メルセデス・ベンツGLCクーペ新車情報・購入ガイド クーペのような美しさをもち高い安全性能をもつSUV。PHEVモデルは900万円オーバーと、高価さが際立つ! [CORISM]

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【メルセデスベンツ】2017/03/19

流行のクーペとのクロスオーバーであるGLCクーペ。GLCよりひと回り大きく、低くなった

メルセデス・ベンツGLCクーペ
 メルセデス・ベンツ は、SUV である新型メルセデス・ベンツGLCクーペ の発売を開始した。

 新型メルセデス・ベンツGLCクーペは、2016年2月に発売されたSUV、GLCをベースにクーペモデルのようなスタイリッシュなデザインを施した派生車だ。GLCシリーズは、従来のGLKにあたるクラスに属する。メルセデス・ベンツは、独自のクラス名が付いていたSUVの車名を変更。SUVシリーズをGLとし、その後に続くアルファベットをA、C、E、Sとして、サイズをセダン系 と同じにして分かりやすく分類している。今回の新型GLCクーペは、CクラスサイズのSUVということになる。

 新型GLCクーペのボディサイズは、全長4,735×全幅×1,930×全高1,605mm。ベースモデルとなるGLCは、全長4,670×全幅1,890×全高1,645mm。GLCクーペは、GLCに対して全長が+65㎜、全幅が40㎜、全高は-40mmとなっている。

 GLCと比べると、全高を除きひと回り大きくなった印象。とくに、全高は-40㎜となっていることから、よりスタイリッシュなワイド&ローなフォルムになったといえる。

メルセデス・ベンツGLCクーペ
メルセデス・ベンツGLCクーペ
メルセデス・ベンツGLCクーペ

メルセデス・ベンツGLCクーペ

美しいルーフ、リヤまわりのデザイン

メルセデス・ベンツGLCクーペ
 新型GLCクーペの特徴は、やはりサイドから見たルーフライン。ルーフは、後端に向けて滑らかにドロップ。この部分だけ見ていると、まさにクーペモデルのような美しさをもつ。

 フロントオーバーハングは、全長は+65mmとなっているが830㎜とGLCに対して5ミリ短くなった。対して、リヤオーバーハングは1030㎜となり、GLCに比べ80㎜延び優雅で滑らかなルーフラインに貢献している。こうしたクーペルックのSUVは、世界的に人気。BMW ではX4X6ポルシェ にはマカン などがあり、国産車ではトヨタC-HR が人気だ。

 そして、フロントフェイスは、メルセデスクーペのトレードマークとなっている垂直に切り立ったダイヤモンドフロントグリルが採用されている。シングルルーバーにスリーポインテッドスターを一体化することで、メルセデス・ベンツのスポーツモデルとの近縁関係を強調。こうしたスポーティなデザインに、SUVらしいワイルドなアンダーガードが加えられている。

 そして、リヤまわりはエグゾーストエンドを一体化したパワフルなバンパーデザインや、ディフューザー形状のアンダーガードを装備し、スポーティさとワイルドさを見事に統合した。

 インテリアデザインには、CクラスやGLCとほぼ同じ。メルセデス・ベンツらしい、カッチリとした上質な質感をもつ。8.4インチディスプレイを備えた「COMANDシステム」は、安全性も高く使いやすいCOMANDコントローラーに加えタッチパッドも採用された。さまざまな入力方法が可能としているが、日本の右ハンドル車では左手で入力するしかなく、右利きの人には使い勝手はいいとはいえない。また、ドンドンとモニターが大きく見やすくなる傾向にあるなか、もはや8.4インチディスプレイでは小さく感じる。

 また、クーペタイプのデザインが採用されたことから、フロントシート及びリヤシートの上部スペースは小さくなり、ややタイトな印象になっている。フトントシートはそれほど狭い印象がないが、リヤシートの頭上スペースはさすがに余裕があるとはいえない。大柄の人には、厳しい空間と言える。

5タイプのパワーユニットを用意。PHEVは900万円オーバーと高価

メルセデス・ベンツGLCクーペ
 新型メルセデス・ベンツGLCクーペに搭載されたエンジンは5タイプ。2.0Lターボが2タイプ、2.2Lクリーンディーゼル が1タイプ、2.0Lターボ+モーターのPHEVが1タイプ、3.0L V6ターボが1タイプとなっている。2.0Lターボは、GLC200クーペが184PS&300N・m。GLC 250 4MATICクーペは、211PS&350N・mとなっている。2.2LクリーンディーゼルのGLC 220 d 4MATICは170PS&400N・mを発揮。メルセデスAMG GLC 43 4MATICクーペには、パワフルな367PS&520N・mを発揮するMercedes-AMGが専用に開発した高出力の3.0L V6ツインターボが搭載された。PHEV となるGLC 350 e 4MATICクーペには、211PS&350N・mの2.0L直4ターボエンジンに、116PS&340N・mの高出力モーターを組み合わせシステム全体で320PS&560N・mというパワフルさを誇る。

 組み合わされるミッションは、GLC 350 e 4MATICクーペが7速ATで他のモデルは全車9速ATである9G(ナイン ジー)-TRONIC(トロニック)」が採用されている。

 こうした多段化されたミッションなどにもより、燃費は2.0LターボのGLC200クーペが13.5㎞/Lもしくは13.6㎞/L。GLC 250 4MATICクーペが13.4㎞/L。クリーンディーゼルのGLC 220 d 4MATICが16.2㎞/L。AMG GLC 43 4MATICクーペが10.3㎞/Lとなっている。

 PHEVとなるGLC 350 e 4MATICクーペの燃費は13.9㎞/Lとなっており、30.1㎞の距離をEV 走行できる。このPHEVモデルは、EVモード時のCO2の排出量がゼロなのでエコなのだが、ハイブリッド 燃費はそれほど優れている訳ではない。どちらかというとハイブリッド時は、パワー重視のPHEVということになる。

 サスペンションは、GLC 220 d 4MATIC クーペ スポーツに走行状況に応じてダンパー内のオイル流量を変化させ、減衰力を調整するセレクティブダンピングシステムを備えた「AGILITY(アジリティ) CONTROL(コントロール)サスペンション」を採用。通常走行時には快適な乗り心地を提供し、ハードな走行時には減衰力を高めよりスポーティな走りを発揮する。

 GLC 250 4MATICクーペ スポーツ、GLC 250 4MATICクーペ スポーツ(本革仕様)とGLC 350 e 4MATICクーペ スポーツには、AIR BODY CONTROLサスペンションが設定された。AIR BODY CONTROLは車速や走行条件に応じて、ダンピング特性や車高を自動的に調整する電子制御式エアサスペンション。路面状況、運転状況、乗車人数や積載状況に応じて、減衰力を常に最適に保つ。また、高速走行時には車高が自動的に下がり、ハンドリング性能、空力特性および燃費を向上させる。荒れた路面などでは、最低地上高を180㎜から15mm高めラフロードなどでの走破性を向上。乗車人数などによる車体姿勢の変化を補正するセルフレべリング機能により、安定したハンドリング特性を実現した。

メルセデス・ベンツGLCクーペ
メルセデス・ベンツGLCクーペ
メルセデス・ベンツGLCクーペ

レーダーセーフティパッケージを標準装備化するなど高い安全性能を誇る!

メルセデス・ベンツGLCクーペ
 クーペボディ化によるデメリットは、ラゲッジスペースにも出ている。GLCでは550Lあったラゲッジスペースが500Lへ減少。元々GLCでも広いとは言いにくい状況だったが、クーペ化によりさらにラゲッジスペースは小さくなっている。ただ、GLCクーペだけが狭いという訳ではなく、ライバル車となるBMW X4も同等のスペースになっている。

 また、装備面では高級車ということもあり、ワンタッチ操作でテールゲートが自動開閉し、開口角度も調整できる「EASY-PACK自動開閉テールゲート」を標準装備化してある。

 安全装備面では、さすがメルセデス・ベンツだ。全モデルに歩行者検知式自動ブレーキを含む先進予防安全装備である「レーダーセーフティパッケージ」を標準装備化。360度全方位で、高い安全性能を誇る。「インテリジェントドライブ」の土台となっているのが、クルマの周囲ほぼ360°をカバーする複合的なセンサーシステムだ。フロントウインドウ内側のステレオマルチパーパスカメラを装備。レーダーセンサーは、フロントおよびリアバンパーに内蔵された25GHzの短距離レーダー計4個、ラジエーターグリル奥の77GHzの中・長距離レーダー1個、リアバンパー中央の25GHzマルチモードレーダー1個の合計6個が搭載されている。こうしたセンサーやカメラから得た膨大なデータをコントロールユニットが処理。リスクを顕在化させ、ドライバーに警告。ドライバーがリスクに反応しない場合、事故を回避もしくは被害軽減してくれる。また、夜間の安全なドライブをサポートするアダプティブハイビームアシスト・プラスを備えた「LEDインテリジェントライトシステム」も全モデルに標準装備した。

 クルマは、扱い方を誤れば死傷事故につながる商品。こうした先進技術も安価になってきており、死傷事故をできる限り回避できるようになった。オプション装備とせず、標準装備化することでメーカー自らの死傷者事故を減らすという姿勢を示しているのは高く評価できる。

メルセデス・ベンツGLCクーペのグレード選び。速いPHEVも魅力的だが、コスパを含めバランスの良いクリーンディーゼル車がお勧め!

 新型メルセデス・ベンツGLCクーペのグレード選び。GLCクーペの場合、まずFR(後輪駆動)か4MATIC (4WD)かという選択になる。FRモデルは2.0LターボのGLC200クーペしかない。他のエンジンには、FRの設定は無く、全車4WD のみになってしまう。最近では、こうしたSUVでも2輪駆動モデルが価格も安く人気が高い。フォルクスワーゲン ティグアン は、4WDが売れないためFF(前輪駆動)しか設定が無いほどだ。せめて、売れ筋になると思われるクリーンディーゼル車にはFRモデルがあってもいいだろう。

 ドイツでは、2030年までにエンジン車などの販売ができないようになるなどの決議案が採択されるなど、イッキに電動化技術の波が押し寄せる可能性が高い。そうした流れを受けてグレードを選びを考えると、単なるガソリン車は選びにくい。となると、2.0Lターボ2タイプ、3.0L V6ターボの1タイプ、計3タイプのモデルの優先順位は低くなる。となると、GLCクーペで選ぶべきモデルは、2.2LクリーンディーゼルかPHEVということになる。

 ただし、PHEVのGLC 350 e 4MATIC クーペの価格は9,030,000円とかなり高価。700万円台で購入できるクリーンディーゼル車と比べると、価格差が大きく、いくら安い電気で充電できEV走行できるとはいえ、元が取れるとはいえない。また、PHEVは約30㎞程度しかEV走行できないので、すぐにハイブリッドモードになる。ハイブリッドモードになると、ガソリン車と燃費差がほとんどないので、ハイブリッド車としてのメリットもない。そうなると、ハイオクガソリン仕様モデルに対して、クリーンディーゼル車に使う軽油は30円/L前後も安いので、経済的にもクリーンディーゼル車がおすすめということになる。

 また、最近の輸入車は、クリーンディーゼル車の人気が高くリセールバリューを考えてもクリーンディーゼル車がお勧めだ。

メルセデス・ベンツGLCクーペ価格

■メルセデス・ベンツGLCクーペ価格
・GLC 200 クーペ 6,270,000円
・GLC 200 クーペ スポーツ 6,670,000円
・GLC 220 d 4MATIC クーペスポーツ 7,130,000円
・GLC 220 d 4MATIC クーペスポーツ(本革仕様) 7,750,000円
・GLC 250 4MATIC クーペスポーツ (本革仕様) 7,990,000円
・GLC 350 e 4MATIC クーペスポーツ 9,030,000円
・メルセデスAMG GLC 43 4MATIC クーペ 9,100,000円

メルセデス・ベンツGLCクーペ燃費、スペックなど

代表グレード メルセデス・ベンツGLC 220 d 4MATIC クーペ スポーツ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,735×1,930×1,605mm
ホイールベース[mm] 2,875mm
トレッド前/後[mm] 1,620/1,655mm
車両重量[kg] 1,940kg
総排気量[cc] 2,142cc
エンジン最高出力[kW(ps)/rpm] 125(170)/3,000~4,200rpm
エンジン最大トルク[N・m/rpm] 400/1,400~2,800rpm
ミッション 9速AT
JC08モード燃費(㎞/L) 16.2㎞/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 7,130,000円
発売日 2017年2月22日
レポート 編集部
写真 メルセデス・ベンツ

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(レポート:CORISM編集部

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