スズキは、スーパーハイト系ワゴンの軽自動車であるスペーシアとスペーシア カスタムに、最新の安全技術であるレーダーブレーキサポートをオプション装備できるように設定。9月17日より発売を開始しする。

スズキ スペーシアは2013年2月、スペーシア カスタムは2013年6月にデビューしたばかりのモデル。どちらのモデルも、販売が好調なホンダN BOXの独走を阻止するために発表日を前倒しして投入されたモデルだ。

燃費にこだわるスズキは、最新のスズキクリーンテクノロジーを投入。スペーシアの燃費が29.0㎞/L、スペーシア カスタムのターボ車が26.0㎞/Lとクラストップの低燃費を実現した。

そんなスペーシアシリーズに、スズキはついに最先端の安全技術であるレーダーブレーキサポートをオプション設定。このレーダーブレーキサポートは、衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナル、横滑り防止装置ESPをセットにした呼称だ。

もともとスズキは、横滑り防止装置であるESPの装着を拒み続け、安全装備を軽視する傾向にあった。レーダーブレーキサポートがオプション設定される前には、ESPはオプションの用意もなかったほどだ。しかし、ライバルであるダイハツが、ムーヴでレーダーブレーキサポートと同じような機能をもつスマートアシストを5万円というリーズナブルな価格で設定し話題となった。

軽自動車は価格優先と言い続けてきたスズキだが、軽自動車とはいえ時代の流れは安全装備ということもあり、急遽、レーダーブレーキサポートの開発を急ぐ。そして、スズキの顔ともいえるワゴンRに装着し、スペーシアシリーズにも装備できるようになった。スペーシア カスタムに関しては、デビューからわずか3ヶ月というスピーディなものだ。それだけ、急ピッチに開発されたことがよく分かる。

そして、価格にこだわるスズキの底力は、オプション価格にも表れる。ダイハツのスマート アシストが5万円アップなのに対して、スズキは4.2万円アップとよりリーズナブルな設定なのだ。ほんのすこし前まで、横滑り防止装置が6万円前後のオプションであったことを考えれば、赤外線レーダーまで装備してこの価格なのだから、もっと早くからESPを装備していれば・・・、とも思うのだが。

また、スズキとダイハツのシステムには若干の違いがある。スズキはルームミラー前にレーダーを装備。対して、ダイハツはフロントグリルの中だ。ダイハツの場合、グリルの中なので雨滴などにより機能が停止することがある。しかし、スズキの場合は室内にレーダーがあるので、雨滴の影響を受けない。しかし、斜め上から赤外線を照射している。グリル内からほぼ水平に赤外線を照射するダイハツと比べると、どうしても認識範囲は狭くなる。どちらも一長一短なのだ。

とくに、子育て層をターゲットにしたスペーシアシリーズ。小さな子供を乗せることの多いクルマだけに、事故から乗員を守る装備は、オプションとはいえ、ぜひとも選んで欲しい。

安全装備が物足りなかったスペーシアシリーズだが、これで隙のない軽自動車となった。2013年秋にダイハツは、スペーシアシリーズのライバルとなるタントをフルモデルチェンジする。当然、新型タントにもスマートアシストが装備されるので、それまでに、スズキは少しでもレーダーブレーキサポートを装備したことで需要の先取りしたい考えだ。

■スペーシア レーダーブレーキサポート装着車（メーカーオプション 42,000円含む）
・G　2WD　1,270,500円
4WD　1,388,100円
・X　2WD　1,365,000円
4WD 1,482,600円
・T　2WD　1,459,500円
4WD 1,577,100円

■スペーシア カスタム レーダーブレーキサポート装着車（メーカーオプション 42,000円含む）
・GS　2WD　1,454,250円
4WD 1,571,850円
・XS　2WD　1,543,500円
4WD 1,661,100円
・TS　2WD　1,669,500円
4WD 1,787,100円