ホンダは、高級車ブランドアキュラのコンセプトモデルである「アキュラ コンセプトSUV-X（Acura Concept SUV-X）」上海ショーで世界発公開した。ホンダが、Acuraを北米以外でコンセプトモデルのワールドプレミアを行ったのは、これが初めてとなる。

　アキュラ コンセプトSUV-X（Acura Concept SUV-X）は、中国市場をメインターゲットに開発した小型SUVのグローバルコンセプトカー。シャープなスタイリングや走行性能、小型車としての環境性能、そしてSUVの高いユーティリティ性能を高次元で融合させてモデルとして開発されている。ホンダは、このモデルをベースとした中国向け量産車を、3年以内を目処に現地で生産し、発売する予定だ。

　ホンダのアキュラブランドは、世界中に発売されているとはいえ、極端に言ってしまえば北米専用の高級車ブランド。それゆえに、どうしても北米色が強い。北米とマーケットの傾向が似ている国ならば、特に問題なく導入することができていた。中国でもすでにアキュラは導入されているものの、アキュラブランドが成長しないのは、北米色が強いからだ。

　今回のアキュラ コンセプトSUV-X（Acura Concept SUV-X）は、中国で初のワールドプレミアといだけでなく、中国向けの車両で現地生産されるというのが最大の特徴。そもそも、ホンダは北米でも国内自動車メーカー初の現地生産を開始している会社。売る国に出向き、その現地でマーケットに合ったクルマを開発し、現地の人々を雇用し生産することで、販売を伸ばしてきた。当たり前だが、現地のマーケットニーズ合ったクルマを開発するからこそ売れる。初期の中国マーケットのように「なんでも売れた」という時代は終わり、競争が激化すれば、より中国マーケットに合ったクルマがヒットするという傾向になっている。まさに、アキュラ コンセプトSUV-X（Acura Concept SUV-X）は、ホンダの中国高級車マーケットをターゲットにした渾身の1台ということになりそうだ。