【スズキ キザシ 試乗記】スズキ初のプレミアムセダン「キザシ」の走りを試す!

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【スズキ】2010/01/20

 

北米市場を意識した大きなボディサイズで室内も広々し高評価

 「スズキ キザシ」完全に和名。こういう名前の人が、実際にいそうである。スズキは和名がお好きなようで、有名なところではジムニーをサムライと呼び北米で発売していた。北米においては、神秘的でオリエンタルな和名は人気や注目を集めやすいといわれていることもある。どちらにしても、日本車でありながら英文字の名前で勝負するクルマが多い中、和名はメイドイン・ジャパンをアピールするにピッタリ。こんな粋なネーミングは大歓迎だ。
ということで、スズキ キザシは日本においては受注生産。あくまでメインマーケットは北米だ。そのため、日本市場を意識したボディサイズではなく、多くの立体駐車場のリミットとなる全幅1800ミリを大きく超える1820ミリとなる。スズキ キザシは結構、ギュッと詰まった塊感のあるデザインのため、遠目から見るとそれほど大きさは感じないが、側に寄ると全長4650ミリというサイズをダイレクトに感じ、スズキ車は小さいという先入観もあり多くの人が「うわぁ、デカイ!」と思うはずだ。当然のことならが、このボディサイズであるから、室内は余裕たっぷり。シートのサイズも大きめで、クッション材も厚く、どのシートでもリラックスできるスペースが取られていると評価しよう。

スズキ キザシ フロント

北米がメインマーケットなので、ボディサイズは大きめ。スズキ車らしいシンプルなデザインのためプレミアム感はあまり感じられない。

スズキ キザシ リヤ

実用性を重視したセダンらしいフォルム。左右2本出しのマフラーはバンパーに埋め込まれ、スポーティさも演出されてはいる。

スズキ キザシ 走り

ステアリングに対して機敏に反応するが、姿勢変化も大きく走りを楽しめる味付けではない。低速域ではややゴツゴツした乗り味だ。
スズキ キザシ 走り

燃費も安全装備も平均レベルのファミリーセダン

 エンジンは2.4リッター4気筒を搭載し188ps(138kw)のパワーと23.5kg-m(230Nm)のトルクをアウトプットする。マニュアルモード式のCVTと組み合わされFFと電子制御4WDが用意される。エンジンそのものは平凡なもので、とくに感動するものはなかった。10・15モード燃費もFF車で12.6km/l。スペック上からは、エコ意識は薄い。
安全装備は9つのエアバッグとESP(横滑り防止装置)などを装備し、グローバルカーとしては標準的だが先進性は感じない。正直なところ、今この時期に発売され、すでに発売されている「ライバル車達とナニが違って、セールスポイントはなんなのよ?」といったところだ。このクルマが280万円(FF)弱という高価なプライスタグが付けられている理由をアピールして欲しい。

スズキ キザシ インテリア

インテリアは広々としており、視界もいい。だがインパネまわりの質感に関してライバルに対するアドバンテージは物足りない印象だ

スズキ キザシ フロントシート

フロントシートはクッションの厚みも十分で、快適なドライブが楽しめる。本革シートは標準装備でプレミアム感を演出している。

スズキ キザシ リヤシート

北米がメインなだけに、リヤシートの居住性に不満はない。リヤシートの表皮は本革と人工皮革を組み合わせたものとなっている。

written by 大岡 智彦

written by 大岡 智彦

代表グレード スズキ キザシ(FF)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4650×1820×1480mm
車両重量[kg] 1490kg
総排気量[cc] 2393cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 188ps(138kw)/6500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 23.5kg-m(230N・m)/4000rpm
ミッション CVT
10・15モード燃費[km/l] 12.6km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 278.775万円
発売日 2009/10/21
レポート 大岡智彦
写真 近藤暁史

(レポート:大岡 智彦

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