アウディA4新車情報・購入ガイド あのプリウスをも超えた空気抵抗係数Cd値0.23を達成! しかし、事情によりガソリン車のみなのが物足りない [CORISM]

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【アウディ】2016/02/15

アウディの中核を担う新型A4。空気をも味方にした超空力ボディは、ワイド&ローフォルムで美しさ際立つ!

アウディA4
 アウディ は、主力セダンであるアウディA4 を8年ぶりにフルモデルチェンジし2月18日より発売を開始する。

 先代のアウディA4は、2008年に日本へ導入された。アウディA4の前身ともいえるアウディ80を含めると、1200万台以上もの販売を築いてきた中核モデル。アウディ80は、バブル期の日本において大ヒットし、アウディブランドの基礎を作り上げたモデルでもある。

 1995年には、初代A4が日本デビューする。その約1年後、ワゴン モデルのA4アバントがデビュー。当時、ワゴンブームということもあり、A4アバントは売れた。それ以降、アウディA4アバントはアクディブなライフスタイルをもつ顧客に支持されていく。また、モデルチェンジを繰り返し、2010年にはA6で好評だったオールロードクワトロ がA4にも限定車として設定され高い人気を誇った。

 オールロードクワトロの人気が示す通り、アウディA4の魅力の一つはAWD システムであるクワトロ。当時、FRのラインアップ中心でAWDはオマケ程度の設定しか無かったBMW 3シリーズメルセデス・ベンツCクラス などのライバルに対し、積雪地域で高い支持を得ていた。

 このクワトロがA4の肝。通常のモデルはFFなので、よりコストが高くドライブフィールに勝るFRを基本とする他のプレミアムブランドに比べるとややブランドイメージに劣っていた。しかし、このクワトロの恩恵もあり、日本においてライバルと同等のプレミアムブランドとして認知されている。

 今回のフルモデルチェンジで、新型アウディA4のボディサイズは、全長4,735×全幅1,840×全高1,410mmとなった。先代モデルと比べると全長と全幅で+15㎜大きくなった。全幅1,840㎜というのは、ライバルの3シリーズに対して+40㎜、Cクラスに対して+30㎜大きい。日本の都市部に多い立体駐車場。その全幅制限は1,800㎜となっているところが多く、購入したくても駐車場の制限を超えるため購入できない顧客が出てしまう。3シリーズなどは、日本専用部品を使い全幅を1,800㎜にしているくらいだ。

 全高は先代モデルより、30㎜低くなった。全幅はワイドになり、全高が低くなったので、よりワイド&ローなフォルムとなりスタイリッシュなシルエットを得ている。全高が低くしたのには、訳がある。なんと、新型アウディA4の空気抵抗係数であるCd値は0.23を達成。この数値はクラストップ。全高を低くしたことも
影響している。空気抵抗を徹底的に抑え、40.8㎞/Lという超低燃費を達成したプリウスのCd値が0.24。セダンの新型A4が、プリウスを上回るCd値0.23というのは非常に素晴らしい成果と言える。空気抵抗は、より高速域での燃費性能に影響するだけに、新型A4の高速実燃費は期待できるだろう。

 この空気抵抗の少ないボディに搭載されたエンジンは、2.0L直4ターボの2.0TFSIエンジンのみ。このエンジンをベースに、クワトロシステム(AWD)と組み合わされるハイパワー仕様の2.0 TFSIは、185kW(252PS)の最高出力と370Nm/1,600~4,500rpmの最大トルクを発揮。クラストップレベルのパワフルさを持つ。従来型のA4クワトロと比べると30kW(41ps)&20Nm、パワーとトルクが向上。パワーアップしながら、燃費性能も15.5km/Lとなり、従来型(13.6km/L)から14%も燃費性能を向上させている。

 そして、FFモデルに搭載される2.0TFSIエンジンは、140kW(190PS)、320Nm/1,450~4,200rpmを発揮する。どちらかというと、実用性を重視したエンジンセッティングになっているものの、ライバル車よりもややパワフルな傾向。それでいて、燃費性能は18.4km/Lと2.0Lのガソリンエンジン車としてはトップクラス。このエンジンは、ミラーサイクルを採用しながら、ターボ車としては11.8というかなり高圧縮比を実現。その他の技術も組み合わせることで、クラストップレベルの低燃費とパワフルさを両立している。

 残念ながら、フォルクスワーゲンディーゼル 問題もあってか新型A4にはディーゼルエンジンの設定は見送られている。また、メルセデス・ベンツやBMW などがすでに積極的に投入を始めているPHV の設定もない。徐々に日本でもディーゼル車人気が高まっているだけに、選択肢が少ないの先進性をアピールするアウディブランドとしては残念なポイントでもある。

 新型A4のデザインは、力強い面の張りとシャープなエッジが見事に組み合わされ、まるで金属の塊から削り出した彫刻のようなスタイル。そこに、アウディの個性的なマトリクスLEDが加わる。全体的に精緻な印象が強く、プレミアムブランドらしい存在感を放っている。

 インテリアは、アウディらしい質感の高い仕上がり。水平基調の広がり感あるインパネデザインとなり、より広大な室内空間をアピール。実際、ボディサイズも大きくなったことから、室内スペースも広くなっている。

 そして、インパネにはアウディTTでも採用されたバーチャルコックピットが新型A4にも採用された。ナビ画面などが、メーターパネル内に表示されることもあり、視線移動が少なく見やすいので安全面でも優れたシステム。スマートフォンとのインターフェイスも高い利便性をもつ。

アウディA4
アウディA4
アウディA4

アウディA4

最新の安全装備アウディプレセンスを採用し、プレミアセダンとして相応しい仕様に!

アウディA4
 自動ブレーキ関連の安全装備は、フルモデルチェンジしたことでイッキに進化。新型A4には最新世代の安全装備「アウディプレセンス」を採用。これまでの前方衝突防止のための警告及び自動ブレーキ(「アウディプレセンスシティ」)、衝突に備えて前席乗員のシートベルトの緩みをなくす「アウディプレセンスベーシック」、車線逸脱を防止する「アウディアクティブレーンアシスト」、車線変更時の安全を確保する「アウディサイドアシスト」があった。

 今回は、こうした機能に加えて、新たに右折やUターン時の安全を確保する「ターンアシスト」を採用。対向車に気が付かずうっかり右折し衝突することを回避する機能だ。また、後退時の安全を確保する「リヤクロストラフィックアシスト」、停車後のドア開閉に後方から来る車両を検知しドアの接触などを避ける「エグジットワーニング」などの機能を統合した総合的予防安全システムに進化した。

 また、先行する車両を追従し加減速を自動的に行う「アダプティブクルーズコントロール」に新たに「アウディアクティブレーンアシスト」の車線維持の機能を統合。よりドライバーの負担を軽減している。

アウディA4
アウディA4
アウディA4

超魅力的なLEDのマトリクスヘッドライトはオプション! 新型A4の購入を考えているのなら、ディーゼル車が投入されてから!

アウディA4
 新型アウディA4は、4グレード構成。標準車とスポーツサスペンションなどを装備したスポーツに分けられる。190ps仕様エンジンは、FF車のみ。クワトロには、252psエンジンが搭載される。新型A4の価格は、518万円から。

 新型A4の選び方。基本的に、ガソリン車だけという設定なのでしばらく購入は控えておいた方がいい。フォルクスワーゲンのディーゼル不正問題がひと段落した頃に、A4にもクリーンディーゼル車が設定されるからだ。どういう価格設定にするか分からないが、ライバル車の状況を見れば2.0TDIなら20~30万円アップ程度になると予想できる。そうなると、ガソリン車より大トルクになるディーゼル車は低燃費で経済的だ。車両価格が高くなるものの、エコカー減税などで多少は補える。少なくとも、ガソリン車とディーゼル車の両方を試乗して決めることをお勧めしたい。

 そして、アウディを選ぶのであれば、やはりクワトロがお勧め。FFモデルでいいのであれば、同じグループでフォルクスワーゲン パサートという選択肢もあり、パサートは1.4Lとなるが329万円と新型A4と比べると非常にリーズナブル。新型A4の魅力は、やはりクワトロにある。

 また、新型アウディA4は魅力的な装備がオプションだったりするので注意が必要。例えば、LEDのマトリクスヘッドライトはオプション。マトリクスLEDヘッドライト/LEDリヤコンビネーションライト/LEDインテリアライティング/ヘッドライトウォッシャー/バーチャルコックピットがマトリクスLEDヘッドライトパッケージ となり34万円のオプション。この装備は、まさにA4のアイデンティティともいえるので、絶対に装備したいオプションなので、車両価格にプラスして考えておきたい。

アウディA4
アウディA4
アウディA4

アウディA4価格

■アウディA4価格
・A4 2.0 TFSI:5,180,000円
・A4 2.0 TFSI Sport:5,560,000円
・A4 2.0 TFSI quattro:5,970,000円
・A4 2.0 TFSI quattro Sport:6,240,000円

アウディA4燃費、スペックなど

代表グレード アウディA4 2.0 TFSI quattro sport
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,735×1,840×1,410mm
ホイールベース[mm] 2,825mm
車両重量[kg] 1660kg
総排気量[cc] 1,984cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 185kW(252PS)/5,000-6,000rpm
エンジン最大トルク[N・m/rpm] 370Nm/1,600-4,500rpm
ミッション 7速AT
JC08モード燃費[km/l] 15.5km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 624万円
発売日 2016/2/18
レポート 編集部
写真 アウディ

【関連記事】

(レポート:CORISM編集部

【オススメ記事】