まだまだ続く中古車高値現象!?【震災後の中古車市場】震災の影響と新車市場の影響 [CORISM]

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2011/06/16

被災地で注文殺到の軽自動車

被災車両は30万台以上?

 東日本大震災の発生から3ヶ月が経過し復興作業が進んできましたが、これまでの生活に戻るにはまだまだ長い年月がかかることが予想されます。震災は自動車市場にも影響を与え、被災した自動車の需要が新たに発生したり、自動車の部品工場の精算がストップしたりしています。

 今回の震災で被害にあったクルマは30万台以上との試算も出ており、特に東北の沿岸部で被害にあわれた方が集中しています。東北など地方ではクルマは生活の足として欠かせない乗り物になっており、すぐに自分の移動手段を確保するため「20~30万円で乗れる車検付の軽自動車」のニーズが高まりました。(東北地方は軽自動車の車庫証明が不要なエリアが多い)

 中古車は需要と供給のバランスで価格が決まるので、こういった東北地方での突発的な需要の発生は価格が変わる要素のひとつとなります。結果としては低額の軽自動車の価格は5~10万円程高くなるなど、その需要の高さはこれまでの市場にないものでした。

被災地の需要が与える中古車相場の影響は限定的

 しかし、東北地方の需要は全国レベルで考えれば小さいもの。毎月数十万台売れている市場ですから、3~4月に発生した数千~数万台規模の新規需要はそれほど大きいものではありません。それなのに中古車の価格が前年と比較して平均5万円ほど高くなっているのです。

 そもそも今年の中古車価格は昨年と比べると5万円ほど高い状態で推移しており、震災で発生した需要というのは全体から見ると価格には大きく影響していません。昨年は「エコカー購入補助金」があったため新車は前年より2~3割多く売れていましたが、これは需要の先食い状態で補助金終了後は前年を2~3割少ない販売台数になっていたのです。

 新車の販売が中古車にどんな影響を与えるかというと、そもそも中古車というのは乗り換えなどで発生した下取り車・買い取り車のことですから、新車が売れないと中古車の発生も減るということなのです。中古車が発生しなければ供給が減るので価格は高くなりやすく、その状態が震災前からあったということですね。

 また、自動車部品の生産ストップは新車の生産遅れにも繋がり、ますます新車が売れない状況になっていたのがこの3ヶ月の動きといえるでしょう。結果的に中古車が高い状態が続き、新車の生産が回復しなければこの状況が継続するということです。

高値注目の中古市場。売るなら今か?

 新車の生産が震災前の状態に回復するのは早くて夏休み以降、遅ければ年末(あるいはそれ以上)との見方があるので、しばらくは中古車が高い状況が続く事が予想されます。裏を返せば中古車のニーズは安定して発生しており、中古車市場が注目されているともいえます。

 これから数ヶ月はこの状況が続く事が予想されますので、愛車を手放すユーザーにとってはプラスの要素といえるでしょう。

コメント

今現在の中古の相場は、安定していますか?
by 秋山 一典
2012/03/09 11:02