大不況なのにフェラーリだけがバカ売れ!? 前年対比120%販売絶好調の謎[CORISM] [CORISM]

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【ビジネス・経済】2010/03/24

ひとり気を吐く、フェラーリの好調ぶり

イタリア・フェラーリ車 日本国内における年間輸入台数推移[1999-2009]

イタリア・フェラーリ車 日本国内における年間輸入台数推移[1999-2009]

フェラーリ。なんともいい響きだが、お高い存在なのは確か。まぁ、庶民には買えませんな。だからこそ、別格の存在なんだろうけど。
 そのフェラーリ様の売れ行きが絶好調だ。こんなご時世、各インポーターともに軒並み前年比割れ。前年比割れといっても、その前年も割れ続けているので、ウナギ下がりの状態で、アウディがなんとか踏ん張っている状態だ。その中、フェラーリは前年比約120%。その前の年は約109%なので、こちらは逆にウナギ上り。その背景にあるのはなにか? 各方面調査してみると……。
 まずあるのは昨年は話題になったカリフォルニアが登場したということ。新型が登場すればそれはいいほうに影響するのは当然だ。加えて、こんなに景気が悪くなる前に受注した分が今になって納車されているということ。しかもフェラーリを新車で買えるような人は景気が悪くなっても、キャンセルするような層ではないため、そのまま納車になっているようなのだ。確かに、フェラーリまでいっちゃうと、最近給料下がっちゃって……、というのもなかろう。ただ、その納車待ち分がさばけてきたのか、今年に入ってからの単月で見ると、登録台数が減っているのは気になる。

中古車相場は下落! 本当に欲しいひとにはチャンス!?

 で、さらにフェラーリ・ジャパンからは、取材申し込みをしたものの「完全無視」。コメントがいただけなかったので、現場の某営業マンへ密かに接触。現場ではどんなことが起こっているのかというと、やっぱり「ホントの金持ちはいつの時代も金持ちなんですよ。不況は他人事って感じです。もともとフェラーリを買いに来る人ってそうだったから、影響ないんですよ」。あと「誰でも乗れるようになってきたのも有利に働いていると思います」とも。本来は乗り手を選ぶのがスーパーカーの資質のひとつ。なんてことは言ってられないのも事実で、フェラーリの場合、セミオートマのF1システムの導入をいち早く行なったり、V8&FR系のマイルドめのモデルを投入しているのが効いているのだろう。いい悪いは別としてなんだけど、フェラーリも全車、ハイブリッド化をブチ上げる時代である。
 ただ、中古車業界となると、微妙。取材したところによると明暗ふたつに大きく分れるが、さっぱり売れないというところが結構あった。「新車が売れているのはいいけど、その分乗り換えが進むわけで、それが回ってきた中古車が売れない」ということなのだが、当然だろう。それを受けて中古フェラーリの相場は下落していて、新車は買えないけどホントに欲しい人にはいい時期なのかもしれない。
(CORISM編集部)

永遠の憧れ!「フェラーリ」の最新モデル、フェラーリ カルフォルニア

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【特別寄稿】フェラーリ教教祖 「MJブロンディ」こと清水 草一 氏が語る「フェラーリブランドの秘密とは」

 フェラーリの売れ行きが好調だ好調だと報道されているけれど、リーマンショック以降は、V8モデルで2年分ほどもあったバックオーダーを消化することで数字を保っていた部分が大きいので、実際にはそれなりに減少しているはず。それはようやく今年あたりから表面化するんじゃないだろうか。ただ、それでもフェラーリが他のスーパースポーツブランドに比べ別格の強さをもっていることは間違いない。なぜならフェラーリは、お金持ちになったから買うクルマではなく、買うためにお金持ちになろうとするクルマだから。フェラーリを人生の目標としている者が多数いる限り、フェラーリは無敵のブランドであり続けるだろう。
(清水 草一)

新型 V8ミッドシップ フェラーリ「フェラーリ 458 イタリア」

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(レポート:CORISM編集部

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