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中国がEVモーター用希土類(レアアース)輸出を緊急規制! どうなるハイブリッド&EV[国沢光宏 コラム]

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【ビジネス・経済】2010/09/11
トヨタ プラグインハイブリッド プリウス[プロトタイプ]

08年の希土類(レアアース)価格の高騰時には「プリウス」の値上げも発生 

 ハイブリッド車や電気自動車に使われる高性能モーターの素材となるネオジムなどの希土類(レアアース)を最大の原産国である中国が突如輸出規制し始めた。この問題、最近TVや新聞などの大手メディアも取り上げるようになってきてます。果たしてどうなってしまうのか?
 ちなみにプリウスの場合、1台あたりに使われるネオジムは1kg少々。1kgあたり20ドル程度で推移していたものの、2008年に50ドル前後まで高騰。ほぼ同時に鋼板の価格上昇が発生したため、先代プリウスはモデル末期で値上げを余儀なくされた。直近の価格も50ドルを突破。
 今後モーターの需要増える一方。なのに世界で流通しているレアメタルの95%を産出している中国は40%減少させてきたのだから影響たるや大。先週はトヨタ自動車の元社長である張氏が中国まで交渉に出かけている。中国政界から高く評価されている張氏ですら色よい返事を貰えなかったようだ。
 じゃトヨタは焦っているか、というと、興味深いことにそうでもない。プリウスの値上げを考えているという動きも無し。報道されている内容が事実なら、明日にでも値上げしてもおかしくないと思う。関係者に聞いてみたら、案外楽観的だった。すでに対策を終了しつつあるそうな。

ハイブリッドカーで世界を先行するトヨタの対応はやはり早かった

 紹介しよう。トヨタは2008年の原料高騰を受け、やがて希土類の入手問題が本格的に発生することを覚悟したという。リーマンショックの発生で原料コスト下がるや、大量の在庫を確保。どうやら現時点でハイブリッド車のモーター2~3年分の希土類を持っているらしい。
 新しい入手先の開拓にも取りかかった。早くも2008年12月に『豊通レアアース』を立ち上げ(和光物産という希土類の専門商社の全株を購入)、インドとベトナムの鉱山を確保。インド産については今年末から。ベトナムも来年より操業開始し、安定確保出来るメドを付けつつある。
 当面は在庫で凌げ、インド産の供給開始によって大幅に緩和され、ベトナム産が加わる2011年になれば中国に100%頼らないで済むようになる、という流れ。メディアで産業界の苦悩を面白おかしく取り上げられる時には、すでに解決している、といういつものパターンです。
 ちなみにクルマの走行用に使う高出力の小型高性能モーター以外についちゃ希土類を使わないタイプの開発研究も2008年以降盛んに行われており、メドが付いるらしい。1~2年で本格的な量産に入ることだろう。今や中国産の希土類は、それほど需要じゃないと考えていいと思う。
 ただトヨタ関連以外のメーカーに聞くと、大きく出遅れてしまっている感じ。だからこそ希土類の輸出を見直して欲しいという訪中団を送ったのだ。ただ大出力モーターを年間20万台規模で立ち上げるメーカーが出てくるのは2012年くらいから。希土類の相場も安定すると考えます。

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(レポート:国沢 光宏

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