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北米のトヨタバッシングに変化の兆し!?[国沢光宏 コラム]

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【ビジネス・経済】2010/07/14

北米トヨタ車の急発進事故、その原因が見えてきた

トヨタ プリウス[北米仕様]
トヨタ プリウス[北米仕様]
 アメリカに於けるトヨタの状況は大きく変わり始めているようだ。7月14日付けの米ウォールストリートジャーナルによれば「トヨタ車の急加速は運転ミスの可能性大きい」と米国の運輸省が分析しているという新情報を伝えている。つまりトヨタ側でなく、ユーザーに原因あるということです。
 あまり知られていないことながら、これまで厳しいトヨタバッシングを繰り返してきた政府側機関は『NHTSA』と呼ばれる高速道路交通安全局。カリフォルニア州を中心とするメディアとNHTSA、そして政治家がチームを組んでトヨタ叩きをしていた、と言い換えても良かろう。
 このバッシング、トヨタが突如カリフォルニア州の工場(NUMMI:ヌーミー)閉鎖を決めたことに対する反発である(最近多くのメディアがそう分析し始めた)。その後、解雇された従業員に手厚い保証を行い、テスラモータースへの投資でヌーミー跡地に工場を立ち上げることも発表。シュワルツェネッガー知事と和解した。
 すでにトヨタに対する「トゲ」が全て抜けたと考えていいだろう。ただあまりに大きな社会現象になってしまったため、トヨタのイメージは低迷したまま。このあたりで政府としてもバランスを取ろうと考えたんだと思う。今回の情報の出所、どうやら米国交省の本体らしい。
 決定的な証拠になったのが『EDR』と呼ばれる事故直前のデータを記憶しておく装置。こいつを分析すると、速度やアクセル開度、ブレーキを掛けているかどうか、さらにセンサーの多い車種だと前後方向のGや、ブレーキ踏力まで判明する。当初NHTSAはこのデータを活用しようとしなかった。
 しかし米国交省は、暴走の結果75件発生したトヨタ車の死亡事故全てのEDRを解析。現段階で車両の問題によって発生した可能性ある事故を1件だけとしている模様。すなわち74件に付いて言えば「アクセルを踏んでいた」ということである。残り1件も暴走したかどうか不明格のようだ。
 もしトヨタ側に問題なし、ということになれば、現在行われている集団訴訟にも決定的な影響を与えることになろう。これ以上のダメージはほとんど無くなるワケ。とはいえ今回のバッシングでトヨタが受けた痛手たるや非常に大きい。今でも悪いイメージを持っている人は少なくない。このままだと20年前のアウディの暴走騒動の時のように引きずってしまう可能性もある。そのそろトヨタはイメージをプラス側に持っていく動きを行うべきだろう。上手にPRを行えば、涼しくなる頃までに販売状況も大幅に改善すると思う。汚名は返上するも名誉挽回までもう一頑張りだと考えます。

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(レポート:国沢 光宏

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