フォルクスワーゲン ゴルフR試乗記・評価 気難しさは一切無し!? 最速ゴルフの6MTを試す!

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【VW】2016/10/10

 

■車両価格は高いが、少数派の要望を聞き入れてMT車を導入したフォルクスワーゲンの企業姿勢に好印象

フォルクスワーゲン ゴルフR

 今回の試乗車は、フォルクスワーゲンゴルフR 。特別新しいモデルでは無いが、今回はMT(6速)に乗ってみたくなり試乗となった。

フォルクスワーゲン ゴルフは、このクラスでは模範となるモデルで、性能、価格等を考えるとライバルをリードするとても良く出来たクルマだ。ゴルフのバリエーションは沢山あり、その中で一番のスポーツモデルがゴルフRである。

“R”はピュアなスポーツモデルだけに、今までMTモデルが無かったのが意外ではあるが、DSG(6速)の出来が良すぎてMTを輸入する理由が無かったのであろう。それでも、MT車を好むユーザーが少数でも存在していることもあり、今回導入されたのかもしれない。

儲かるから輸入する、儲からないから輸入しないではなく、ユーザーの要望を最大限取り入れる企業姿勢は好感が持てるし、価格もDSGに比較して10万円も安価な価格設定は嬉しい。それだけに、問題となったディーゼルエンジンの導入もピンチだからこそ、チャンスに変えて輸入して欲しいものである。

フォルクスワーゲン ゴルフR
フォルクスワーゲン ゴルフR
フォルクスワーゲン ゴルフR
フォルクスワーゲン ゴルフR

■ゴルフRは、特別なモデルだが気難しさは一切無し!

フォルクスワーゲン ゴルフR

 さて早速、試乗してみた。シートはゴルフ伝統の固めのレザーシートでパリッとしていて私は好きである。更にスポーツモデルなので、サイドのサポートもしっかりしていて上半身までシッカリと固定してくれる。

エンジンはダウンサイジングターボである、2リッター直列4気筒ターボエンジン。最高出力は280PSで、最大トルクは38.7kgmを1,800rpmという低回転から発生する。一方燃費は13.9km/l(JC08モード)とスポーツエンジンでありながら低燃費だ。

ゴルフRの特徴は、GTI のようにFF ではなくAWD であること。これほどパワフルなエンジン出力を無駄なく路面に伝えるには、AWDが最適とうことなのだろう。

エンジンをスタートさせると優等生のゴルフの車内に、少し悪っぽい低音のビート音が車内に伝わってきて“R”という名を意識する。重いクラッチだと予想していたのが、踏んでみたら想像以上に軽い。ハイヒールでの運転は安全のため勧められないが、この軽さなら問題はないだろう。

節度のあるシフトゲートを介して、ギヤを1速に入れて左足のクラッチペダルを離すとスルスルと発進した。最新のスポーツカー は低回転でも気難しい事はなく、若葉マークのドライバーでも全く問題なく扱える。昔のゴルフGTIはもっとラフで、初心者をはね返すような雰囲気がプンプンしていたのが懐かしい。

フォルクスワーゲン ゴルフR
フォルクスワーゲン ゴルフR
フォルクスワーゲン ゴルフR

■AWD化で軽快感は無いが、圧倒的な速さと安定感を手に入れた!

フォルクスワーゲン ゴルフR

 エンジンの回転が1,000rpmを超えれば、シフトアップも充分に受け付ける柔軟性があり5速1,000rpmでもトロトロ走る。登り坂では1,000rpmを切ると高いギヤでの加速は無理であるが、1,500rpmを超えればモリモリとパワーが出て2,000rpmを過ぎた頃には急な登り坂も下り坂と感じるような加速をする。車重は1.5tもあり、重厚感と引き替えにホットハッチと言われた頃のゴルフの軽快感、熱さは少なくなり淋しい感情も出てくる。

ゴルフRは、AWDを意識する事は少なく安定して狙ったラインを線路が引かれたよう走ることができる。滑りやすい路面でも不安無く右足のアクセルペダルに力を入れる事が出来る。この安定感こそAWDのメリットだ。第5世代のハルデックスカップリングを採用した最新のAWDは、必要であれば駆動トルクのほぼ100%を後輪に配分することも可能。また、低負荷走行時には、前輪だけにトルクを配分。燃料消費を抑える。このように、状況に応じて前輪・後輪のトルク配分を連続的に変化させ、力強い発進加速や高速走行時の安定性、低μ路での優れたトラクション性能を実現。あらゆる走行シーンで安定した走りを実現する。

その右足の動きに応えるエンジンは、更にクールに仕事をして私から免許証を奪い取る速度に向かおうとする。どんな回転数でも豊かなトルクは、大排気量のエンジンのようで、どのギヤを選んでも同じように走れるのでMTの必要性を感じない。一段、高めのギヤでコーナーに進入し、出口でアクセルを踏めば想像を超えた加速を得る事が出来るので、ツボにはまったギヤを選ぶ必要が無い。それだけにMTを操作する楽しみが少ない。サスペンションは固く引き締まってはいる。高剛性のボディはミシリともしないし、乗り心地は予想以上に良い。

試乗前から結論が出ていたがゴルフRを選択するなら、DSGがお勧めである。MTより速く、シフトミスはしない、そしてイージーでAT限定免許証でも運転出来るので家庭の財務大臣である奥様の賛同も得られやすい。それでもMTを選択するのは“男気”がある人で、速いとか遅いとかではなく、クルマを操ることを楽しみたいのだろう。本当は、私もそのような人物でいたいと思う。しかし、老いたせいかDSGを選んでしまうのが現実だ。

フォルクスワーゲン ゴルフR
フォルクスワーゲン ゴルフR
フォルクスワーゲン ゴルフR

■フォルクスワーゲン ゴルフR価格

■フォルクスワーゲン ゴルフR価格:6速MT 5,399,000円/6速DSG 5,499,000円

■フォルクスワーゲン ゴルフR 燃費、スペックなど

■フォルクスワーゲン ゴルフR 6MT スペック

エンジン:直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ(4バルブ)
排気量 :1,984cc
最高出力:206kW(280PS)/5,100-6,500rpm
最大トルク:380Nm(38.7kgm)/1,800-5,100rpm
全長X全幅X全高(mm) 4,275 x 1,800 x 1,465
ホイールベース(mm) 2,635
燃料消費率 (JC08 モード) 13.9km/L
車両重量(kg) 1,500
フロントサスペンション マクファーソンストラット(スタビライザー付)
リヤサスペンション 4リンク(スタビライザー付)

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(レポート:丸山 和敏

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