ガソリン車で燃費30Km/L達成で、リセールバリューは変わるのか?【マツダ デミオ新車・中古車購入術】 [CORISM]

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2011/07/01

ガソリン車ながらリッター30kmの低燃費を実現した新型デミオ

ガソリンが鍵を握る今後の自動車市場

テスラ ロードスター

アメリカのベンチャー企業であるテスラ社が発売した電気自動車「ロードスター」400km近い航続距離と0-100km加速3.9秒とスポーツとエコを高次元で達成している

 ここ数年ハイブリッドカーコンパクトカー など低燃費車の人気が上昇しています。80年代~90年代のハイパワー競争は景気低迷やエコ意識の高まりにより一部車種のみに限られており、今やどのメーカーも低燃費車の開発に力を入れています。原子力発電の比率が少なくなり、これからの発電はCO2排出量が増える事が判っていても電気自動車の開発を進めています。

 それは何故かといえば皆さんご存知のように石油が数十年(説は色々ある)でなくなるので、今後ガソリン価格が高くなっていく事が予想されます。そして新興国の自動車保有台数が伸び、ガソリンの消費量が上昇していきます。そういったことからユーザーもメーカーも低燃費車やガソリンを使用しない自動車に注目していると評価したい。

 そこでメーカーの方向性は大きく別れてきており、主要メーカーはそれぞれを研究開発してはいるものの、主力として売り出すクルマには差が出ています。例えばトヨタはハイブリッドカーで最も成功している実績を活かして、ハイブリッドからプラグインハイブリッドという技術を中心に捉えるのに対して、日産はリーフ三菱i-MiEV といった電気自動車でリードしようとしています。また電気自動車はテスラなどベンチャー企業も参入してきており、これから激しい開発競争・価格競争が始まるでしょう。

ガソリン車も開発は継続される

マツダ デミオ

リッター30kmという低燃費を実現した1.3リッターエンジン

 ではガソリン車はどうなのかというと、世の中にはディーゼル車 を含めた内燃機関を搭載した自動車が殆どであり、EVハイブリッドカー がいくら出てきてもこれはそう簡単には変わりません。ましてやインフラの開発もこれからというEVの普及は時間がかかるでしょう。ガソリン車は今後も開発が進められるのです。

 そこで登場したのがマツダ・デミオ 。ガソリン車でありながらハイブリッドカーと肩を並べるリッター30kmという低燃費を実現したクルマで、当然ハイブリッドカーよりは低コストで導入できます。これはもちろんカタログ上の数値で条件によって差が出るとはいっても、燃費だけを考えれば高いハイブリッドカーを買う必要が無いのです。値段も安い、燃費も良いとなると人気も出るはずと高評価だ。

クラス最高の燃費実現もリセールバリューは低迷

 では、新型デミオのリセールバリューはハイブリッドカー並に高いのかというとそうでもない。人気のハイブリッドカーならば、3年後のリセールバリューは60%前後と高水準となります。しかし、この新型デミオのリセールバリューはどうかというと31%~46%と低い予想です。

 ハイブリッドカーの人気は燃費が良いこともそうですが、これまで体験したことの無い新技術が搭載されているから一度は乗ってみたいという心理的なものもあります。もちろんデミオにも新技術が搭載されていますが、それはユーザーの目に見えないもの。ハイブリッドよりは弱いのです。

 そしてもうひとつが新型といってもエンジンなどは大幅に変更されましたが、あくまでもマイナーチェンジのため、車体は2007年から発売され既に4年目に突入したモデルで、真新しさが無いということです。これがフルモデルチェンジと組み合わされていたらもっと高いリセールバリューが期待されたところです。

 メーカーも新しい車体に新しいエンジンで発売した方が売上が期待されますが、ライバルに差をつけるためにはエンジンだけでも新しいモノを投入してという苦渋の決断なのかもしれません。

コメント

評論家ブログでは一般の人とは違った技術目線での記事を読みたいと思います。カリバーの人だということを差し引いたとしても、リセールバリューの話がシメだとガッカリです。
by ebio
2011/07/02 13:03