ベンツ、レクサスetc、高級個人タクシーが増殖中!! その謎に迫る! [CORISM] [CORISM]

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【生活・文化】2010/04/06

■都内に激増中、高級車の個人タクシー

 タクシーのベース車と言えば、トヨタ クラウンのセダンとかコンフォートとか。日産だと、セドリック/グロリアのセダンやクルーとかで、まぁ、パターンは一緒で簡素な商用セダンを使っているのが主。つまりコスト重視というわけですな。これは法人も個人も同じような傾向だったのが、最近目に付くのが高級車を使ったタクシー。法人でも「ふくねこタクシー」がメルセデス・ベンツのC180を導入して話題になったけど、気になるのは個人タクシーだ。以前であれば高級といってもクラウンのロイヤルサルーンがせいぜいなのだが、最近ではクラウンだとアスリートもよく見かけるし、ちょっと古いけどセルシオやアリストも見かけるほど。
 さらにセンチュリーやレクサス LS460も東京駅あたりではよく見かけるし、ナンバーを追っていくと数台は生息しているようではある。さらに驚きは輸入車もいることで、たまたま昨日出会った(夜で写真撮れず)のがBMWの5シリーズ。ボルボやメルセデスなどなど、個人タクシーとして使われていない高級車はないといっても過言じゃない。しかし、不況の今なぜ? 独自のルートで調査してみた。

■理由その1 高級車のほうがもうかる

 個人タクシーしか乗らないという人はけっこういる。理由はもちろん運転が丁寧だし、クルマもキレイだから。それを突き詰めていくと、乗り心地もよく、豪華な高級車に行き着くわけだ。高級車系の個人タクシーの活動時間はズバリ夜間で、接待などでお金を持っている客狙い。しかも、流すだけではなく、名刺をマメに渡すことで、固定客も多く付き、予約が入ることも多いという。
 確かにボロいタクシーでも高級車の個人タクシーでも料金は一緒。接待なら高級タクシー呼んだほうがよかろう。なので、「うまくいくと2回ぐらい遠方のお客さんが入れば、5万円ぐらいになることもある」というので、高級ゆえの売上アップというのがあるわけだ。

■理由その2 税金対策

六本木・銀座をテリトリーにしている佐藤タクシーの佐藤さん
 ヘタすりゃ、水揚げの6割を会社に持っていかれる法人に対して、個人タクシーはもちろんそのまま売上になる。つまりお客を乗せて走れば走るほど、ドンドンともうかるわけだ(最近はもちろん厳しいけど)。となると六本木/銀座をテリトリーにしている佐藤タクシーが言うように「売上ばかりが増える」ことになるのだが、「タクシーの場合、経費で落とせるのはガソリン代だけ。あとは人によっては制服もあるけど、それも微々たるモノ」。
 このご時世いい話だと思うのだが、前出の佐藤タクシーによれば「税金がっぽり持ってかれちゃうわけ。そうなるとなんのために営業しているかわからなくなってくるよ、まったく」。さらに「税務署もそれ知っているから、すぐくるんだよね(笑)」。確かに個人事業主でもうかると税金類は半端じゃない。「寝ていたほうがまし」というぼやきも、冗談じゃないかも。そこで、最大の経費であるタクシー車両にお金をかけるということになり、高級車が増えていく理由のひとつになっているのだという。

■理由その3 クルマが好きだから

 トヨタ ウインダムを駆る別の個人タクシーに聞くと、「確かに経費として高いクルマを買うというのはありだけど、タクシーって毎月点検が義務付けられているからその分の経費は高級車だと大変かも。だからあとはそのクルマが好きだからってことだよね」とのこと。ご存じの方も多いと思うが、輸入車の高級車って高いから壊れないというわけでもなく、逆にアッサリ壊れるときは壊れるし、壊れると費用も大きい。
「そこそこでいいから楽に儲けるなら、クラウンセダンとかで昼間流しているのが一番いいけどね。でもそれじゃ、張り合いがなくなるし、さらにクルマが好きな人も多いのよ、高級車をタクシーにしている人って」というわけで、理由その2で見たように高級車をタクシーにして経費として落としつつ、メンテナンス代に費用がかかる分は、クルマが好きだからということで納得しているようだ。確かに、エアロを付けたり、ホイール換えたりしているタクシーも多いものなぁ。

■理由その4 クルマの構造

 じつはこれが一番大切だったりするんだけど、タクシー車両として認可されるポイントのひとつとして「自動ドア」というのがある。つまり海外のように手で開けるというのはあり得ないわけだ。自動ドアといっても、バーがつながっているシンプルなものなのだが、これがクラウンセダンなどのタクシーでよく使われるクルマ用しかなかった。それが汎用性のあるパーツが出てきて、どんなクルマもタクシーとして使えるようになり、車種のバリエーションが増える起爆剤になったという。ちなみにエルグランドといった高級ミニバンの個人タクシーもいるが、こちらは話が早くて、電動スライドドアが運転席から操作できるので、別に改造しなくてもそのまま使える。
 というわけで、いろいろな理由が重なって、高級車が増えているようだ。タクシーの場合、なんといってもどんなクルマでも料金は一緒。そうなると、乗る側としては高級なほうがうれしいわけで、タクシーベース車両格差っていうのが今後は広がるかも。

(レポート:CORISM編集部

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