ユニオンジャックをまとって、大人になったNew MINI登場！

開催まであと２年を切った東京オリンピック。楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。実は自動車業界にとってもオリンピックが開催される2020年は重要な意味を持つ年。ご存じの方も多いと思いますが、政府の肝いりで公道での無人自動運転の実現を目指しているのです。東京オリンピックの会場に無人運転タクシーで乗り付ける、ということが夢物語でなくできちゃうかも。未来はもうそこ、ちょっとワクワクしますね。

ところで、オリンピックと言えば、やっぱり期待したいのが自国選手の活躍。それもふだんよく見る選手が頑張ると、とってもうれしくなっちゃいます。競技終了後、身近に思っていた選手が自国の国旗を掲げてニッコリ微笑んでいると、何だか自分もとっても誇らしい気持ちになったこと、皆さんもあるのではないでしょうか。

今回は、イギリス国民がこのクルマのおかげできっとそんな気分を味わっているに違いない、英国を代表する選手をご紹介します。そう、テールランプに誇らしげにユニオンジャックを標準装備し、内外装とも一新してよりモダンな意匠となったNew MINIです。

 

 

 

目玉は新開発トランスミッション！　でも、意外だったのは・・・！？

今回マイナーチェンジしたのは、ハッチバック・タイプと呼ばれる3ドア、5ドア、コンバーチブルの3つのモデル。外観、内装の変更のみならずパワートレインも一新したかなり大掛かりなものとなりました。

特にトランスミッションは、ハッチバック・タイプ初となる7速DCT（ダブル・クラッチ・トランスミッション）を搭載（John Cooper Worksを除くガソリン車）。このDCT、従来のオートマチック・トランスミッションと比べて変速のタイムラグがほとんどないため、MINIのスポーティーな走り、いわゆるダイレクト感により一層磨きがかかりました。

なお、John Cooper Worksモデルに搭載される8速スポーツ・オートマチック・トランスミッションも新開発です。

 

 

 

 

切れ味抜群の7速DCT！　オールマイティなクルマになったミニ クーパー

試乗は、まず7速DCT搭載の「MINI Cooper 3 Door」から行いました。MINIの中では最も小さい直列3気筒1.5Lエンジンを積むモデルに大人の男3人で乗り込み、山梨県内のかなりな山道を登ったり降りたり走ってみましたが、136ps(110kW)を発揮するCooperは余裕しゃくしゃく。全くパワー不足を感じません。

そして、意外だったのは、その乗り心地！ 山道のため、決して平坦ではない道が続いたのですが、まるでファミリーカーに乗っているかのように快適な乗り心地でした。

7速DCTについては、うわさ通り素早いシフトチェンジでほぼ継ぎ目がない感じ。山道なので頻繁に変速しているはずですが、よほど注意していないとそのことに気付かないほど。シフトショックもほとんど感じませんでした。

快適な乗り心地と合わせて、どんな道でも超お気楽に走れてしまいます。正直今までMINIと言えばゴーカート的で少し気合を入れないと乗れないクルマ、と思っていましたが、今回のモデルチェンジでファミリーユースでも全く問題ない、オールマイティな懐深いクルマへと成長を遂げているのを実感したのでした。

でも、よく考えればそれもそのはず。一般的なイギリス人が日常使い出来る車が欲しい、それも自国ブランドで、と考えた時に、かつてその受け皿だったボグゾールは母体だったオペルがプジョーに買収されて風前の灯火。

中国企業に買収されたローバーの例もあるように、先行きどうなるかわからない状態です。今やイギリス人が希望を託せるのはMINIしかなく、その期待に応えようという意気込みが大人になり、ユニオンジャックをまとった今回のMINIなのではないでしょうか。

 

 

 

街中の渋滞では、やや扱いにくさを感じさせるミニJCW

最後に試乗したもう1台、直列4気筒2.0Lエンジン（231ps(170kW)）を積む「MINI John Cooper Works」（ミニJCW）。こちらは「Cooper」と比べて、サスペンションのセッティングは、かなり引き締められています。後席はとくに路面が悪いと、少々辛いかもしれません。

エンジンは、確かにパワフルで強烈な加速力を誇ります。少々気になったのは、低回転域でのレスポンスの悪さです。とくに、街中で停止からゆるやかに発進するようなシーンでは、明確なターボラグを感じました。1,500回転付近まで回転が上がらないと、あまり前に進みません。1,500回転付近になると、ターボの過給が始まり、クルマは急激に加速を始めます。

こうなると、前走車との車間はあっという間に詰まり、ブレーキを踏んで減速・・・。または、1,500回転付近に達する前にアクセルを抜き過度な加速を抑制する必要がありました。渋滞路などでは、やや扱いにくい面があります。

 

ハイパフォーマンスな走行性能に感涙したミニJCW

しかし、山道などでは、そのハイパフォーマンス振りに感涙しました。ステアリング操作に対する反応はクイックで性格。ゴーカートフィールとはよく言ったもので、ミニJCWはあっという間に向きを変えます。ほとんどロール（クルマの傾き）する感じが無いのも特徴です。ゴーカートフィールを最も体現しているのがミニJCWでしょう

3気筒モデルも十分パワフルで楽しいクルマなので、選択が難しいところですが、少しサーキット的な走りも楽しみたい、という人はこちらを選択するといいかもしれません。エンジン音も明らかに迫力のある感じになります。

すっかりイギリスの代表選手となったNew MINI。同じ島国で右ハンドル、左側通行の日本人にとっては相通じるものも多いはず。ぜひ一度、彼の地のクルマと、日の丸日本のクルマにどれくらいの違いがあるのか（あるいはないのか）試してみて下さい。あっ、そういえばMINIの新しいヘッドライト周りのLEDデイライト・リングは日の丸に似ているような・・・？

＜レポート：堂島昭＞

 

 

MINI価格一覧

MINI 3ドア価格

・MINI ONE 3 Door　6速MT　¥ 2,380,000/7速DCT　2,560,000円

・MINI Cooper 3 Door　6速MT　2,940,000円/7速DCT　3,120,000円

・MINI Cooper D 3 Door　6速AT　3,290,000円

・MINI Cooper S 3 Door　6速MT　3,540,000円/7速DCT　3,720,000円

・MINI Cooper SD 3 Door　6速AT　3,890,000円

・MINI John Cooper Works　6速MT　4,320,000円/8速スポーツAT　4,500,000円

MINI 5ドア価格

・MINI ONE 5 Door　7速DCT　2,710,000円

・MINI Cooper 5 Door　7速DCT　3,280,000円

・MINI Cooper D 5 Door　6速AT　3,470,000円

・MINI Cooper S 5 Door　7速DCT　3,880,000円

・MINI Cooper SD 5 Door　6速AT　4,070,000円

MINI コンバーチブル価格

・MINI Cooper Convertible　7速DCT　3,730,000円

・MINI Cooper S Convertible　7速DCT　4,250,000円

・MINI John Cooper Works Convertible　8速スポーツAT　5,230,000円

 

 

MINI燃費、ボディサイズなど車両諸元

・MINI ONE 3 Door
全長3,835mm、全幅1,725mm、全高1,430mm、ホイールベース2,495mm、
車両重量1,180kg(MT) / 1,210kg(DCT)、排気量1,498cc、直列3気筒ガソリン・エンジン、最高出力75kW(102PS)/3,900rpm 、最大トルク190Nm/1,380-3,600rpm 、燃料消費率17.9km/L(MT) / 17.8km/L(DCT)。

・MINI Cooper 3 Door
全長3,835mm、全幅1,725mm、全高1,430mm、ホイールベース2,495mm、
車両重量1,190kg(MT) / 1,240kg(DCT)、排気量1,498cc、直列3気筒ガソリン・エンジン、最高出力100kW(136PS)/4,500rpm 、最大トルク220Nm/1,480-4,100rpm 、燃料消費率17.4km/L(MT) / 17.7km/L(DCT)。

・MINI Cooper D 3 Door
全長3,835mm、全幅1,725mm、全高1,430mm、ホイールベース2,495mm、
車両重量1,230kg、排気量1,496cc、直列3気筒ディーゼル・エンジン、最高出力85kW(116PS)/4,000rpm 、最大トルク270Nm/1,750-2,250rpm 、燃料消費率23.9km/L。

・MINI Cooper S 3 Door
全長3,860mm、全幅1,725mm、全高1,430mm、ホイールベース2,495mm、
車両重量1,240kg(MT) / 1,270kg(DCT)、排気量1,998cc、直列4気筒ガソリン・エンジン、最高出力141kW(192PS)/5,000rpm 、最大トルク280Nm/1,350-4,600rpm 、燃料消費率15.1km/L(MT) / 16.4km/L(DCT)。

・MINI Cooper SD 3 Door
全長3,860mm、全幅1,725mm、全高1,430mm、ホイールベース2,495mm、
車両重量1,290kg、排気量1,995cc、直列4気筒ディーゼル・エンジン、最高出力125kW(170PS)/4,000rpm 、最大トルク360Nm/1,500-2,750rpm 、燃料消費率23.8km/L。

・MINI John Cooper Works
全長3,875mm、全幅1,725mm、全高1,430mm、ホイールベース2,495mm、
車両重量1,260kg(MT) / 1.290kg(AT)、排気量1,998cc、直列4気筒ガソリン・エンジン、最高出力170W(231PS)/5,200rpm 、最大トルク320Nm/1,450-4,800rpm 、
燃料消費率14.5km/L(MT) / 15.8km/L(AT)。

・MINI ONE 5 Door
全長4,000mm、全幅1,725mm、全高1,445mm、ホイールベース2,565mm、
車両重量1,260kg、排気量1,498cc、直列3気筒ガソリン・エンジン、最高出力75kW(102PS)/3,900rpm 、最大トルク190Nm/1,380-3,600rpm 、燃料消費率17.5km/L。

・MINI Cooper 5 Door
全長4,000mm、全幅1,725mm、全高1,445mm、ホイールベース2,565mm、
車両重量1,260kg、排気量1,498cc、直列3気筒ガソリン・エンジン、最高出力100kW(136PS)/4,500rpm 、最大トルク220Nm/1,480-4,100rpm 、燃料消費率16.3km/L。

・MINI Cooper D 5 Door
全長4,000mm、全幅1,725mm、全高1,445mm、ホイールベース2,565mm、
車両重量1,280kg、排気量1,496cc、直列3気筒ディーゼル・エンジン、最高出力85kW(116PS)/4,000rpm 、最大トルク270Nm/1,750-2,250rpm 、燃料消費率23.9km/L。

・MINI Cooper S 5 Door
全長4,015mm、全幅1,725mm、全高1,445mm、ホイールベース2,565mm、
車両重量1,320kg、排気量1,998cc、直列4気筒ガソリン・エンジン、最高出力141kW(192PS)/5,000rpm 、最大トルク280Nm/1,350-4,600rpm 、燃料消費率16.4km/L。

・MINI Cooper SD 5 Door
全長4,015mm、全幅1,725mm、全高1,445mm、ホイールベース2,565mm、車両重量1,330kg、排気量1,995cc、直列4気筒ディーゼル・エンジン、最高出力125kW(170PS)/4,000rpm 、最大トルク360Nm/1,500-2,750rpm 、燃料消費率23.8km/L。

・MINI Cooper Convertible
全長3,835mm、全幅1,725mm、全高1,415mm、ホイールベース2,495mm、
車両重量1,330kg、排気量1,498cc、直列3気筒ガソリン・エンジン、最高出力100kW(136PS)/4,500rpm 、最大トルク220Nm/1,480-4,100rpm 、燃料消費率16.4km/L。

・MINI Cooper S Convertible
全長3,860mm、全幅1,725mm、全高1,415mm、ホイールベース2,495mm、
車両重量1,370kg、排気量1,998cc、直列4気筒ガソリン・エンジン、最高出力141kW(192PS)/5,000rpm 、最大トルク280Nm/1,350-4,600rpm 、燃料消費率15.5km/L。

・MINI John Cooper Works Convertible
全長3,875mm、全幅1,725mm、全高1,415mm、ホイールベース2,495mm、
車両重量1,400kg、排気量1,998cc、直列4気筒ガソリン・エンジン、最高出力170kW(213PS)/5,200rpm 、最大トルク320Nm/1,450-4,800rpm 、燃料消費率15.4km/L。

 

 

 

 

 

ミニ新車情報・購入ガイド一覧

ミニ試乗記・評価一覧

コンパクトカー試乗記・評価一覧

 

 

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