【三菱アウトランダーPHEV 長期評価レポートvol.10】 乗ればすぐに分かるラグジュアリー感あふれる高い静粛性と乗り心地 [CORISM]

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2015/12/24

高級SUV以上の静粛性

三菱アウトランダーPHEV
 史上最大のマイナーチェンジといわれるほど、大幅なマイナーチェンジした三菱アウトランダーPHEV。外観デザイン変更によるイメージアップなどは、ひと目でわかる大きな要素だが、走りについてもさまざまな改良が加えられ、走りの質感が着実に向上している。その向上幅は、想像以上に大きかった。

 まず、少し走るとすぐに分かるのが静粛性の向上だ。欧州では高級車からアウトランダーPHEVに乗り換えるユーザーが多いそうで、高級車並みの静粛性が求められたという。それに対応した仕様の変更だ。環境性能の高いPHVは、欧州でも人気が高い。直近では、欧州メーカーの多くがPHVモデルを投入。PHVモデルのパイオニアとして、ライバルを上回る静粛性でプレミアム感をより強調している。2015年7月の三菱が公表しているデータでは、欧州全体のアウトランダーPHEVの販売台数は1,711台。同じPHVであるフォルクスワーゲン ゴルフGTEを抑えナンバー1になっているほどだ。

 静粛性対策としては、エンジンノイズの低減、ロードノイズの低減、風切り音の低減など、音の発生源に対して対応したほか、遮音材の最適配置や路面からの入力による振動の低減など、さまざまな対策を徹底させている。これが静粛性の大幅な向上につながった。さまざまな周波数帯のほぼ全域にわたって騒音レベルで低減され、正に高級SUV以上の静粛性が得られている。

 アウトランダーPHEVはEV走行を基本とするため、そもそもが静かなクルマだが、それが一段と静かになったのが今回のモデルである。

三菱アウトランダーPHEV
三菱アウトランダーPHEV
三菱アウトランダーPHEV

三菱アウトランダーPHEV

高級サルーンのようなしっとりとした乗り心地

三菱アウトランダーPHEV
 乗り心地や操縦安定性も良くなった。ボディやクロスメンバーを補強して剛性を高めたことで、操舵時の車体の変形が抑制された。これによる妙な揺れがなくなることで、乗り心地と操縦安定性を高めている。前後のサスペンションについても、補強や容量アップなどのチューニングが実施され、これも操縦安定性の向上につながっている。

 アウトランダーPHEVは、BMWのように、カタめのサスペンションでSUVながら、あまりロールもせずにグイグイと曲がるというタイプではない。サスペンションのストロークを十分に使いながら、ユッタリと走る。タイヤのゴツゴツ感もあまり伝わってこない。どちらかというと、高級サルーンのようなしっとりとした乗り味だ。

 アウトランダーPHEVには、東名高速や箱根のワインディングロードで試乗したが、ワインディングでは軽快感のあるハンドリングが楽しめた。S-AWCの制御が適正化されたことが走りの良さにつながっている。液晶画面に表示される駆動力配分を見ていると、前後左右にとてもスムーズかつ瞬時に駆動力が配分されているのが分かる。コーナーが連続するシーンなどで、上手く駆動力を配分するので、大きなクルマながらカーブでも曲がりやすい。また、揺れ戻しの幅が小さくて、すぐに姿勢が安定する。例えば、右に曲がったらすぐに左、といったようなS字カーブなどでは、車両の姿勢がすぐに安定するのでスイスイとカーブを曲がっていく印象だ。

三菱アウトランダーPHEV
三菱アウトランダーPHEV
三菱アウトランダーPHEV

高いコストパフォーマンス! ひとクラスの上質感を手に入れた

三菱アウトランダーPHEV

走り発電機ともいえるアウトランダーPHEVは、災害時などにも役立つ。満充電時で一般家庭の1日分の電力を供給。搭載されているガソリンを使い発電すれば10日分相当の電力を生み出すことができる

 高速道路では、eアシストのレーダークルーズコントロールも試した。これは今回の改良では変わっていないようだが、直進性も高くなかなかいい具合の追従走行を示した。
4WD機能は、カーブでも高速道路でも、基本ノーマルの選択でOK。ノーマル以外では、駆動力を最大限に高めるツインモーター4WDロックというモードが用意されている。今回は試すことができなかったが、ツインモーター4WDロックの走破性も上がったという。

 大幅マイナーチェンジが施された三菱アウトランダーPHEV。今回の改良で、ひとクラス上の上質感を手に入れた印象だ。ボディサイズこそほぼ同じだが、乗るとその違いが明確に分かる。高速道路などで、ゆったりとクルージングしていると「ああ、いいクルマに乗っているなぁ」そんな気持ちになる。静粛性も高く乗り心地も良いので、どこまでも走って行けそうだ。それでいて、売れ筋グレードとなるGナビパッケージの価格は4,233,600円。先進のPHEV技術が加わって、このパフォーマンスなら価格的バリューも高い。
<レポート:松下 宏>

三菱アウトランダーPHEV

基本はEVで走るPHEV。電力が無くなるとエンジンが発電。高速道などで大きな力が必要な場合には、エンジンのみでの走行やモーターがエンジンをアシストするなど、自動的に最も効率の良い走行パターンを自動で選択

三菱アウトランダーPHEV

200V普通充電なら約4時間で満充電が可能。急速充電なら30分で約80%充電が可能。。ちょっとした通勤なら、ほとんどガソリンを消費しなく済むのもPHVの魅力。経済性は高い

三菱アウトランダーPHEV

搭載されているエンジンは2.0Lのガソリンエンジンは、レギュラーガソリン仕様。輸入車のPHVは、ハイオク仕様なので燃料費でも経済性が高い

三菱アウトランダーPHEV価格

■三菱アウトランダーPHEV価格
・M 3,596,400円
・G Safety Package 3,882,600円
・G Navi Package 4,233,600円
・G Premium Package 4,590,000円
■三菱アウトランダーPHEVオンライン見積りへ
■三菱アウトランダーPHEV公式HPへ

三菱アウトランダーPHEV燃費、スペックなど

<三菱アウトランダーPHEV Gナビパッケージ スペック>
・全長×全幅×全高  4695×1800×1710mm
・ホイールベース 2670mm
・トレッド前 / 後 1540/1540㎜
・タイヤサイズ 225/55R18
・車両重量 1850㎏
・乗車定員 5 名
・駆動方式 4WD
・モーター 搭載数 2 基 (フロント 1、リヤ 1)
・モーター最高出力 フロント:60kW、リヤ:60kW
・モーター最大トルク フロント:137N・m、リヤ:195N・m
・バッテリー
 種類 リチウムイオン電池
 総電圧 300V
 総電力量 12kWh
・エンジン
 2.0L 4 気筒 MIVEC ガソリンエンジン
 最高出力87kw[118ps]/4500rpm、最大トルク186N・m[19.0㎏-m]/4500rpm
・ハイブリッド燃料消費率(JC08 モード) 20.2㎞/L
・充電電力使用時走行距離 60.8km/L

コメント

自動車評論家の記事では、PluginできるHEVのことは
PHEVと書いてほしいです。
PHVはトヨタの商品名で、動力の機構を示す言葉ではないですよね。
by y
2016/03/16 22:54