三菱エクリプスクロス試乗記・評価 エンジンの選択肢以外、弱点が見当たらない?

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【三菱】2018/07/24

三菱エクリプスクロス

 

アウトランダーのプラットフォームをベースに開発された新型三菱エクリプスクロス

三菱エクリプスクロス三菱が激戦のCセグメント、日本ではコンパクトクラスに投入した期待のクロスオーバーSUV、それが新型エクリプスクロスである。

三菱のラインアップでは、アウトランダーとRVRの間のポジションを与えられた。新型エクリプスクロスのプラットフォーム(車台)は、アウトランダーのものをベースに改良を加えている。

2018年3月に市販を開始したが、発売前に最終のプロトタイプをスノーロードで走らせている。このときはジャーナリストから絶賛された。プロトタイプでバランス感覚のよさが光ったが、実際に公道を走らせても好ましい印象は変わらない。

 

追い越し加速でレスポンスの良さを見せた新型エクリプスクロス

三菱エクリプスクロス新型三菱エクリプスクロスのパワーユニットは、世界の潮流となっているダウンサイジングターボだ。新開発の1.5L直列4気筒DOHC直噴ターボを搭載している。これに8速スポーツモード、パドルシフト付きのCVTを組み合わせた。

最高出力は120kW(150ps)/5500rpm、最大トルクは250N・m(24.5kg-m)/1800〜4500rpmだ。駆動方式は前輪駆動のFFと電子制御4WDのS-AWCの設定となる。FF車は、1500kgを切る車両重量だ。

ダウンサイジングターボは、過給しない低回転域では、パンチ力を欠くものが少なくない。とくにCVTとの組み合わせだと応答レスポンスに不満を感じることが多いが、緻密な制御のエクリプスクロスは軽快なパワーフィールだ。

三菱エクリプスクロス1.5L直噴ターボは、低回転から過給が始まるし、CVTもスロットルを大きく開けたときは意識的に回転を上げ、後追い感をなくしている。だから、力強い加速を披露した。

新型エクリプスクロスのアクセルを踏み込むと、タイムラグをほとんど感じさせずに軽やかにスピードを上げていく。実用域のトルクは2.0Lの自然吸気エンジンより豊かだ。2.5ℓエンジン搭載車と互角の冴えた加速を見せ、エンジン音も耳に心地よい。

新型エクリプスクロスが得意とするのは、発進加速ではなく追い越し加速である。市街地や高速道路で、切れ味鋭い加速を披露した。パドルシフトを使えば、意のまま加速を引き出しやすい。坂道でも重宝するだろう。

三菱エクリプスクロス

 

 

 

静粛性の高さも新型エクリプスクロスの美点

三菱エクリプスクロスクルージングしているときの静粛性が高いのも美点にあげられる。ピラー周りやドアミラーなどの風切り音やフロア周りの透過音を上手に抑え込んだ。

タイヤは225/55R18サイズのトーヨータイヤ製プロクセスR44を履いていたが、ロードノイズをもう少し抑えられれば、さらに印象はよくなるだろう。

 

軽快で気持ちのよいフットワーク

三菱エクリプスクロス新型エクリプスクロスのサスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リアはマルチリンクだ。ボディなどの剛性は高く、足も軽やかに動く。

驚かされたのは、気持ちいいリニアなハンドリングである。ステアリングを斬り込んだときにクイック過ぎるところがなく、狙ったとおりに素直にクルマが向きを変えた。コーナリング中は、ランサーエボリューションXで技術を磨いてきたS-AWCの威力を実感できる。

ブレーキ制御を行うAYCを組み合わせたS-AWCは、回り込んだ奥の深いコーナーでもアンダーステアに手を焼くことなく、優れた回頭性と正確なトレース性を見せつけた。舵の利きがいいことに加え、操舵フィーリングも過敏なところがないから疲れない。ブレーキ制御も緻密だ。

三菱エクリプスクロス

 

 

 

快適な乗り心地、そして広い後席とラゲッジスペース

三菱エクリプスクロス乗り心地がいいことも特筆できる美点である。サスペンションのストローク感があり、路面の凹凸を上手にいなす。前席だけでなく後席に座ってもガツンとくる突き上げに悩まされない。

この手のSUVには珍しく、後席にもスライド機構を採用している。シートの造りはそれなりだが、大柄な人でも足を伸ばし、リラックスした姿勢で座ることが可能だ。ラゲッジルームもライバルを凌ぐ広さを確保した。床下収納も重宝する。

 

今時ガソリンエンジンだけでは・・・、PHEVとクリーンディーゼルの投入に期待したい

三菱エクリプスクロス新型エクリプスクロスは、三菱の緻密な4輪制御技術が光る魅力的なクロスオーバーSUVだ。現在は直噴ターボだけしか用意されていない。環境がより重要視されている現在、ガソリンエンジンだけというのでは少々物足りない。

また、販売面でも選択肢が少ない。欧州で販売されているクリーンディーゼルエンジンの搭載や、三菱が得意とするプラグインハイブリッド車も加われば、新型エクリプスクロスの魅力は、倍増するはずである。

 

三菱エクリプスクロスの価格

■三菱エクリプスクロスの価格
・M 2WD 2,532,600円/4WD 2,748,600円
・G 2WD 2,706,480円/4WD 2,922,480円
・G Plus Package 2WD 2,879,280円/4WD 3,095,280円

 

 

三菱エクリプスクロスの燃費、ボディサイズなどスペック

三菱エクリプスクロス代表グレード 三菱エクリプスクロス G Plus Package 4WD
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,405×1,805×1,685mm
ホイールベース[mm] 2,670mm
トレッド前/後[mm] 1,545/1,545mm
車両重量[kg] 1,550kg
総排気量[cc] 1,498cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 110(150)/5500
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 240(24.5)/2000-3500
ミッション CVT
タイヤサイズ 225/55R18
JC08モード燃費 14.0㎞/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 3,095,280円
発売日 2018/3/1
レポート  片岡英明
写真  編集部

 

 

 

 

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