スズキ ジムニー、ジムニーシエラ新車情報・購入ガイド「悪路走破性にこだわり続ける唯一無二のコンパクトオフローダー」

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【スズキ】2018/07/15

新型スズキ ジムニー

20年振りのフルモデルチェンジ! 4代目となった新型スズキ ジムニー

新型スズキ ジムニースズキは、軽自動車のジムニーと小型車のジムニーシエラをフルモデルチェンジし発売を開始した。

新型スズキ ジムニーは、20年振りのフルモデルチェンジとなり、このモデルで4代目となった。

スズキ ジムニーは、長い歴史をもつ本格派のクロスカントリー4WDだ。初代は、1970年に軽自動車で唯一の四輪駆動車としてデビュー。初代ジムニーは、悪路走破性とコンパクトな車体による取り回しの良さにより、様々な作業現場や山間部、積雪地の重要な交通手段として活躍。主に実用車として価値を高めた。

その後、本格的な四輪駆動の性能と親しみやすさからレジャーを目的として使われるようになる。多くのカスタマイズパーツ類が開発され、多くのユーザーが自分だけのジムニーを楽しんだ。その走破性の高さやユニーク性から、ジムニーブランドは神格化する。また、ライバル車も投入されるが、その後撤退。ジムニーは、唯一無二の存在となっている。

新型スズキ ジムニーそして、ジムニーシエラは、1977年に発売された0.8Lの「ジムニー8」を原点とする小型車だ。軽自動車のジムニーをベースとして、小型車用エンジンを搭載。主に海外市場において、小型のクロスカントリー4WDとして活躍している。

徹底して走破性やタフさに磨きをかけたジムニーシリーズは、全世界194の国・地域で活躍。世界累計285万台を販売したスズキを代表する車種でもある。

新型スズキ ジムニー

とにかく悪路走破性にこだわった4代目新型ジムニー

新型スズキ ジムニーシエラ
ジムニーシエラ

スズキ ジムニーは、圧倒的な走破性の高さで支持されてきた。しかし、現在はFF(前輪駆動)が売れるSUVブーム。本格的なオフロード性能より、雰囲気が重視される時代だ。そうしたライトな層に向けて開発すれば、今までよりもっと多くの販売台数が期待できるだろう。

しかし、新型スズキ ジムニーのコンセプトはぶれていない。流行りに流されることなく、徹底的にオフローダーとしての性能にこだわった。ジムニーの性能をすべて引き出すような使い方をするプロユーザーをターゲットに開発された。

そもそもジムニーは、こうしたプロユーザーを満足させたモデルだからこそ高く評価され、一般のユーザーにも浸透。そして、ジムニーブランドが構築されていった経緯がある。だから、オフローダーとしての性能こそがジムニーのすべてといっていい。

 

強固なラダーフレームを継承

新型スズキ ジムニーそのため、フルモデルチェンジでは、オフロードに強い梯子型に組んだ頑強なラダーフレーム構造を継承。新設計となったラダーフレームは、X(エックス)メンバーと前後にクロスメンバーを加えたことで、ねじり剛性を約1.5倍(先代モデル比)向上させた。そして、車体とラダーフレームをつなぐボディーマウントゴムを新設計し、乗り心地を改善。また、優れた操縦安定性を実現している。

搭載されるエンジンは、もちろん縦置きでFR(後輪駆動)レイアウト。エンジンをフロントタイヤより後方に配置し、厳しい悪路走行に有効な対障害角度を確保。

 

専用チューニングされたターボエンジンを搭載した新型ジムニー。ただし・・・

新型スズキ ジムニー新型ジムニーに搭載されたのは、専用チューニングされたR06A型ターボエンジン。64ps&96Nmとなっている。燃費はWLTCモードでATが13.2㎞/L、MTが16.2㎞/Lとなった。

このR06A型ターボエンジンは、先代のK6A型に比べ、重量で-4.8㎏、全幅で-60㎜と小型軽量になっている。

タフな環境下で使われるモデルなので、なるべくシンプルな方が良いというのは理解できるが、さすがに日本を含む先進国向けとしては、燃費性能をもっと引き上げる必要がある。今後、そうしないとCO2排出量などの問題から、売ることさえ難しくなる。

新型スズキ ジムニー先進国用には、マイルドハイブリッド機能などが必要だろう。そうしないと、国内でもマニアックな顧客のみが対象になり、潜在的なジムニーファンを取り込むことが難しくなる。

新型ジムニーシエラには、新開発K15B型エンジンが搭載された。出力は102ps&130Nm。燃費はWLTCモードでMTが15.0㎞/L、ATが13.6㎞/Lとなった。こちらも先代のM13A型に比べると、重量で-14.3㎏、全高23㎜、全幅26㎜、全長21㎜と大幅に軽量、コンパクト化が図られている。

悪路に強い3リンクリジッドアクスル式サスペンションを採用。快適性も向上

新型スズキ ジムニーそして、サスペンションは、ジムニー伝統の3リンクリジッドアクスル式を採用。一般的な乗用車の独立懸架式サスペンションに比べ、凹凸路で優れた接地性と大きな対地クリアランスを確保できるのが特徴。さらに、堅牢な構造により過酷な使用環境にも耐える信頼性を実現している。

新型スズキ ジムニーまた、走破性能を高める電子制御のブレーキLSDトラクションコントロールを全車に標準装備した。これは、4L(低速)モード走行時、エンジントルクを落とすことなく、空転した車輪にだけブレーキをかける。これにより、もう一方の車輪の駆動力を確保し、高い走破性能を実現している。また、よりイージーに下りの悪路を走れるヒルディセントコントロールも標準装備されている。

そして、悪路走行時のステアリングへのキックバックを低減し、高速走行時の振動を減少させるステアリングダンパーを新採用。より快適に走ることができるようになった。快適性では、吸遮音材の適正配置され、大幅に静粛性が引き上げられている。

ミッションは、悪路走破性に優れる機械式副変速機付きパートタイム4WDを継続採用。オートという機能は無く、路面状況に合わせて2WDと4WDをドライバーが任意で選択する。4WDは4H(高速)、4L(低速)のモードに切替えが可能。4Lは、通常の約2倍の駆動力を発揮し、急な登坂路や悪路の走破性を高める。

 

歴代ジムニーのデザインアイコンを継承しながら、洗練さをプラスしたデザイン

新型スズキ ジムニー新型ジムニーのデザインは、専門家が愛用する「プロの道具」をデザインコンセプトとした。エクスエリアは、車両の姿勢や状況を把握しやすいスクエアなボディデザインを採用。面の剛性を高める造形、降雪時に雪がたまりにくい凹凸が少ないボディー形状、走破性・積載性を高める細部の工夫など、機能性にこだわったデザインとなった。

また、歴代ジムニーのデザインアイコンである丸型ヘッドランプ、5スロットグリル、クラムシェルボンネットフードなども継承されている。全体的にジムニーらしい武骨さを残しつつも、洗練された都会派デザインになった印象が強い。

新型スズキ ジムニー新型ジムニーシエラは、力強く張り出したオーバーフェンダーとサイドアンダーガーニッシュを装備。小型車といこともあり、ジムニーより迫力のあるスタイリングになっている。ボディサイズは、先代モデルに対し車体全長を50mm短く、全幅を45mm拡げ、取り回しの良さと高速走行時の安定性を実現した。

 

機能性を重視したインテリアデザイン

新型スズキ ジムニー新型ジムニーのインテリアも、オフロードなど過酷な環境下での、運転のしやすさや、各部の操作性にこだわった機能性重視のデザインとなった。視界や車両の状況が分かりやすい水平基調で力強い基本骨格のインストルメントパネルが採用された。

また、高剛性化、高強度化したフロントシートフレームを採用。シートフレームの幅を70mm(先代モデル比)拡大。上下クッション性能の向上と適正な耐圧分布を確保。先代モデルと比べると、より乗り心地がよくなり、ゆったりとしたシートになった。

新型ジムニーは、室内スペースがやや広くなっている。前席のヒップポイントを30mm後方に下げながら、前後乗員間距離を40mm拡大して居住性を向上させている。

新型スズキ ジムニー

使い勝手の良さと積載性をアップした新型ジムニー

新型スズキ ジムニー新型ジムニーに重要視される要素のひとつが積載性だ。荷室は、幅広いニーズに応えて機能を追求。

大きな開口部と大容量の荷室。荷室床面はフラットとなり、よりスペースを無駄なく活用できるようになった。狭いスペースをより効率よく使えるようにするなど、新型ジムニーの使い勝手は良好だ。荷室スペースは352Lを確保している。

新型スズキ ジムニージムニーには、汚れた荷物などを積むことが多い。そこで、リヤシートバック背面と荷室を樹脂化した、防汚タイプラゲッジフロアを設定。汚れに強く、アウトドアレジャーにもピッタリだ。さらに、荷室のの使い勝手を高める、ユーティリティーナットと荷室フック用ナットを設定。ユーザーが自分が使いやすいように荷室をアレンジすることができる。

 

歩行者検知式自動ブレーキは、全車標準装備されず・・・

新型スズキ ジムニー新型ジムニーの安全装備には、歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備スズキ セーフティ サポートが用意された。歩行者検知式自動ブレーキの他に、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、ハイビームアシスト、先行車発進お知らせ機能がセットになっている。新機能として“車両進入禁止”に加え“はみ出し通行禁止”“最高速度”の各標識をメーター内に表示させドライバーに通知する「標識認識機能」を採用されている。

ただ、こうした優れた先進予防安全装備もオプション設定となっており、スズキの安全装備に対する姿勢が問われる。もはや、ホンダが先進予防安全装備であるホンダセンシングをN-BOXに標準装備化している。いずれ、自動ブレーキの標準装備化が義務化されるのは時間の問題なのだから、今から積極的にやるべきだろう。

新型スズキ ジムニースズキは安全装備に関して消極的で、少し前までサイド&カーテンエアバッグが用意されていないモデルも多かった。保安基準が変更されたこともあり、新型ジムニーはサイド&カーテンエアバッグが標準装備化されている。クルマは扱い方を間違えれば、人を殺めることがある。スズキもこうした商品を売り利益を上げているのなら、安価な装備でこうしたリスクを軽減できるのなら、積極的に標準装備化を進める責任がある。

新型スズキ ジムニーシエラ
ジムニーシエラ

 

新型スズキ ジムニーのグレード選び

新型スズキ ジムニー新型スズキ ジムニーのグレード選びは、エンジンが1種類、ボディ形状も3ドアのみとなっているので簡単だ。基本的には、自分の求める装備の有無で選ばばいい。

新型ジムニーのグレードは3つ。最上級グレードがXC、中間グレードがXL、エントリーグレードがXGとなる。XLとXGは、歩行者検知式自動ブレーキなどを含む先進予防安全装備であるスズキ セーフティ サポートがオプションなので、必ず選択したい。エントリーグレードであるXGは、かなり装備が簡素化されているので、一般ユーザーは選びにくい。そうなると、新型ジムニーのグレード選びではXCかXLになる。この2グレードの大きな装備差は、LEDヘッドランプ、ヘッドランプウォッシャー、クルーズコントロール、LEDサイドターンランプ付きドアミラー、16インチホイールなど。

新型スズキ ジムニー新型ジムニーXCの価格は1,841,400円(4AT)。XL(スズキ セーフティ サポート)との価格差は約12万円。この価格差なら、積極的にXCを選んでもいいだろう。

また、ジムニーはモデルチェンジが長いモデルだ。すぐにでもジムニーが欲しいというのでなければ、すばらく購入を待ってみるというのもいい。新型ジムニーの販売は、初期に一定のファンに売り切ってしまえば、その後、販売台数は少なくなってくる。新型ジムニーとはいえ、値引き額も大きくなる。こうした時に投入されるお買い得な特別仕様車なども狙い目だ。また、スズキは多くの未使用車を生み出すメーカー。しばらくすれば、ジムニーの未使用車も多くの中古車店舗に並ぶ可能性が高い。

 

スズキ ジムニーシエラのグレード選び

新型スズキ ジムニー新型ジムニーシエラのグレード選び。新型ジムニーシエラは、1.5Lエンジンのみの設定で、グレードも最上級グレードであるJCとエントリーグレードのJLのみ。JCには歩行者検知式自動ブレーキなどを含む先進予防安全装備であるスズキ セーフティ サポートがオプションなので、積極的に選ぶ必要がある。

新型ジムニーシエラJCの価格は2,019,600円(4AT)。JL(スズキ セーフティ サポート)との価格差は12万円だ。装備差は、LEDヘッドランプ、ヘッドランプウォッシャー、クルーズコントロール、LEDサイドターンランプ付きドアミラー、15インチホイールなど。12万円の価格差なら、新型ジムニーシエラも積極的に最上級グレードのJCを選んだほうが満足度が高い。

■スズキ ジムニー価格

・XG 5MT 1,458,000円/4AT 1,555,200円
・XL 5MT 1,582,200円/4AT 1,679,400円
・XC 5MT 1,744,200円/4AT 1,841,400円

■スズキ ジムニーシエラ価格

・JL 5MT 1,760,400円/4AT 1,857,600円
・JC 5MT 1,922,400円/4AT 2,019,600円

■スズキ ジムニー燃費、ボディサイズ、スペックなど

・スズキ ジムニーXG 4AT車

全長(mm) 3,395 全幅(mm) 1,475 全高(mm) 1,725

ホイールベース(mm) 2,250

トレッド(mm) 前 1,265 後 1,275

最低地上高(mm)205

車両重量(kg) 1,040

燃料消費率(km/L)WLTCモード  13.2

最小回転半径(m) 4.8

エンジン 型式 R06A型 直列3気筒インタークーラーターボ

総排気量(L) 0.658

最高出力(kW/rpm)ネット 47<64PS>/6,000

最大トルク(N・m/rpm)ネット 96<9.8kg・m>/3,500

ミッション 4AT

■スズキ ジムニーシエラ燃費、ボディサイズ、スペックなど

・スズキ ジムニーシエラJC 4AT

全長(mm) 3,550 全幅(mm) 1,645 全高(mm)1,730

ホイールベース(mm) 2,250 トレッド(mm) 前 1,395 後 1,405

最低地上高(mm)210

車両重量(kg) 1,090

性能 燃料消費率(km/L)WLTCモード  13.6

最小回転半径(m) 4.9

エンジン 型式 K15B型 直列4気筒DOHC16バルブ

総排気量(L) 1.460

最高出力(kW/rpm)ネット 75<102PS>/6,000

最大トルク(N・m/rpm)ネット 130<13.3kg・m>/4,000

ミッション 4AT

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