【ジャガー XK 試乗記】ジャガーのフラッグシップXKがマイナーチェンジ! エンジンを一新してパワーはもちろん燃費も向上した

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【ジャガー】2009/06/05

 

初のマイナーチェンジで内外装をリファイン

 ジャガーのフラッグシップモデルとなるXKがマイナーチェンジを行い、内外装のデザインに手を加えたほか、新エンジンの搭載やシャシーの改良などを実施した。ジャガーにとってXKというモデル名は1948年代からの伝統あるもので、2006年に現行モデルがデビューしてから早くも3年が経過し、今回の改良となった。
外観デザインの変更は控えめで、バンパーのデザイン変更やリヤのLEDランプの採用などがあった程度。内装はトランスミッションのインターフェースが大きく変わった。先に発売されたXFと同様、スターターボタンを押し込むとダイヤル式のATセレクターが手の平の中に立ち上がってきて、ダイヤルを回転させて走行レンジを選ぶ仕組み。XFのときにも斬新さと操作性に感心したが、ジャガーはこれをXKにも展開してきた。

ジャガー XKクーペ フロント

エクステリアではバンパーやリヤコンビランプのデザインが変更された。ジャガーらしい優雅なフォルムはそのままに新鮮さをプラス。

ジャガー XKクーペ リヤ

立体的で力強さを感じさせるサイドや大径ホイールにより、どっしりとした安定感がある。前後に流れるようなルーフラインも美しい。

ジャガー XKコンバーチブル フロント

こちらはオープン仕様のXKコンバーチブル。ルーフは最近はやりのメタルトップではなく、あえて伝統的なソフトトップを採用する。

 

ジャガー XK フロントマスク

メッシュのフロントグリルがスポーティな雰囲気。このグリルやはっドライとを始め、全体に丸みを帯びたデザインで統一されている。

ジャガー XK リヤコンビランプ

リヤコンビランプは、新たにLED式のものへと変更された。視認性はもちろん、質感も高く上品さを感じさせるデザインだ。

ジャガー XKR 20インチタイヤ&アルミホイール

最上級グレードのXKRは20インチの大径ホイールが標準装備。その他は19インチ仕様が標準で、20インチもオプションで選択可能だ。

ジャガー XKコンバーチブル リヤ

排気量をアップしつつも低燃費を実現した新V8エンジン

ジャガー XK リヤビュー
 搭載エンジンはV型6気筒3リッターは従来と同じだが、V型8気筒が4.2リッターから5リッターへと排気量アップされて大幅なパワーアップを遂げている。V8エンジンは自然吸気とスーパーチャージャー仕様があり、両方とも5リッターの新開発エンジンに変更されている。
今回はスーパーチャージャーのXKRはコンバーチブル、自然吸気エンジンのXKポートフォリオはクーペボディに試乗した。
自然吸気エンジンでも 385ps(283kW)/515N・mの実力で、比較的軽いアルミ製のボディを引っ張るには十分な実力。自然吸気らしい吹き上がりの良さと合わせて豪快な走りのフィールを味わわせてくれる。ATセレクターがダイヤル式なので、シフトチェンジはパドルによって行なうが、この操作に対する6速ATのレスポンスも素早く確実なものだった。
XKRに搭載されるスーパーチャージャー仕様のエンジンは510ps(375kW)/625N・mのパワー&トルクだから、圧倒的な走りのパフォーマンスを実現する。最大トルクを発生する2500回転に達してからの加速感は文字通り圧倒的なものとなる。スーパーチャージャー仕様の0-100km/h加速タイムはわずか4.8秒とのことだが、それもうなづける実力だ。このようにパワーアップを図りながらも、燃費は向上させているのも注目すべき点が高評価を得る。

ジャガー XKR 5リッターV8スーパーチャージャーエンジン

XKのエンジンは5リッターV8のスーパチャージャー(写真)と自然吸気、そして3リッターV6の3種類を搭載している。

ジャガー XK シフトダイヤル

ミッションはパドルシフト付きの6速ATを搭載。通常のレバー式ではなく、XFでも採用されているダイヤル式のセレクターとなる。

ジャガー XKクーペ 走り

20インチの大径ホイールを履いているとは思えないほど快適な乗り味。ハンドリングも安定感があり、安心してパワフルな走りを楽しめる。

 

ジャガー XKコンバーチブル 走り
ジャガー XKコンバーチブル 走り
ジャガー XKクーペ 走り

スポーティさと快適性を両立させた足まわり

ジャガー XKクーペ 走り
 足回りには新しくアクティブディファレンシャルコントロールが装備された。これは電子制御のLSDともいうべきもので、コーナーでの立ち上がりなどのときに確実に駆動力を伝達する仕組み。立ち上がりからの加速が良くなるなどのメリットがある。装着されたタイヤは20インチの30/35偏平だったが、乗り心地は快適なもので、妙な硬さを感じさせるシーンはなかった。
価格も高いのでデキが良くて当たり前ともいえるが、動力性能から内装の仕様などまで、1000万円を軽く超える価格帯に見合うだけの魅力を持つクルマと評価したい。

ジャガー XK インテリア

インテリアに使われる本革などの素材も上質で厳選されたもの。豪華な雰囲気のなかにもスポーツカーらしいタイト感があるのはさすが。

ジャガー XKクーペ フロントシート

フロントシートはサイズもゆったりとしており、快適なドライブが楽しめる。クッションの硬さもちょうど良く、使いれにくい形状だ。

ジャガー XKクーペ リヤシート

リヤシートははっきり言って狭く、子供でも足元のスペースはほとんどない。あくまでも荷物を置くスペースと割り切るべきだろう。

 

ジャガー XK メーター

メーター中央には大きなインフォメーションディスプレーを装備する。時計や燃費など、さまざまな情報が表示でき視認性も良好だ。

ジャガー XK ナビ&エアコンスイッチ

ナビの画面は大きく見やすい位置にある。エアコンなどのスイッチ類も操作しやすく、実用性の高さも十分満足できるもの。

ジャガー XKクーペ トランク

トランクは2ドアクーペとしてはまずまずの広さが確保されている。コンバーチブルは幌を収納する関係もあり、容量は少なめだ。
ジャガー XKコンバーチブル 走り

代表グレード ジャガー XKR クーペ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4790×1915×1320mm
車両重量[kg] 1810kg
総排気量[cc] 4999cc(スーパーチャージャー)
最高出力[ps(kw)/rpm] 510ps(375kw)/6000〜6500rpm
最大トルク[N・m/rpm] 625N・m/2500〜5500rpm
ミッション 6速AT
10・15モード燃費[km/l] 6.6km/l
定員[人] 4人
税込価格[万円] 1550.0万円
発売日 2009/4/14
レポート 松下宏
写真 和田清志
(レポート:松下 宏

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