【ホンダ 新型 インサイト vs トヨタ プリウス試乗評価】で、インサイトって結局どうなの!? ハイブリッドカーの達人"国沢 光宏"がインサイトの核心に迫る! [CORISM]

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【ホンダ】2009/03/17

売れ行き好調「インサイト」は"買い"なのか!?

ホンダ インサイト 走行シーン
 インサイトが好調な売れ行きを見せている。発表後1ヶ月の受注台数は1万8千台になったという。現在フル生産体制に入っているものの、3月9日時点で 2ヶ月待ちという状況らしい。4月1日以降の納車に関して言えばグリーン税制の恩典を全て受けられるため、14万円ほど安く買えるようになる。果たしてインサイトは「買い」なんだろうか?
 まず価格。ハイブリッド車として考えれば確かに安い。というか購入した大半のユーザーがプリウスより44万円も安い点を評価してます。ただ注意して欲しいのは、装備内容とプリウスの値引き。インサイトのベースグレードを見ると、オーディオ無し。スピーカーも2個しかついておらず。
 トヨタだって黙っちゃいない。プリウスの見積もりを取ると、値引き20万円。さらに下取り車の上乗せ査定を15万円以上してくれるようだ(数件の見積もりを見せてもらった)。加えてベースグレードでもCDオーディオやアルミホイールまで標準装備。意外や意外。購入価格をチェックすると、ほとんど差ない。

トヨタ プリウスとホンダ インサイトを徹底比較してみる

ホンダ インサイト リアビュー
 プリウスとインサイトを比べるとどうか? 止まった状態でも解るのが車格の違い。フィットクラス(ヨーロッパでの区分だとBセグメントでVWポロ級)のインサイトに対し、プリウスはCセグメント(同ゴルフ級)。完全に一回りインサイト小さい。リアシートの居住性などハッキリ解ります。
 性能もワンクラス違う。1.5リッターエンジン+68馬力のモーターを搭載するプリウスの加速性能は、普通のエンジンの2リッター級に相当する。1.3リッターエンジン+14馬力モーターのインサイトの場合、同じく1.5リッター級。
 ハイブリッドの魅力の一つである静粛性だってプリウス優位。インサイトは走り出すとずっとエンジンが稼働している上、ジェントルに走っていれば静かだけれど、4千回転以上まで使うとけっこう賑やか。プリウスを知ってしまうと物足りない。
 燃費もプリウスが勝る。流れの良い道に関して言えば、ほぼ同等だと思っていい。ただ夏場や雨の日の除湿用エアコンを使った状態で渋滞に遭遇すると、悪化率が大きくなってしまう。エンジン止まっていてもモーターでエアコンを稼働させるプリウスと違い、エンジンでコンプレッサーを回す普通のタイプのエアコンなのだ。雨の日の東京都内を走ってみたら(平均車速20km/h。まぁ普通の状態です)、14km/L。プリウスなら18km/Lは割らない。大雑把なイメージだと、郊外の流れの良い道で20〜22km/L。通勤モードで18〜20km/L。平均するとプリウスの10%落ちくらいだろうか。

条件付きだけど・・・「買い」!

ホンダ インサイト エクステリア
 といった具合で客観的にハード面を分析するとプリウスの方が明らかに格上。44万円安いならインサイトに強い魅力を感じるが、同等の価格で買えるとなれば、プリウスは手強いライバルとなります。
 最後にランニングコストを。インサイトの走行1万km毎のガソリン代は、 17km/Lとすれば、12km/Lのコンパクトカーや軽自動車より3万6千円くらい安くつく。10万km走ると36万円分浮く計算。また、登録年度翌年の自動車税のみ半額になる。
 以上を認識した上でインサイトを選ぶ、というなら良い買い物だと評価なのだ。

ホンダ インサイト エクステリア

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(レポート:国沢 光宏

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