【ホンダ レジェンド 試乗記・評価】ホンダ レジェンドがよりパワフルで安定感ある走りを手に入れた!! [CORISM]

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【ホンダ】2008/11/21

 

 

内外装のデザインだけでなくエンジンや自慢のSH-AWDにも手を加えた

ホンダ レジェンド フロントグリル
 ホンダのフラッグシップカーとなる最上級セダンのレジェンドは、2004年10月に現行モデルがデビューし、SH-AWDと呼ぶ独自の4WDシステムを採用するなどした点が評価を集め、この年の日本カー・オブ・ザ・イヤーと同アドバンスド・テクノロジー賞を受賞した。2008年に9月には前後のデザインを変更したほか、SH-AWDの機能を変更するなど、さまざまな面での魅力アップを図ったマイナーチェンジを実施した。
外観デザインは、フロントグリルのデザインを変更して一段と存在感のあるものとしたほか、歩行者傷害に対応するバンパーの延長などによってボディサイズもやや大きくなった。ホンダは今年発売したインスパイアが、レジェンドよりも大きくなっていたため、それに対応してボディサイズを拡大する必要にも迫られていた。また床下回りの空力を改善するなど、見えない部分でも変更が行われている。
歩行者傷害への対応ということでは、下肢傷害に対応するバンパー部分の改良だけでなく、ポップアップエンジンフードによる頭部傷害にも対応しており、最高水準の歩行者傷害対応性能を備えるようになった。
搭載エンジンはV型6気筒3.5リッターから3.7リッターへの排気量アップが図られた。これによって動力性能は309ps(227kW)/37.7kg-m(370N・m)になり、300ps超えを実現した。エンジンが大きくなるのは必ずしも良いことばかりではないが、大柄なボディのAWDということもあり、車両重量が 1800kg台とけっこう重いので、動力性能にはより余裕が欲しいということだろう。
また今回のモデルから足回りを固めたユーロ系の2グレード設定するなど、バリエーションの拡充が図られた。標準系の最上級グレードであるIには先にホンダのテストコースでちょい乗りしていたが、今回は都内でユーロSに試乗した。
ユーロSに乗って走り出すと、レジェンドがホンダの高級車であることがすぐに分かる。ほかのメーカーでは、高級車といえば柔らかめの乗り味のクルマとするのが普通だが、レジェンドの中でもユーロは特に、スポーティな感じの硬めの乗り味を示すからだ。
逆に言えばロードノイズが入ってくるなど、振動・騒音の面ではほかの高級車に比べてやや劣っている印象もあるが、単に静かなクルマが良いというわけではないというのがホンダの考えでもある。

ホンダ レジェンド フロント

ほかの高級車に比べて、スポーティさを重視したエクステリアデザイン。だが、質感の高さは車格にふさわしく、高級感も感じさせてくれる。

ホンダ レジェンド リヤ

2本出しのマフラーなどが、スポーティさを強調している。リヤコンビランプのデザインも変更され、よりスタイリッシュなフォルムに変身。

ホンダ レジェンド フロントマスク

大型のフロントグリルはメッキが施され、高級感と存在感の高さは文句なし。ヘッドライトの形状も変更されるなど、新鮮さは失われていない。

 

ホンダ レジェンド インパネ

いかにもホンダ車らしいスポーティな雰囲気のインテリア。質感の高さも文句なしで、フラッグシップモデルにふさわしい高級感を備えている。

ホンダ レジェンド フロントシート

スポーツグレードのユーロは、赤いステッチ入りの本革シートやステアリングを装備。快適性はもちろん、コーナーでのホールド感も抜群だ。

ホンダ レジェンド リヤシート

後席は前後のスペースも十分で、ゆったりとくつろげる。ただ、頭上の空間はライバルに比べるともう少し余裕があってもいいかもしれない。
ホンダ レジェンド リヤ

独特の重厚感ある加速が味わえるのが魅力を高評価

ホンダ レジェンド インテリア
 排気量アップによる動力性能の向上は、特に中低速域のトルクの向上に振り向けられており、発進時からとても力強い加速を感じさせる、まさに高評価といえよう。重量ボディを押し出していく重厚感のある加速フィールは独特のものだ。もう少し軽快な感じがあってもよいが、重厚な加速感は高級車らしさに通じるものでもあり、軽々しい感じになってもいけない。
今回の改良でSH-AWDが1速からでも機能するようになったというが、それは都内のドライのオンロードでは良く確認できなかった。アクセルを踏み込んだ瞬間からインパネ内に設けられたSH-AWDのインジケーターが動いて機能しているのが分かるが、それがはっきり体感できるほどではない。
ステアリングを操作しながら発進するような形でインジケーターを確認しようとしたら、その状態ではステアリングパッドが邪魔をしてインジケーターが見えなくなってしまう。このあたりは一考が必要だが、アイスバーン状になった雪道の交差点近くでは、これまで以上に走りやすくなることは容易に想像できる。
このほか横滑り防止装置のVSAと電子制御パワーステアリングを総合制御してクルマを安定方向にモーションアダプティブ EPSも採用されているが、これも都内の一般道では挙動を乱すような走りをして確認することはできなかった。
レジェンドの価格は大幅な魅力アップもあってかなり高くなり、新設定のユーロSには593万円の価格が設定されている。HDDナビなども標準なのでオプション装着なしでも乗れるのだが、だとしてもかなり高くなった印象を受けるのは止むを得ない。レジェンドを買うならユーロSを選ぶか、あるいはベースのレジェンドが555万円なので、これを選ぶかのどちらかだろう。

ホンダ レジェンド 3.7リッターV6エンジン

エンジンは300cc排気量がアップし、 3.7リッターとなった。中低速域のトルクアップが図られ、重厚感のある加速が味わえるのが特徴だ。

ホンダ レジェンド シフトレバー

ミッションは全車5速ATとなる。ほかのフラッグシップセダンでは6速AT以上を採用しているだけに燃費面なども含め、やや物足りない印象だ。

ホンダ レジェンド 18インチホイール

18インチの大径タイヤ&ホイールを装着する。ほかの高級車に比べノイズなどは大きめだが、いかにもホンダ車らしいスポーティな乗り味だ。

 

ホンダ レジェンド メーター

メーターにはSH-AWDの作動状況を表わすインジケーターが装着されている。視認性も高く、スポーティさと高級感も兼ね備えている。

ホンダ レジェンド インパネ

ナビやオーディオ、そしてエアコンなどのスイッチ類はインパネ中央にまとめられている。走行中でも操作しやすいサイズと形状が印象的だ。

ホンダ レジェンド ラゲッジ

左右の張り出しが少し気にはなるが、実用上十分な容量を確保している。センター部分にはトランクスルー機構も備え、長尺物の搭載も可能だ。

ホンダ レジェンド 燃費、ボディサイズ、スペックなど

代表グレード ホンダ レジェンド ユーロS
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4985×1845×1455mm
車両重量[kg] 1830kg
総排気量[cc] 3664cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 309ps(227kw)/6300rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 37.7kg-m(370N・ m)/5000rpm
ミッション 5速AT
10・15モード燃焼[km/l] 8.5km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 593.0万円
発売日 2008/9/5
レポート 松下宏
写真 近藤暁史
(レポート:松下 宏

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