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1ドル85円台突入! 壮絶な円高に対し自動車メーカーが冷静なワケ[国沢光宏 コラム]

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【ビジネス・経済】2010/08/16
アキュラ TSX[ホンダ・北米仕様]

ホントに厳しいのは為替にあらず!?

 1ドルが85円を下回るという壮絶な円高に突入してしまった。このレートだと莫大な為替損失が出るハズ。しかし! 自動車メーカーの反応や決算を見ると、右往左往しているという状況じゃない。むしろ大騒ぎしてるの、メディアの方。なぜ自動車メーカーは冷静なのだろうか?
 ホンダを例に挙げて考えてみたい。ホンダの世界販売台数をチェックすると、2010年で約350万台前後になると思われる。ウチ、国内生産分は100万台。国内で作ったクルマの60%くらいが国内で販売されるため、輸出されるクルマとなると実質的に40万台程度。
 加えて40万台が全てアメリカに輸出されるワケじゃない。アメリカでの販売台数は約120万台。アメリカの工場で100万台くらい生産し、カナダ工場からも供給されている。といったことを考えると、日本からアメリカに輸出されるホンダ車って、上を見ても20万台くらいかと。
 もちろんアメリカで生産される100万台の部品の一部を日本から輸出しているものの、販売価格に占める比率は微々たるモノ。逆にアメリカ工場で生産し、輸出されるモデルだってあるから(韓国で販売されているホンダ車など)、ドル安が追い風になっているブブンだってあります。
 また、今回は円高であるけれど、それ以上にドル安である。ユーロもイギリスポンドもオーストラリアドルも中国元も5月下旬からほとんど変動していない。したがってアメリカに輸出する上を見て20万台のみ、1ドル85円という超円高で決算することになるのだった。
 いや、正確に言えば85円じゃない。リスクを減らすため、ドルの先物を90円台前半で購入しているだろう。さらにドルを円に替えるから目減りするのであり、ドルはドルのまま持っていたっていい。為替による赤字についちゃ数字上のモノだということ。政治家やメディアより自動車メーカーの方が賢い。
 もちろん円高ドル安は大いに厳しいと思う。されど「そういった動きに左右されるようなシステムは間違っている」ということを1980年代の円高で自動車メーカーは学習している。今や世界中が複雑に絡み合い、為替で損をしている取引もあれば、為替で得をしている取引もあるということです。
 厳しいのは為替じゃなく「クルマが売れないこと」。リーマンショックの時のように販売台数落ち込めばホントに辛い。されど直近を見ていると、世界的には好調。アメリカだって大きく落ち込んでいない。日本のメディアも人の心配ばかりしてないで、自分の足下を考えた方がいいと思う。

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(レポート:国沢 光宏

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