電気自動車の祭典「EVフェスティバル2016」レポート! [CORISM]

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
2016/11/28

パドックで準備するカスタムEV。相当な勢いで進化し続けている。

カスタムも市販車も、カートだって走ってしまう、EVのお祭りが徐々に熱を帯びてきているぞ!

eNV200

待っていたのはe-NV200電気自動車送迎バス

 EVのリーフやi-miveを始め、最近ではレンジエクステンドやプラグインハイブリットなど、徐々にEV系車種が普通にユーザーに使われ始めてきている。少し前に、ドイツではガソリンエンジンを用いた車の製造を禁止する方向で決まったりと、徐々に動力のモーター化が始まっている。先ごろ発表になった日産ノートe-POWREなどは、その先駆けともいえる答えだろう。

 そうEVは、徐々に浸透してきている。それこそモーターの駆動音のように静かに、しかし確実に迫っているのである。そんな折、11月3日の文化の日つくばサーキット1000コース、通称TC1000にてEVフェスティバル2016が開催された。絵描きとはまた別にして、これだけはと追いかけている筆者も早速にその状況を確かめに足を運ばせていただきました。

パサートe

パサートeこちらはいわゆるハイブリット車。

トミーカイラZZ

トミーカイラZZ、EVにて復活したZZ。その走りはモーターに置き換わっても健在とのことだ。

TOYOTA MIRAI

もちろんMIRAIも来ております。なにしろ燃料電池車の第一人者ですから。


EVカート

にわかに参加者が増えているEVカート。これからはこちらが増えていくのでは⁉︎

白菜メンチカツ八千代

前回評判だったという話のケータリングというかご当地グルメの白菜メンチ。
筆者も食しましたが、確かにこれ百円なら安くてうまい。

リーフバッテリーのリサイクルポータブル充電器

EV系のイベントではおなじみになりつつあるOZコーポレーションさんのリーフバッテリーのリサイクルポータブル充電器。


ドローン

空撮用にはドローンが飛んでいた。これからの撮影の姿がこれだろうか。

会場であるサーキットまでは、車による直接の乗り入れはできません。そこでゲートそばの駐車場にて送迎車が待っています。これももちろん電気自動車(笑)こうしたところまでこだわっています。

EVカスタムデモランとEVコンバージョンクラブ顛末記。その後あのAPEはどうなった!?

EVコンバージョンクラブのAPE

EVコンバージョンクラブのAPE。会場に入ると仕上がったその姿を見せてくれた。

少し前ここでご紹介したEVコンバージョンクラブ
https://www.corism.com/blog/30/3011.h...

 その研究材料のAPEですが、その後どうなったのか? EVコンバージョンクラブでは、一つの目標がありました。それは、このEVフェスティバルにて完成走行発表会を行うというものでした。はたしてその顛末は? 会場に着くと、前から真っ赤なAPEが! そう無事に完成して、まさに今日デモランにてお披露目されたのでした。

 デモランには、市販されたエレクトライクや一人乗りの木製EVマシン「琴」ほかにも同型の「琵琶」という車体があるそうです。このデモランで驚かされたのが、まるでセグウェイのようなこの不思議な乗り物、こちらは鹿沼高校物理部の学生さんたちが作り上げた立ち乗りのEV、乗られているのは技術指導の講師の先生。

EVコンバージョンクラブのAPE

まだ制作途中のAPE。この時点で10月の第3週だった。

EVコンバージョンクラブのAPE
EVコンバージョンクラブのAPE

バッテリーはリーフのセル5枚とこの車体には十分にしてお釣りがくるほど。


EVコンバージョンクラブのAPE
EVコンバージョンクラブのAPE

配線ひとつもみんなで悩む。

EVコンバージョンクラブのAPE

市販車のエレクトライクとコンバージョンのAPEの並走。
なんとも微笑ましい。


木製ボディの琴

木製ボディの琴、こんな車体もできるのだ。

木製ボディの琴
電気自動車の祭典「EVフェスティバル2016」レポート!

まるでセグウェイのような車体だがTC1000で走ると不思議な光景だ。


鹿沼高校
鹿沼高校

鹿沼高校の学生君たち。彼らが未来のEVの製作者かもしれない。

トヨタ ミライ

出走待機中のオーナーズアタックの車両。MIRAIももうエントリーしている。


日産リーフ

時間を合わせる競技のはずが・・・全力です(笑)

この鹿沼高校の学生さんたちのクルマ、実は筆者も少しばかり乗せていただきました。先生はコース上でスルスルと簡単に乗られていましたが、意外やスロットルの扱いやハンドルの扱いが難しく驚かされました。イチからすべてを作り上げた若き技術者に拍手です。

デモランに続いて行われたのがメーカー製EVオーナーズタイムアタック。ちなみにこちらはレースではありません。市販EVのオーナーによる時間指定アタック。つまり、指定の時間にどれだけ近づけるかという競技です。早すぎても遅すぎてもだめなのですが、中には指定をすっかり忘れて激走する姿もありました。

もはやスプリントレース、驚異的な進化を続けるコンバージョンEV

 コンバージョンEVレース本戦は、1時間の耐久レースです。筆者がEVレースを初めて見に行ったのは、たしか袖ヶ浦でした。そのときにMAZDAチームのお手伝いをさせていただいたのが始まりでした。当日は、朝一で予選。本戦は、その日の夕方15時近くにスタートするというなんとも気の長いレースでした。その時にもスタートこそダッシュできるものの10数分と立たずにペース配分をして、電力の消費や熱害に気を使うという耐久レースもいいところだったのです。

 それが、現在カスタムクラスは、スタートから猛烈ダッシュを行い一気にごぼう抜きにする車もいるレース。最初から飛ばし過ぎでは?と思える勢いだった。しかし、そこから筆者は信じられないものを見ることになります。

 マシントラブルから止まったタイサンポルシェ914-6が、どうにか復旧して猛チャージをかける。そのタイム最速は34秒台!はっきりと言いましょう。このTC1000では、トップクラスのタイムです。ちなみに筆者は、このコースでガソリン車で50秒を切れればいい方です。ベストラップが34秒台なだけだろうと思いましたが、コンスタンスにそのタイムを維持しています。最終コーナーを駆けていく車のロール具合を見れば、ペースを落として出せるタイムではないことはお分かりいただけるかと思います。

EVレース

スタートを待つ各車。この後あんな展開になるとは筆者は想像をしていなかった。

EVレース

優勝したEVシルビア。

EVレース

マシントラブルでコース途中で止まるタイサン914-6周回遅れまで順位を落してしまうが、この後怒涛の快進撃を見せる。


EVレース

ルールでは、途中5人のドライバーと交代をしないとならない。

EVレース

急ぎ変わるドライバーたち。

EVレース

驚異の追い上げを見せるタイサン914-6このロール具合を見ればどれだけのハイペースかご想像いただけるだろう。


EVレース
EVレース
EVレース

最小出力のEVミニ。非力でも決して戦えないわけではない。

競技はクラス分けが、鉛バッテリークラスとリチウムイオンバッテリークラスの2種に分かれてはいます。レースそのものは混走です。バッテリーも48V~352Vの大出力までになっています。それでも必ずしも大出力のバッテリーが勝てるとは限らず、いかにコンスタンスに走らせるかという点は全体のペースが上がっても変わらない点です。それを象徴するかのように、このレースを制したのは千葉自動車大学のEVシルビア。一見目立つような動きをそれほど見せませんでしたが、順調に走り抜けての優勝。2位が怒涛の追い上げを見せたタイサン914-6。もしも、最初のトラブルがなかったらブッちぎりの優勝だったかもしれません。3位は前回の優勝車、富士山deEVワゴンRでしたがこちらは最後の最後でモーターの過熱により失速。耐久レースにもかかわらずほとんどスプリントレースを見るような展開が繰り広げられた1時間でした。

いつもなら、背後にもの凄いエキゾーストを聞きながら会場を後にする筆者なのですが、この日は実に静かにロードノイズを聞きながら会場を後にします。このほとんどロードノイズしかしない世界は、まだまだ発展し続けます。一度足を運んでみることをお勧めしながら絵描きは旅を続けます。

コメント