペックCのあり方と言っていいだろう。
スバル インプレッサWRX STI spec C 走り 画像
スバル インプレッサWRX STI spec C 走り 画像
スバル インプレッサWRX STI spec C 走り 画像

 

代表グレード スバル WRX STI spec C 18インチタイヤ仕様
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4415×1795×1470mm
車両重量[kg] 1440kg
総排気量[cc] 1994cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 308ps(227kW)/6400rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 43.8kg-m(430N・m)/3200rpm
トランスミッション 6速MT
10・15モード燃費[km/L] 10.4km/L
定員[人] 5人
消費税込価格[万円] 364.35万円
発売日 2010/12/21
レポート 近藤 暁史
写真 オフィスマッシュルーム

 

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(レポート:近藤暁史

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