【新車・中古車購入術】女性視点のコンパクトカーNO1決定戦 1回戦「ヴィッツ」vs「フィット」比較評価 [CORISM]

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【対決】2010/10/15

主婦を中心にした一般女性ユーザーからのアンケート結果も反映

 燃費の良さや運転のしやすさで人気のコンパクトカー。今では装備も充実し快適性も高くなっている。また実用性だけでなく、走りやスタイリングにも力が入れられている。
 人気のジャンルだけに各メーカーからいろいろな車種が発売されているが、第1回目の今回はトヨタのヴィッツとホンダのフィットを比較した。単に機能性や走りを比べるのではなく、メインユーザーである一般女性の視点から見た意見も聞いてみた。はたしてその結果は!?

ホンダ フィット トヨタ ヴィッツ
ホンダ フィット リヤビュー

[ホンダ フィット 評価]
スタイリング:11点
インテリア:10点
メカニズム:18点
走り:15点
安全装備:17点
合計:71点
※スタイリング/インテリの評価は女性ユーザーの平均点。メカニズム/走り/安全装備は藤島知子の評価。各項目は20点満点で合計100点。
トヨタ ヴィッツ リヤビュー

[トヨタ ヴィッツ 評価]
スタイリング:13点
インテリア:11点
メカニズム:16点
走り:17点
安全装備:16点
合計:73点
※スタイリング/インテリの評価は女性ユーザーの平均点。メカニズム/走り/安全装備は藤島知子の評価。各項目は20点満点で合計100点。
スポーティな内外装デザインが評価の分かれ目だ シンプルなコンパクトカーらしさが地味な印象を与える!?
 先代モデルは販売台数記録1位をマークするなど、非常に人気があったのがこのホンダ フィットだ。その人気の秘密は、コンパクトカーらしからぬ走りの良さ。実際にその走りを高く評価する評論家も多い。搭載エンジンは、この1.5リッターに加えてベーシックな1.3リッターも用意。駆動方式はFFと4WDがあり、FF車ではCVTに加えて5速MTも選べる。ちなみに4WDは5速ATのみの設定。
 フィットのスタイリングは、シャープなデザインのヘッドライトが印象的。女性の意見もそれを裏付けるように「キリッとしている(isaisaさん/42歳)」や、「男っぽい(ないみへいさん/38歳)」、そして「流線型で速そう(FTGWさん/33歳)といった意見が目立つ。しかし、えくぼさん(33歳)や、ちえさん(32歳)のように「丸くてかわいい」という意見があったのには驚かされた。
 インテリアはヴィッツと同じく質感と使い勝手を重視しつつも、どことなくスポーティさも感じさせてくれる。またセンタータンクレイアウトを採用するなど、パッケージングもいい。「男っぽい(なみへいさん/38歳)」や「コンパクトカーっぽくないところがいい(FTGWさん/33歳)」と、女性達もスポーティと感じているようだ。だが黒を基調としたスポーティな配色やインパネ回りの形状のせいか「窮屈っぽい(ちえさん/32歳)」という意見も。また「落ち着いた感じがする(isaisaさん/42歳)」という意見もあり、これはスポーティさが、好印象へとつながったようだ。

女性評論家 藤島知子の評価は?
 低床フロアや多彩なシートアレンジによって上級クラスのワゴンモデルを凌ぐ積載性を持ち合わせたフィット。いざという時に頼りになる実用性の高さは折り紙付きで、いまやトレンドともなりつつあるアイドリングストップ機能は付いていないものの、基本性能を煮詰めることで、低燃費と爽快な走りを提案しています。1.3リッターエンジンは、街乗り走行のスムーズさと、高速道路での伸びのよさを両立するために、低速走行中や赤信号のブレーキでクルマが前に押し出ようとするクリープ現象をカットし、余分な燃料消費を抑えていたりすることで、24.0km/Lを実現しています。いっぽうで、1.5リッターエンジンのRSは、5速ATとCVTのほかに5速MT仕様も設定されていて、ゆとりをもってスポーティに駆け抜けたい人にオススメです。
 絞られたボディに包まれたような乗車感覚をもつヴィッツと比較すると、フィットはコンパクトカーのわりに明るく、広大な面積をもつスカイルーフが乗員に開放感を与えてくれるほど。視界の良さは運転のしやすさにも結びついていて、フロントウインドウの脇にある柱や三角窓についても、交差点の右左折でドライバーの視界に掛かりにくいよう配慮された設計で、死角が少なくなっています。
 快適性という意味では、フィットは多彩なシートアレンジを優先させている構造ということもあって、後部座席はシートが薄く、座り心地についてはヴィッツがリード。とはいえ、フィットはコンパクトカーの常識を覆した使い勝手のよさ、実用性、燃費、クリーンなスタイリングなど、全方位的なバランス感覚に優れているという点から、家族で一台のファーストカーとして使えるところも、流行に流されない強みを備えているクルマといえます。安全面では、横滑り防止装置はヴィッツが最上級仕様の1.5リッターのRSにのみにオプション設定されるのに対して、フィットは幅広いグレードに展開されているのもポイントです。

[取材時実測燃費]
18.7km/L

[ホンダ フィット 価格帯]
119.7〜186.56万円
※取材車両およびスペックはマイナーチェンジ前のモデルです

 トヨタ ヴィッツは数あるコンパクトカーのなかでも、もっともデビュー時期が古く2005年2月に登場した。搭載エンジンはFFが1リッターと1.5リッターで、4WDは1.3リッターとなっている。組み合わされるミッションはFFがCVT(1.5リッターは5速MTも用意)で、4WDは4速ATだ。カタログ燃費は16.0km/l〜24.5km/lというもの。
 ヴィッツのスタイリングは、ある意味コンパクトカーの王道ともいえるシンプルなもの。肝心の女性の意見はというと「女性らしい乗りやすそうなイメージ(なみへいさん/38歳)や、「コンパクトで運転しやすそう(はんぺんさん/33歳)」や、「小さいけれどスタイリッシュな感じ(isaisaさん/42歳)とおおむね好評だ。
 インテリアは、さすがトヨタ車らしくシンプルながら質感は高い。もちろん高級車のような豪華さはないが、上質さも感じられる。さらに実用性も考慮して小物入れも豊富に用意されるなど、コンパクトカーに求められる要素は十分に満たしている。だがシンプルで実用性を重視したインパネデザインのためか、なかには「地味(えくぼさん/33歳)」や「シルバー向けみたい(FTGWさん)」といった、ちょっと否定的な意見もあった。もちろん「シャープでいい!(isaisaさん/42歳)」や「機能に特化されているのがいい!!(なみへいさん/38歳)」と、シンプルで機能的なインテリアを高く評価する意見もあった。

女性評論家 藤島知子の評価は?
 安心、品質の高さといったトヨタ・イズムにのっとったクルマ作りと欧州を意識した洗練されたデザインでロングセラーモデルとなった2代目ヴィッツ。発売から5年が経過して、まもなくモデルチェンジを迎えると言われているだけに、エンジンをはじめとする動力性能の面では、これといった飛び道具はない比較的ベーシックなタイプのヴィッツ。
 近ごろは、コンパクトクラスのクルマたちが、燃費やエネルギー効率について、日進月歩で進化を遂げているだけに、後発モデルに一歩リードを許している印象を受けます。とはいえ、女性が求める扱いやすさ、親しみやすいキャラクター、日常での使いやすさについては、コンパクトカーのお手本的な定番モデルのひとつです。
 ヴィッツに搭載されるエンジンは1リッター1.3リッター/1.5リッターの3種類。動力を引き出すギアは4AT、5MT、CVTの3タイプが設定されているので、小回りが効いて街乗りで扱いやすい15インチタイヤの仕様から、キビキビした走りが存分に満喫できるスポーティな仕様のRSに至るまで、個々の価値観に合わせて選択することができるのも特徴です。低燃費を意識するなら、ベースグレードのBとその一つ上のグレードとなるFに、+10万円で停車時にエンジンを停止、発進時は再始動するアイドリングストップ機構がこのクラスにいち早く採用された『インテリジェント・パッケージ』がオプション設定。
 安全面をみると、近ごろは欧米市場で販売されているモデルが安全基準をクリアする上で必要とされていますが、日本仕様車にも軒並み全席3点ベルトが採用され始めているだけに、フィットと同様に、後席中央席のみ2点式ベルトとなり、それ以外のシートに3点式ベルトが採用されています。チャイルドシートの固定方法については、ヴィッツもフィットもISOFIX専用の固定バーに加えて、シートの上部をしっかり固定できるトップテザーアンカーが標準装備。フィットでは全車にオプション設定となるサイドカーテンエアバックも、ヴィッツでは多くのグレードに標準装備されているところもいざというときの安心ポイントとなりそうです。

[取材時実測燃費]
18.1km/L

[トヨタ ヴィッツ価格帯]
107.6〜163.8万円

代表グレード ホンダ フィット 1.3Gスマート セレクション(CVT)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3900×1695×1525mm
車両重量[kg] 1010kg
総排気量[cc] 1339cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 100ps(73kW)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 13.0kg-m(127N・m)/4800rpm
ミッション CVT
10・15モード燃費[km/l] 24.0km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 132.0万円
発売日 2007/10/18
代表グレード トヨタ ヴィッツ 1.0F
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3785×1695×1520mm
車両重量[kg] 990kg
総排気量[cc] 996cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 69ps(51kW)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 9.4kg-m(92N・m)/3600rpm
ミッション CVT
10・15モード燃費[km/l] 22.5km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 118.1万円
発売日 2005/2/1
ホンダ フィット 1.3リッター エンジン

フィットに搭載されるエンジンは1.3リッター(写真)と1.5リッターの2種類。キビキビとした走りが味わえる。1.5リッターはパワフルだが、実用上は1.3リッターでも不満は無い。
ホンダ フィット 15インチタイヤ&アルミホイール

ヴィッツよりもひとまわり大きな15インチのタイヤを装着する。
ホンダ フィット インテリア

スポーティさを重視したインテリアデザイン。小物の収納も豊富で実用性も高い。
ホンダ フィット シフトレバー

ミッションはFFがCVT(写真)で、4WDは5速ATとなる。FF車には5速MTも用意されている。
ホンダ フィット リヤシート

後席は十分な広さがあり、男性でもくつろげるスペースが確保されている。
ホンダ フィット フロントシート

シートの形状はスポーティで、コーナーでもしっかりと体を支えてくれる。
ホンダ フィット ラゲッジ

フル乗車時でもコンパクトカーとしては十分なラゲッジスペースが確保されている。
ホンダ フィット ラゲッジ

左右分割式のリヤシートを採用するので、荷物の量などにあわせたアレンジが可能。
トヨタ ヴィッツ 1リッター エンジン

ヴィッツのエンジンは1リッター(写真)と1.3リッター(4WDのみ)と1.5リッター。1リッターは初期のものに比べて、振動や音が静かになっているので、これで十分といった感じ。
トヨタ ヴィッツ 14インチタイヤ&ホイール

走りよりも快適性を重視した14インチタイヤを装着している。
トヨタ ヴィッツ インテリア

センターメーターレイアウトのインパネは、開放感もあり広々した印象だ。
トヨタ ヴィッツ シフトレバー

FF車はCVTで4WDは4速ATが組み合わされる。1.5リッターは5速MTも選べる。
トヨタ ヴィッツ リヤシート

フィットよりひとまわり小さいが、窮屈さを感じることはない。
トヨタ ヴィッツ フロントシート

ソフトなかけ心地で、快適性は高い。助手席の荷物が転がらない工夫はヴィッツ独自のもの。
トヨタ ヴィッツ ラゲッジ

ボディが小さいため、フィットより容量は小さいが、実用上十分な広さを確保する。
トヨタ ヴィッツ ラゲッジ

ベーシックモデルは一体式だが、上級グレードは左右分割式となる。

ホンダ フィット走り

トヨタ ヴィッツ 走り

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(レポート:CORISM編集部

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