【トヨタ 環境技術発表&iQ EV試乗評価 その1】環境技術の核心、トヨタが本気になるとやっぱり凄かった!

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【トヨタ】2010/11/30

 

なんとハイブリッド11モデルを2012年までに投入

トヨタ iQ EV & 内山田竹志トヨタ副社長

副社長の内山田竹志氏自らが説明し、質疑応答には技術担当の役員も登場。力の入れようがわかる

 11月18日に行われたのが、トヨタの環境技術についての記者発表。ハイブリッドや燃料電池などについてまとめて語るのだろう、程度に思っていたのだが、これがまったく違っていていた。内容はまさにトヨタの大攻勢、ここに宣戦布告といったところで、心底驚かされるものだったと評価したい。

副社長の内山田竹志氏が語る戦略とは? まず注目なのは今やトヨタの十八番、ハイブリッドについて。なんと2012年、つまり2年後までに11モデルも登場させるという。内訳は7車種が既存モデル(つまりハイブリッドグレード追加)で、4車種はオールニューの専用モデルだ。すでにハイブリッドをシステムユニット化しているだけに、どの車種にも搭載できるだろうから汎用性については納得できるが、それにしても11モデルも投入するとは恐ろしい底力だ。ブランニューモデルも、噂されるプリウスミニバン、コンパクトハッチ、コンセプトモデルとして発表されているFT-CHなど、数えていけば「アレとアレね」ではあるが。

もちろんこれだけじゃない。ほぼ完成領域に入っているプリウスのプラグインハイブリッドも2012年初頭までに日欧米で販売を開始して、年間5万台以上の販売を目指すというが、5万台というのは控えめに見てと言うし、実際はもっと爆発的に売れるだろう。なんといっても価格は300万円程度で、今のプリウスより少し高い程度であればなおさらだ。

またトヨタは関心が薄いように思えたEVについては、iQベースのモデルを2012年に日欧米で発売し、中国での販売も視野に入れているとのこと。走行実験は2011年に開始するというから、実用化&市販化は確定。進ちょくぶりがここのところ伝えられていなかった燃料電池車も、今までのクルーガーベースではなく(こちらは試験車だったということだ)、セダンタイプを新たに開発して投入。こちらは2015年頃で、水素ステーションのインフラが整った地域に投入するというが、長らく問題だった価格は1000万円切り。これは目標価格ではなく、目処が付いた数字であり、さらに今後5年間でコスト削減に力を入れるとのことで、かなり現実的な存在になるのは確実である。

またテスラとの関係についても質問が当然の如く出た。この点に関しては、PC用のバッテリーを使用するという独自性は魅力的であり、北米内での販売力も含めて分業的な意味合いに着目してとのこと。PC用のバッテリーをただつなげているのだけでなく、制御も独自かつ複雑なので、トヨタとしてイチからの研究開発に力を割けないというのはあるだろう。

トヨタが本気を出すと、というかやっぱりトヨタの底力は凄かった。まさに2012年がトヨタの環境戦略のターニングポイントになることは確実なだけに、今後の2年間の動向に注目だ。

 

 

 

 

固体電池
細かい技術も発表されていたのだが、将来性という点で注目なのがこの固体電池。現状では液体を電解させているのだが、スペース効率や運搬性を考えると固体のほうが有利ではある。ただし、これはやっと電気が溜められた、程度で実用化はかなり先となる

 

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(レポート:近藤暁史

 

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