フルモデルチェンジとマイナーチェンジ [CORISM]

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
2011/06/12

フルモデルチェンジのようなマイナーチェンジを実施したCクラス

マイナーチェンジでインパネまで変更するのは珍しい

マイナーチェンジでインパネまで変更するのは珍しい

かつて日本車は4年ごとにフルモデルチェンジするのが普通で、その中間の2年目に車検期間に合わせてマイナーチェンジを実施していました。そうすることで代替を促進させることができたからです。

これに対してヨーロッパ車は6年かそれ以上のサイクルでフルモデルチェンジするのが普通でした。アメリカ車は車種によって4~6年でフルモデルチェンジしていましたが、この間にイヤーモデルとして毎年秋に何からの改良を加えるのが普通でした。

最近はこうしたフルモデルチェンジやマイナーチェンジなどの行われ方が、変わってきたように思います。フルモデルチェンジのようなマイナーチェンジがあったり、マイナーチェンジのようなフルモデルチェンジがあったり、その境が見分けにくい例が増えてきました。

先にマイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツのCクラスは、2000カ所もの改良を行ったとされていますが、改良点の数はともかく、改良の中身が大幅で、ダッシュボードの形状と素材を変更するなど、普通のマイナーチェンジでは行われないような改良も加えられました。

ボディパネルには大きな変更は加えられていませんが、前後のライトにLEDを採用するなどしたので外観の変更幅も大きく、一般のユーザーならフルモデルチェンジと考える人がいるかも知れません。

逆にフルモデルチェンジとされるようなクルマでも、基本プラットホームをキャリーオーバーし、ボディパネルは変更したもののボディの基本骨格はは同じなどという車種があります。場合によっては、フルモデルチェンジといってもドアは従来のモデルを流用したとか、フロントガラスは変わっていないというような例もありますから、フルモデルチェンジとマイナーチェンジは微妙なものがあります。

クルマは改良を重ねることで良くなって行きます。例外的にはモデルチェンジで後退した部分の目立つ車種がないとはいいませんが、全体としては進化していきますから、フルモデルチェンジでもマイナーチェンジでもクルマが良くなるのは大歓迎です。

ただ、何をもってフルモデルチェンジとするか、あるいはマイナーチェンジとするかの区別がつきにくくなってきました。これはフルモデルチェンジが良くてマイナーチェンジでは不十分ということを言いたいのではありません。

むしろマイナーチェンジで熟成を進めたクルマは、お勧めできるクルマに仕上がっていることが多いものです。今回のメルセデス・ベンツCクラスなどはその典型といっても良いでしょう。

また同じフルモデルチェンジでも、プラットホームを更新することと更新しないことがあります。一般的にはひとつのプラットホームを2世代のモデルに使うのが普通です。

日本カー・オブ・ザ・イヤーなどのイベントでは、プラットホームを新しくしたようなクルマでないと高い評価を得にくい傾向がありますが、クルマの熟成度という観点から見ると同じプラットホームを使う2世代目のモデルのほうがデキが良いことが多かったりします。

フルモデルチェンジであるか、マイナーチェンジであるかを問うより、クルマそのものをしっかり見極めることのほうが大切なのだと思います。

コメント

初めまして。

フルモデルチェンジといっても、モノコックをキャリーオーバーするケースがありますね。最近だと、自動運転で話題のセレナもそのパターンのようです。

疑問に思ったのですが、アッパーボディ全体でなくとも、部材の一部を流用するケースはあるのでしょうか? もちろん、ボディをキャリーオーバーしない通常のモデルチェンジでも、全ての部材を新設計するということは無いでしょうが、「インナーボディの前半分をキャリーオーバーした」とか、「Aピラーは流用した」というようなことは、あるのでしょうか?

by k.k_1201
2016/09/03 14:58