新型BMW i3には125kW〔170ps〕のモーターが搭載されており、発進時に250Nmというガソリン自然吸気エンジンの2.5L車並の高いトルクを発生する。全長3,964×全幅1,768×全高1,555（mm）というコンパクトなサイズを生かし、BMWらしいダイナミックなドライビング特性を生みだすという。BMW i3 Conceptの発進加速タイムは、0-60km/hで4.0秒以下、0-100km/hで8.0秒以下と発表されている。日産リーフの0-100km/h加速が11.5秒と言われているので、かなりの俊足ということになる。

　この俊足に貢献しているのが、カーボン・ファイバー強化プラスチック（CFRP）のボディだ。レーシングカーや航空機などに使われる軽く強い素材。ただし、CFRPは大量生産に向かないことや、非常に高価な素材のため大量生産されるクルマにはむかないと言われていた。BMWはこのCFRPを、大量生産に対応したという。ただし、やはり今までのスチールをプレスし成形するレベルにはないようだ。その代わり、成形に時間がかかっても、CFRPにはさほど防錆処理が必要ないことや、部品点数が少なくなったなど、今までの生産工程で省けるものが出てきたという。そのため、1台当りの生産リードタイムは、他の車両とあまり変わらないともいう。新型BMW i3の車重は1,250kgと発表されている。

　新型BMW i3に搭載される電池はリチウムイオン電池。容量は不明だが、航続可能距離が130～160kmになる。さらに、ECOPRO（エコプロ）モードを使うと200kmに到達する。

　日産リーフの販売台数が爆発的に伸びない理由のひとつが、航続距離の短さだ。新型BMW i3も航続可能距離の短さでは同じ悩みをもつ。ただ、BMW i3には、なんとエンジンを搭載したレンジエクステンダーがオプションで用意される。600cc程度の小さいエンジンを搭載したモデルのことで、エンジンは発電に専念。エンジンで発電された電気を使いEVで走るというものだ。このレンジエクステンダーを搭載すると、航続可能距離は約130km伸びる。エンジンの詳細は不明だが、2気筒のモーターサイクル用とも噂されている。モーターサイクル用では、それほど燃費は期待できないので、これくらい小さな排気量で低燃費性能を考えると、日本が誇る軽自動車のエンジンがピッタリではないかとさえ思える。