【新型トヨタ プリウスα(アルファ) 新車情報/購入ガイド】待望の7人乗り&ワゴンが登場! ハイブリッド車のミニバン的多用化が加速する [CORISM]

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【トヨタ】2011/05/13

プリウスα(アルファ)は5人乗りワゴンと、7人乗りミニバンの2本立て

 ミニバン 人気が表すように、日本のクルマ選びの基準は、いつでも便利に使える広大なスペースと7人が乗車することができる多人数乗車。確かにミニバンのスペースを一度体験してしまうと、いかなるときにでも対応できるパフォーマンスは捨てがたい。
 そんなこともあり、プリウス の低燃費・環境性能の魅力を感じていても、便利さでミニバン系のクルマをを選んでいた人も多い。この新型プリウスα (アルファ)は、そんな何でも使えるスペース系のユーザーのニーズに応えて誕生した。スペースと低燃費の融合は、まさに鬼に金棒といえるほど魅力的でもある。
 そんなプリウスαだが、基本は5人乗りのワゴンと7人乗りのロールーフ型ミニバンの2本立てでデビューした。

大きな違いは、ハイブリッドシステムの核ともいえる電池

トヨタ プリウスα(アルファ)

 全体的にプリウスと比べセンターコンソール付近がコッテリとしたデザイン。シフトノブは、コラムシフトっぽい高い位置にある

 プリウスαは、外観上のデザインや装備は5人乗り、7人乗りに大きな違いはほとんどない。大きく違うのは、ハイブリッド システムの核となる電池にある。5人乗りは、今までからあるニッケル水素バッテリーを2列目シート後ろあたりに装備する。そして、7人乗りにはリチウムイオン電池を搭載。トヨタ初となる量産車への搭載だ。
 このリチウムイオン電池は、パナソニック製。主にスペース効率を高めるために使われている。ニッケル水素電池が2列目シート後ろにあるのに対して、リチウムイオン電池は、運転席と助手席の間に置かれているのだ。3列目シートを置くのに、2列目シート後ろにあるニッケル水素電池は邪魔だったのだ。実際のところ、コストの安いニッケル水素電池をできれば、センターコンソールに置きたかったはずだ。しかし、スペース的な問題をクリアするためには、やはりコンパクトだが高価なリチウムイオン電池を使用するしかなかったというのも本音だろう。
トヨタ プリウスα(アルファ)

 新骨格のシートを採用。前後260ミリのスライドと上下リフターを装備

トヨタ プリウスα(アルファ)

 セカンドシートは、5人乗り7人乗りとも6:4の分割可倒式。7人乗りには、サードシートへのエントリーを行うためのウォークイン機能を備える

トヨタ プリウスα(アルファ)

 サードシートは5:5の分割可倒式。170センチまでの乗員が着座可能というのだから、広いとはいえない


トヨタ プリウスα(アルファ)

 サードシートを折り畳むと、沈み込みフラットなカーゴスペースが出現。手前に60リッターの容量をもつ大型アンダートレーを装備

トヨタ プリウスα(アルファ)

 リヤバンパー位置が低いのと、開口部も横幅が十分にあるのでゴルフバッグや愛犬のゲージなども積み込みやすい

トヨタ プリウスα(アルファ)

 セカンドシートまでもフルフラット状態にすると、荷室の最大長は1,850ミリとなる

トヨタ プリウスα(アルファ)

電池の価格差は意外とわずかでお買い得? ただし、プリウスとは違うひとクラス上のクルマと思え!! 

 高価なリチウムイオン電池を搭載した7人乗りのGグレードは300万円。5人乗りのGグレードが280万円なので、その差が20万円だ。装備はほぼ同等。高価なリチウムイオン電池代とニッケル水素電池代の差額と3列シート代だとすれば、意外と20万円の価格差は安いともいえる。
 だが、注意してほしいのが5人乗りGグレードの価格だ。280万円という価格は、プリウスGグレードの245万円に対して35万円も高い。基本的に、LEDのヘッドライトなどが標準化されグレードアップしていたり、ボディサイズそのものもひと回り大きくなってはいる。そういう意味では、プリウスのイメージで買うクルマではなく、ひとクラス上の違うクルマを買うイメージを持たないと、少々割高に感じるかもしれない。
 
トヨタ プリウスα(アルファ)

 運転席と助手席の間、この写真の下にリチウムイオン電池が搭載されている

トヨタ プリウスα(アルファ)

 プリウスとの5人乗りの寸法比較

トヨタ プリウスα(アルファ)

 プリウスとの7人乗りの寸法比較


トヨタ プリウスα(アルファ)

 エンジンノイズも騒音対策により、プリウスより静かになった

トヨタ プリウスα(アルファ)

 視認性が高いというセンターメーターを採用。相変わらずゴチャゴチャ感があり、文字類の小さいのでお年寄りにはキツイかもしれない

トヨタ プリウスα(アルファ)

 樹脂製のパノラマルーフ。ガラスに比べて17kgもの軽量化。爽快感と軽量化を実現

高いハイブリッド車のリセールバリューまで考えれば、意外とお得なプリウスα7人乗り?

トヨタ プリウスα(アルファ)

 5人乗りには、60リッターのアンダートレーのほか、15リッターの小型アンダートレーも別に装備されるので、小物の収納に便利だ

 また、トヨタ の同クラスのウィッシュと比べると、2リッター7人乗りGグレードが226万円。装備などを無視した単純比較で、プリウスα7人乗りGグレードとの価格差は74万円。いくらプリウスαが10・15モード燃費が31km/lとウィッシュの約2倍の燃費だとしても、燃料費の差で74万円を取り返すのは、なかなか難しい。
 ただ、プリウスαを乗りつぶさずに3年程度で売却するとなると、話は変わってくる。ハイブリッド車は、中古車になっても人気が高いので、リセールバリューの差が大きく出ると考えられる。ザックリとした仮の話だが、300万円のプリウスαのリセールバリューが3年で60%なら180万円。3年間120万円で乗った計算。同じくウィッシュが50%なら113万円。3年間113万円で乗った計算だ。その差は、わずか7万円となり購入時の価格差が大幅に縮まる。燃料費の差額が入れば、プリウスαを買う方が逆にお得という計算もできるかもしれない。
 実際にプリウスαを購入したいが、キャッシュが少ない場合、低金利ローンで長期に借りるというのも十分検討してもいいクルマといえる。ディーラーの残価設定ローンの利用もいいが、残価設定が60%を割る場合、売却先をディーラーだけでなく、他の買取専門店などにも売却できるような設定があるものを選びたい。注意したいのは、あくまで人気が高いと予想される7人乗り車だけだ。
トヨタ プリウスα(アルファ)

 5人乗りのカーゴルーム。基本的にサードシートを畳んでしまえば、スペース的には、ほとんど同じ。あとは、7人乗車をすることがあるのかないのか? という選択のみだ

トヨタ プリウスα(アルファ)

 プリウスに比べ、少し押し出し感が増しシャープな印象になった。CD値は0.29を実現

トヨタ プリウスα(アルファ)

 215/50の17インチタイヤはツーリングセレクションに標準装備。その他は205/60の16インチアルミホイールかスチールホイールになる


トヨタ プリウスα(アルファ)

 ワイド感を出すために左右ぎりぎりまで外側に配置されたリヤランプ類。ちょっとバッタのような虫の目のようだ

トヨタ プリウスα(アルファ)

 写真は5人乗り。助手席と運転席の間に電池がないので、若干の小物スペースが用意される

トヨタ プリウスα(アルファ)

 ほとんどミニバンには見えないシャープなサイドビュー。全高を上げ室内寸法の高さを取れば居住性が上がるが、空気抵抗で燃費は落ちる。ギリギリのラインがこのシルエットともいえる

代表グレード トヨタ プリウスα(アルファ)Gツーリングセレクションスカイライトパッケージ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4615×1775×1600mm
車両重量[kg] 1490kg
総排気量[cc] 1797cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 99ps(73kw)/5200rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 14.5kg-m(142N・m)/4000rpm
モーター最高出力[ps(kw)] 82ps(60kw)
モーター最大トルク[kg-m(N・m)] 21.1kg-m(207N・m)
ミッション 電気式無段変速機
10・15モード燃費[km/l] 31.0km/l
定員[人] 7人
税込価格[万円] 330.5万円
発売日 2011/5/13
レポート 大岡智彦
写真 編集部/トヨタ自動車

【関連記事】

(レポート:大岡 智彦

【オススメ記事】