日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)新車情報・購入ガイド 燃費から安全装備へ宗旨替え! 刷新されたデザイン、燃費向上、さらに衝突回避支援システムを標準化。ライバルには負けない新型セレナ、気合いのビッグマイナーチェンジ! [CORISM]

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【日産】2014/05/16

日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)最新新車情報

■ライバル車には無いエマージェンシーブレーキで差別化!■

■簡易型ハイブリッドシステムでステップワゴンを燃費で抜き、クラス最高の15.2km/Lを達成!! マーケットが日産セレナS-HYBRIDを評価する!■

ほぼ全車にエマージェンシーブレーキを標準装備

日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)
 人気ミニバンとして不動の地位を築いた日産セレナ 。現行モデルは、2010年にフルモデルチェンジ。その後、2012年にはスマートシンプルハイブリッドと呼ばれ簡易型のハイブリッドシステムを搭載。日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)という車名になり、クラストップの15.2km/Lという低燃費を実現し、ミニバンマーケットをリードした。その日産セレナが、ビッグマイナーチェンジを施しデビューした。

 前回は、簡易型ハイブリッドシステムの搭載で、クラスナンバー1燃費をひたすらにアピールし続けた日産セレナ。しかし、ビッグマイナーチェンジでは、メインの訴求を燃費から安全装備へと大きく変更してきた。新型セレナのビッグマイナーチェンジでは、人間も感知し衝突回避を支援する「エマージェンシーブレーキ」と「LDW(車線逸脱警報)」を、「20S」を除く全グレードに標準装備したことが大きな理由だ。

 新型セレナ登場に伴い、日産は1,200人以上のパパ・ママドライバーを対象にアンケート調査まで行い、親の視点で最も重要視するのは燃費ではなく「クルマの安全性」であると定義した。都合よく、パパ・ママドライバーとしているが、安全装備はパパ・ママ問わず必要な装備であり、特定の人が必要なものではない。安全装備は、すべてのクルマに共通していなくてはならない重要なものだ。パパ・ママドライバーにフォーカスしているものの、ほぼ全車にエマージェンシーブレーキを標準装備というのは高く評価できる。

日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)
日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)
日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)

日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)

燃費で上回るライバル、ノア&ヴォクシーには装備されない安全装備で差別化

日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)
 新型日産セレナが、パパ・ママドライバーが燃費より安全装備と言いたいのには大きな理由がある。2014年1月末になると、トヨタのノア&ヴォクシーがフルモデルチェンジする。このモデルには、本格的なハイブリッドシステムが搭載され、燃費は23.8㎞/Lに達すると言われており、新型日産セレナでは対抗できないほどの低燃費を達成している。そうなると、燃費ナンバー1の訴求はできないということになる。

 そこで、日産のマーケティングは戦略を変更。燃費で新型セレナが負けるのなら、何をもってすればノア&ヴォクシーに勝てるのか? と、いうことを徹底的に考えた結果、エマージェンシーブレーキの標準装備化になったのだろう。

 この戦略は、非常にストレートで分かりやすい。トヨタは、こういった追突被害軽減自動ブレーキなどの装備がかなり遅れている。日産のエマージェンシーブレーキ相当の安全装備は、2015年になってからといわれていて、トヨタの安全装備に対する認識の遅れが見え隠れする部分を日産は鋭く突いてきたわけだ。

 つまり、新型ノア&ヴォクシーハイブリッドの燃費より、新型日産セレナの安全装備の方がパパ・ママドライバーにとってはもっと重要でしょ! と、いうことになる。トヨタからハイブリッド車が投入されたからといって、ミニバンナンバー1の座は、簡単に渡さないという日産の執念を感じさせる部分でもある。

 さらに、この安全装備には、グレード設定で「MOD(移動物 検知)」機能を追加した「アラウンドビューモニター」や「踏み間違い衝突防止アシスト」、「ふらつき警報」を、アドバンスドセーフティパッケージとして装備している。

日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)
日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)
日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)

より高級感が増したデザイン。ガソリン車としては、トップレベルの燃費

日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)
 エクステリアデザインは、大きく変更が施され全体的に高級感あふれるものとなった。二段構えのヘッドランプなどは、エルグランド的にも見え、日産のミニバンファミリーの一員であることを明確にしている。ハイウェイスターのLEDリヤコンビネーションランプは、S字ラインが特徴的な新デザインを採用され、より個性的なリヤビューとなっている。

 インテリアは、大きく変化したところはなく、全体的に色味の変更がメイン。ハイウェイスターGには新規オプションとして、シートのカラー・素材・パネル加飾を刷新したプレミアムハイコントラストインテリアを設定。より豪華な室内空間を創り出している。

 その他では、一部グレードを除きスーパーUVカット断熱グリーンガラスをフロントドアに採用。フロントウィンドウ トップシェード、3列目シート用パーソナルテーブルなど使い勝手や快適装備をグレードアップ。ミニバンとしての価値を高めている。

 新型日産セレナの燃費は、さらに向上。新型セレナの燃費は、グレード間で若干異なり最高燃費は16.0㎞/L。このグレードにオプションを装着して、車重が1,660㎏となると15.4㎞/Lとなる。もちろん、全車エコカー減税免税対象だ。

安全装備をアピールするのなら、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグの安価な価格設定を!

日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)
 新型日産セレナ ハイウェイスター S-HYBRIDの価格は、2,568,300円。エマージェンシーブレーキを標準装備してこの価格はなかなかの戦略的価格として評価できる。アドバンスドセーフティパッケージ装着車は2,654,400円となっていて、86,100円のアップだ。これに対して、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグは94,500 円。パパ・ママドライバーが本当に安全装備を重視して、それに応えるということを日産が本気で考えているのなら、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグをアドバンスセーフティパッケージにセットとするなどし、安価な設定として欲しい。ぶつからない装備も重要だが、ぶつかったときの装備もセットで考えなければ安全装備としてはあまり意味がない。単にトヨタ対策だけでない安全装備の標準装備化に期待したい。

 新型日産セレナ ハイウェイスター S-HYBRIDの選び方は、リセールバリューを考えるとやはりハイウェイスターを中心に選びたい。そうなると、ハイウェイスターかハイウェイスターGというどちらかの選択になる。この差は、16インチアルミホイールやエアコン、両側スライドがオートなどという豪華装備が中心。これは、予算と好みで選ぶといい。もちろん、安全装備面ではアドバンスセーフティパッケージを装着したいところだが、子供の安全を考えるのならサイドエアバッグ&カーテンエアバッグも選びたい。両方選ぶと18万円くらいアップする。

 実際に新型日産セレナを買うのなら、やはりトヨタ ノア&ヴォクシーのハイブリッドがデビューしてからがいいだろう。ノア&ヴォクシーと競合させれば、オプションの安全装備分くらいは値引きが可能かもしれない。また、価格優先ということなら、2014年にフルモデルチェンジ予定なので、現行ステップワゴンは大幅値引きで購入という選択もある。これらのライバル車とシッカリと競合させたい。

日産セレナSハイブリッド価格

日産セレナS-HYBRID価格
■2WD
20S 2,184,000円
20X S-HYBRID (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,384,550円
    アドバンスドセーフティ パッケージ 2,470,650円
20G S-HYBRID (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,688,000円
アドバンスドセーフティ パッケージ 2,774,100円
ハイウェイスター S-HYBRID (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,568,300円
          アドバンスドセーフティ パッケージ 2,654,400円
ハイウェイスターG S-HYBRID (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,841,300円
           アドバンスドセーフティ パッケージ 2,927,400円
■4WD
20S 2,457,000円
20X (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,629,200円
アドバンスドセーフティ パッケージ 2,715,300円
20G (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,932,650円
アドバンスドセーフティ パッケージ 3,018,750円
ハイウェイスター (エマージェンシーブレーキ標準装備) 2,828,700円
アドバンスドセーフティ パッケージ     2,914,800円

2013年11月8日更新 ライバルには、エマージェンシーブレーキで差をつけろ!

 日産は東京モーターショーで、2013年12月下旬にビッグマイナーチェンジをする新型日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)を公開する。

 日産セレナは、2010年にフルモデルチェンジ。2012年にはスマートシンプルハイブリッドと呼ばれ簡易型のハイブリッドを搭載しクラストップの15.2km/Lという低燃費を実現した。その結果、2年連続でミニバンクラスナンバー1の販売台数となり、国内日産をけん引する人気車となっている。

 ただし、2014年1月には、満を持してついに新型トヨタ ノア&ヴォクシーハイブリッド がデビューする。このクラス初となるストロングハイブリッドということもあり、しばらくの間、新型ノア&ヴォクシー&ノアハイブリッドがマーケットの中心となることは間違いない。

 とはいえ、それを黙ってみている訳にはいかないし、ミニバンナンバー1のプライドもある。そこで、新型ノア&ヴォクシーハイブリッド発売直前に、新型日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)がビックマイナーを行い、最大のライバルを迎え撃つこととなる。

 今回の日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)のマイナーチェンジでは、衝突回避支援システムが標準装備される。このシステムは、先に発売されるSUVのエクストレイルと同じであるとするならば、フロントのカメラが前方を監視。車両や歩行者と衝突する危険を察知すると、警報で回避操作を促し、衝突が避けられないとシステムが判断した場合、緊急の自動ブレーキが作動し、衝突を回避または被害を軽減するというもの。カメラを使ったシステムなので、レーザーレダータイプとは異なり歩行者も判別。さらに、システムの作動速度も約10~80㎞/hと高く、歩行者に対しても約10~60㎞/hの速度に対応するという質の高いものだ。

 この機能以外にも、車線逸脱警報(LDW)も装備される。この機能もカメラが前方を監視し、車線を逸脱しそうになると警報を出し注意を喚起するものだ。自動運転に近く、自動で車線内に止まるようにステアリングにトルクを与えたり、自動でステアリングが操作される車線逸脱防止支援システムのような機能はない。

 この装備が新型日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)の最大の特徴となる。と、いうのは、ライバルのノア&ヴォクシーには、こういった安全装備は装着されていないと見込んでいるからだ。トヨタは、こういったカメラなどを使用した安全装備に関して、他社に対して大きく後れをとっており、一部の高級車にオプションで用意されている程度。この部分が、新型日産セレナがノア&ヴォクシーに対して差別化できるポイントでもある。簡易版ではあるが、軽自動車でさえ、こういった安全装備がオプションであっても装着率が70%を超えるほどの装着率で人気装備なのだ。

さらに燃費をアップした新型セレナSハイブリッド

 数値は発表されていないものの、2.0LのMR20DDエンジンも進化し、15.2㎞/Lという燃費がより向上するという。現在のセレナのエンジンスペックは108Kw(147ps)/5600rpm、210N・m(21.4kg・f m)/4400rpm。すでに、公開されている新型エクストレイルのMR20DDエンジンのスペックは、若干異なり108Kw(147ps)/6000rpm、207N・m(21.1kg・f m)/4400rpmとなっている。もし、新型エクストレイルのエンジンが搭載され、さらなる燃費向上が図られているとするのなら、新型セレナも、このスペックとなる可能性が高い。

日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)

エルグランド感が強くなり、高級感が出た新型セレナのエクステリア

 新型日産セレナのエクステリアも大きな変更を受けている。ヘッドランプは堂々とした印象を与えるスタイリッシュな二段構えのデザインに変更するとともに、シグネチャーランプが点灯するLEDヘッドランプを新たに設定(オプション)した。「ハイウェイスター」ではさらに、フロントグリルを立体的で存在感と迫力のあるデザインに変更。フロントフェイスの押し出し感が強調されるのと同時に、メッキ部分が増えたためか、高級感も増したように見える。全体的に、ひとクラス上のエルグランドのようイメージに近い。ファミリー感やカジュアルな印象が強いミニバンが多い中、少し高級感が増したことで、スタイルも差別化できたといえるだろう。

 リヤビューでは、LEDリヤコンビネーションランプにS字ラインが特徴的な新デザインを採用。点灯時には高級感を印象づけるとともに、フロントバンパーからの流れを受けた動きを感じさせるデザインのサイドシルプロテクターなどでダイナミックさを表現している。足回りでは、16インチアルミホイールに切削面の輝きが特徴的なスポーティーなデザインを採用。

 ボディカラーでは、虎の目のような凄みと深みを持った「タイガーアイブラウン」など、新型セレナにはこれを含めて5色の新色が採用された。他には、セレナSハイブリッドの先進イメージを向上させる「ブルームーンホワイトパール」、パールブラックで質感を向上させた「ダイヤモンドブラック」、さらに、色選びをもっと楽しみたいという女性顧客の声に応え珊瑚からイメージした深みのある華やかさとアクティブな印象を持つ「プレミアムディープコーラル」と、ナチュラルさとエレガントさを持った女性らしい柔らかな「ロゼブロンズ」が追加されている。

新型日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)の価格を予想した

 新型日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)の価格は、今のところ未定だ。今回のマイナーチェンジでは、エマージェンシーブレーキが標準装備されることもあり、価格は確実にアップすると見込まれる。

 さらに、フロントドアにスーパーUVカット断熱グリーンガラスや、フロントウィンドウに開放感と防眩を両立するトップシェード、3列目シートにパーソナルテーブル等、その他多くの装備が追加された。

 そう考えると、新型日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)の価格は、10万円以上のアップは確実とみられる。現行セレナの売れ筋グレードの価格帯は、約260万円から。あまり価格を素直にアップすると、ライバルのノア&ヴォクシーハイブリッドとの価格差が縮まり、ハイブリッドではない新型セレナが割り高かに見えることになる。そうなると、せいぜい10万円アップがいいところで、270万円が売れ筋エントリーグレードの価格帯ではないかと予想してみた。

増税前の消費税5%で、新型 日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)を買うためには・・・。

 2013年末に大幅マイナーチェンジを施す新型日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)。そして、2014年1月にはトヨタ ヴォクシー&ノアハイブリッドが登場する。このクラスでは、注目の2台。ミニバンを購入しようとしている顧客にとっては、悩ましい選択が問われるだろう。ただ、どちらを選ぶのかという選択と同時に、消費税増税前に購入できるのか? と、いう問題を忘れてはならない。

 とくに、ノア&ヴォクシーは、発売1ヶ月後には数万台の受注を得る可能性がある。そうなると、もはや消費税増税前で買える期限である3月31日登録は間に合わないだろう。そうなると、ノア&ヴォクシーに関しては、今から予約しないと間に合わない可能性が高い。

 また、セレナはマイナーチェンジということもあり、ノア&ヴォクシーほどではないにせよ、12月入る前くらいから、日産の営業マンは自店の顧客をメインに新型セレナの予約受注を集め始める。月販目標が6,000台くらいと多いクルマなので、発売直後に現車を確認して注文しても間に合いそうではあるが、それでも1月前半には注文しないと5%の消費税で購入することは難しくなってくるだろう。

 どちらのクルマも、12月上旬には一度ディーラーへ行き、納期を確認することが必要だ。

日産セレナS-ハイブリッド(S-HYBRID)

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(レポート:CORISM編集部

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