アウディQ2新車情報・購入ガイド 日本にピッタリなコンパクトSUVだが、少々高価な価格設定 [CORISM]

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【アウディ】2017/05/10

■日本でも高い機動性を発揮できる絶妙なボディサイズと使い勝手

アウディQ2
 アウディ は、コンパクト SUV となる新型アウディQ2の発売を2017年6月中旬より開始する。アウディのSUVは、Qシリーズとなっており、Qの後の数字はクラスを表す。Q2は、現在のアウディSUVラインアップ中、最もコンパクトなSUVとなった。

 新型アウディQ2のボディサイズは、全長4,200×全幅1,795×全高1,530㎜。BセグメントのSUVだ。同じ輸入車でライバルとなるのは、プジョー2008やルノー キャプチャー。国産車では、マツダCX-3やホンダ ヴェゼルなどが同じクラスのSUVとなる。
 
 新型アウディQ2のボディサイズは、なかなか日本向き。まず、全幅は1,800㎜、全高が1,550㎜以下であることから、都市部に多い立体駐車場の制限内に収まっている。このサイズならば、マンションなどで立体駐車場を使う人も車庫証明が取れるので、ボディサイズが原因で購入を見送る必要がない。

 そして、新型アウディQ2の最小回転半径は、5.1mと小さい。これは、ライバルの2008やキャプチャーが5.5mなので、かなり小回りが効く。国産モデルも5.3m程度なので、このクラスではトップレベルの小回り性能をもつ。

 さらに、プログレッシブステアリングが全モデルに標準装備された。ステアリングを大きく切るほど、レシオがクイックになる設計になっているので、駐車時などはステアリング操作量が減る。ます。カーブなどでは車速に応じてパワーアシストのレベルを調整しダイナミックなハンドリングが楽しめる。狭い道や駐車場が多い日本では、かなり高い機動性を発揮し使いやすいモデルといえる。

 コンパクトなモデルだが、トランクスペースは405Lとクラストップレベル。60:40の2分割可倒式リヤシートを折りたためば、最大1,050Lまで拡大することができ、使い勝手は非常に高いレベルにある。

アウディQ2
アウディQ2
アウディQ2

アウディQ2

■直3 1.0Lターボと直4 1.4Lターボを搭載。クワトロは無くFFのみの設定

アウディQ2
 新型アウディQ2に搭載されるエンジンは、直3 1.0ターボとCOD(気筒休止システム:cylinder on demand)機能をもつ直4 1.4Lターボの2タイプ。直3 1.0ターボは、116ps&200Nmを発揮。3気筒ならではのコンパクトな設計に加え、アルミ製クランクケースの採用などにより、エンジン単体の重量をわずか88kgに抑えた。さらに、ピストンとコンロッドのバランス取りを丹念に行った結果、バランサーシャフトなしでもスムーズな回転フィールを得ることに成功した。軽量エンジンによるノーズの軽さを生かした軽快なハンドリング性能に期待したいグレードだ。

 そして、COD付き1.4Lターボエンジンは150ps&250Nmを発揮。この1.4Lターボは、同じグループのフォルクスワーゲン ポロブルーGTに搭載されているものと同じ。COD機能は、エンジン負荷100Nm以下の運転領域、及びエンジンスピード1,400~3,200rpmで無負荷走行をしているときに第2、第3シリンダーを休止し燃費を向上させる。気筒休止中などの走行時に気になる振動や、2気筒から4気筒、4気筒から2気筒への切り替えもスムースで、ほとんど切り替えた瞬間が分からないほどだ。

 燃費性能は、1.4Lターボ車が17.9㎞/L。1.0Lターボ車は、国土交通省の認可待ち。燃費値は、輸入車競合と比べるとトップレベルとなっている。ただし、燃料はハイオクガソリン仕様なので、レギュラー仕様に比べると10円/L程度高価になるため、燃費が良くても燃料費はそれほど安くはならない。

 搭載されるミッションは、2つの乾式クラッチを用いた軽量設計の7速Sトロニック。重量をわずか70kgとなっている。

 アウディと言えば、クワトロと呼ばれる4WD システムがウリ。しかし、新型アウディQ2はFF(前輪駆動)のみの設定となっている。

アウディQ2
アウディQ2
アウディQ2

■アウディらしくないデザイン。物足りない安全装備

アウディQ2
 新型アウディQ2のデザインは、ポリゴン(多角形)をモチーフとした。このデザインは、賛否両論あると思われるが良くも悪くもアウディらしくない。新鮮と言ってしまえばそれまでだが、今までの統一されたデザインコンセプトは一体何だったのだろうか? とも思える。

 フロントビューでは、ボンネットに立体的な造形を施した。8角形のシングルフレームグリルを高めに配置することで見た目の重心を高くし、SUVらしさを演出している。

 サイドビューは、クーペを思わせる低いルーフラインが印象的だ。さらに、ボディカラーにひと手間加えCピラーに設置されたアイスシルバー(グレイシアホワイトでは、マットチタングレー)のブレード(Audi Q2 1.0 TFSI sport及び1.4 TFSI cylinder on demand sportに設定)をアクセントして加えている。全体的にカジュアル感が強いデザインだ。

 リヤビューは、長いルーフスポイラーや、アーチ型をしたバンパー、アンダーボディプロテクション風のディフューザーなどにより、SUVらしい力強さとスポーティさをアピールする。

 インテリアは、やや太めのセンタコンソールがSUVらしい力強さを表現している。水平基調のデザインとなったインパネ周りのデザインは、全体的にスポーティなもの。そして、メーター内は標準装備のアナログメーターパネルのほかに、オプションであらゆる情報を12.3インチサイズ1,440×540ピクセルの高解像度TFTディスプレイに映し出す「アウディバーチャルコックピット」が用意された。このアウディバーチャルコックピットは、最新モデルに続々と採用されていて、視認性にも優れ安全運転にも効果があるアイテムだ。積極的に選びたいオプションのひとつ。

 先進予防安全装備面は、少々物足りない結果となっている。まず、歩行者検知式の自動ブレーキ関連の安全装備アウディプレセンスフロントが、エントリーグレードでは装備されていないだけでなく、オプションでも装着できない状況。その他のグレードは標準装備化されている。

 また、上級グレードでもサイドアシストやアクティブレーンアシスト、トラフィックジャムアシストなどの装備はセットオプションとなっている。3,640,000円以上する価格帯のクルマとしては、物足りない内容だ。

アウディQ2
アウディQ2
アウディQ2

■新型アウディQ2のグレード選び

アウディQ2
 新型アウディQ2のグレード選び。まず、自動ブレーキが装着されていないエントリーグレード Q2 1.0 TFS(2,990,000円)は、選択肢から外したい。このグレードは、300万円を切っているという価格訴求用のオトリグレードともいえるもので、装備がかなり簡略されておりマニュアルエアコンだったりする。

 そうなると、 Q2 1.0 TFSI sport(3,640,000円)かQ2 1.4 TFSI COD(4,050,000円)のいずれかという選択になる。どちらも、このクラスではかなり高価な価格設定なので、プジョー2008やルノー キャプチャーなどとシッカリと比較してみるといい。

 この2グレードは、装備差がないので、エンジンの違いのみということになるので、よりパワフルなモデルというのであれば、1.4 TFSI CODがお勧めとなる。1.0 TFSI sportでも十分という出力をもつ。

 ただ、1.4 TFSI CODはかなり高価な価格設定。なんと、ひとクラス上のBMW X1 sDrive18iと同じ4,050,000円。こGLA 180(3,980,000円)よりも高価な設定だ。ひとクラス上のSUVも予算内に入ってくる。さらに、国産車になると2クラス以上上となるトヨタ ハリアーハイブリッド(4,032,000円)までもが予算内となる。よほどQ2が気に入っているという人以外は、ひとクラス上のSUVまでも含めジックリと検討するといいだろう。

アウディQ2
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アウディQ2

■アウディQ2価格

■アウディQ2価格
・Q2 1.0 TFSI 2,990,000円
・Q2 1.0 TFSI sport 3,640,000円
・Q2 1.4 TFSI cylinder on demand sport 4,050,000円

■アウディQ2 燃費、スペックなど

■アウディQ2 1.4 TFSI cylinder on demand sport
全長 (mm) 4,200
全幅 (mm) 1,795
全高 (mm) 1,530
総排気量 (cc) 1,394
エンジン種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ(1気筒=4バルブ)
最高出力 [ネット] 110Kw (150ps) / 5,000-6,000rpm
最大トルク [ネット] 250N・m (25.5㎏-m) / 1,500-3,500rpm
駆動方式 FWD
トランスミッション 7速 Sトロニックトランスミッション
ステアリング位置 右
車両重量(kg) 1,340
JC08モード燃費(km/L) 17.9
フロントサスペンション マクファーソンストラット
リヤサスペンション トレーリングアーム
トランク容量(ℓ)VDA値  405
最小回転半径(m) 5.1
燃料タンク容量(ℓ) 50
アウディQ2
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アウディQ2

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(レポート:CORISM編集部

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