【新型日産ノート長期評価レポートvol.6】 ハイブリッド車購入にためらっている人にオススメの、普通に乗れるコンパクトカー!<編集部試乗記> [CORISM]

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2012/12/24

意外と力強い走りと、意識しないでも出せる好燃費!

日産ノート

コールドスタートから一般道を平均時速24km/hで走行し燃費は17.0km/L。まだまだいけそう

 まる1日ノート をお借りして、晩秋の土曜日東京から湘南までドライブしてみました。爽やかに走れたり、1時間に数キロしか進まないひどい渋滞に巻き込まれたりと、様々なシチュエーションを走って感じた新型日産 ノートの印象をお伝えします。

 朝、エンジンを始動し走り始めて最初に感じたのは、意外と思い通り走れる、ということでした。1.2Lの3気筒エンジン、しかも燃費を意識したモデル(試乗したX DIG-SグレードのJC08モード燃費は24.0km/L、同じエンジンを積むS DIG-Sグレードだと25.2km/L)なので、正直走りはあまり期待していなかったのです。しかし、エンジンの特性に合わせたCVTのチューニングがいいので、アクセルを踏むとそれに合わせた気持ちのいい加速をしてくれます。

 そして大抵の場合、自慢のスーパーチャージャーを利かせないでも走れてしまうのです。アクセルを思いっきり踏み込めば別ですが、1名乗車、エアコンOFFの状態だと平地ではほぼスーパーチャージャーの作動なしで気持よく走ることが出来ました。

 特に燃費を意識しないそんな普通の走り方でも、新型日産ノートでは簡単に10キロ台後半の燃費が出せてしまいます。土曜の朝の東京は通勤車がけっこういてそこそこ混んでいましたが、一般道を平均時速20~30km/hくらいで走って燃費は17.0km/Lでした。

 これは車庫から出してすぐに走りだした全くのコールドスタートから約40分で出した燃費。ちょっと燃費を意識した走りをすればすぐに20km/Lの大台に行くのでは、と思わせるノートの実力でした。

FF車は全車アイドリングストップ搭載! 

日産ノート

試乗車のタイヤはブリジストンのエコピアEP150

 乗り心地は当初コツコツと跳ねる印象でしたが、約140km走っている間に気にならなくなったので慣れの問題かもしれません。足回りが固いということではなく、段差を乗り越えた時はきちんとサスが動いて地面をトレースする感じでしたのでどちらかというと装着タイヤの特性だと思います。

 当初は低速時にエンジンブレーキが予想以上に利く印象を受けました。これは、減速エネルギー回生機能という低燃費技術を採用しているため、減速時に大きめのオルタネーター(発電機)が積極的にエネルギーを回生しているためです。

 ひと昔前のCVTで感じた減速の違和感(プーリーをどんどん低速側に動かしてエンジンブレーキ以上に減速させた後パッとクラッチを離す感じ)はなく、あくまでリニアな利きで普通よりちょっと強め、といった感じ。こちらも慣れだけの問題です。同じ副変速機付きのCVTを採用し、減速エネルギー回生機能をもつスズキワゴンR も同じようなフィーリングを持っています。

日産ノート

グレードによっては別のタイヤを履く(写真の車のグレードはライダー)

日産ノート

緑に光るアイドリングストップ準備OKのマーク(左側のタコメーター内)

日産ノート

今回の試乗車はスーパーチャージャー搭載のX DIG-S。ECOモードやエコメーターがあるのはスーパーチャージャー搭載モデルのみ

ふんわりアクセルが自然にできる車!ノートで実燃費プリウス超えに挑戦してはいかが?

日産ノート

エアロパーツ等でドレスアップした「ライダー」グレードがあるのもノートの魅力

 気になる点もいくつかあります。

 まずフロントシート。コンパクトカー として見れば決して悪くないシートなのですが、ゆったりとした大型のシートがウリだったティーダから乗り替えると、ちょっと小ぶりに感じてしまうかも。特に横方向はあまり余裕を感じません。

 もう一つ細かいことですが、サンバイザーがとても小さい! まあ、用品店で後付のものとかを買ってきて取り付ければいいのですが、朝夕走ることが多い人は念のためチェックしておいたほうがいいでしょう。

 そんな新型日産ノートですが、1日走り回ってもっとも強く感じた印象は、「エコドライブを意識しないでエコドライブできるクルマでした」。

 エコドライブの手段の一つとしてふんわりアクセルが有効とよく言われます。一般的に停車時から約5秒間かけて20km/hに加速する、というものですがやってみるとこれが意外と難しい。特に日本車はちょっとアクセルを踏んでも鋭く加速する設定にしているものが多いので、微妙なアクセルコントロールを強いられます。

 しかし、新型日産ノートはシフトレバーの後方右側にあるスイッチを押してECOモードにしておけば、アクセルの加減にあまり気を使うことなく省燃費の加速ができてしまいます。スーパーチャージャーの過給もコントロールして、スムースな発進と低燃費を両立するスグレモノです。メーターの真ん中に表示される、低燃費状態を色で表すグラフィック効果も気づきを与えてくれる効果があります。

 いずれにせよ、普通の走りをしていて誰にでも20km/Lに近い燃費を出すことができる・・・。後部座席が広いことも含めて、我慢を強いられないエコカーといえるのではないでしょうか。

 トヨタ プリウスアクア に乗ってる友人が多く、同じクルマに乗るのはイヤだとか、「今さら燃費の悪い車に乗ってるの?」と言われるのもシャクだとか、というアナタ。新型日産ノートという選択ありです。プリウスやアクアなどのハイブリッド車よりも安く、室内も広く、実燃費もハイブリッド 車に肉薄する低燃費です。エコドライビングをマスターして、実燃費でハイブリッド車超えにチャレンジしてみる、って言うのもアリかもしれませんよ。

<レポート:堂島 昭>

日産ノート

運転席のフロントガラスにあるアンテナ線らしきもの。なぜか縦に伸びている

日産ノート

真ん中にあるECOマーク右横の足のマークがアクセル開度を示すエコペダルガイド。緑の線の左側に白くアクセル開度が示される

日産ノート

屋根も高く、足元も広々。後席の人もゆったりと乗れる

日産ノート 価格 燃費 スペックなど

<新型日産ノート価格>
■2WD HR12DE車
・S 1,249,500円
・X 1,298,850円
■2WD HR12DDR車
・S DIG-S 1,449,000円
・X DIG-S 1,499,400円
・MEDALIST 1,674,750円
■4WD HR12DE車
・X FOUR 1,557,150円

代表グレード 日産ノート X DIG-S
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,100×1,695×1,525mm
ホイールベース[mm] 2,600mm
トレッド前/後[mm] 1,480/1,485mm
車両重量[kg] 1,090kg
総排気量[cc] 1,198cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 72(98)/5,600
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 142(14.5)/4,400
ミッション CVT
タイヤサイズ 185/70R14
JC08モード燃費 24.0km/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 1,449,000円
発売日 2012/8/28
レポート 編集部
写真 編集部

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