ホンダ シャトル新車情報・購入ガイド 意外と売れているシャトル! その訳は? 一部改良でライバル フィールダーを追撃! [CORISM]

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【ホンダ】2016/08/11

■ライバルに燃費では負けるが、積載性などの実用面は圧倒

ホンダ シャトルハイブリッド
 ホンダ は、コンパクトワゴンシャトル を一部改良し発売を開始した。

 ホンダ シャトルは2015年にデビュー。従来モデルはフィットシャトル だったが、このモデルからシャトルと車名が変更されている。変更された理由は、フィット と名前が付くことで、フィットの派生車であることが分かることを嫌ったためだ。

 基本的な部分はフィットと同じなのだが、外観などフィットとは差別化されており、クルマに詳しくなければフィットとの関係は分からない。つまり、フィットと明確に差別化しシャトルという車名にすることで、フィットとは違うひとクラス上のクラス感をアピールしたかったのだ。そうすることで、ユーザーの満足度も高まり、ホンダも価格を上げやすく利益も出しやすくなる。

 こうした戦略は見事に成功しており、シャトルは売れている。2016年1~6月の販売台数は22,504台を売り、登録車では18位にランキングされている。販売不調のステップワゴンとそれほど販売台数が無くなってきている。ホンダの売れ筋車種順では、フィット、ヴェゼルステップワゴン 、シャトル、フリード となっており、国内ホンダを支えるモデルに成長している。また、ライバルのカローラフィールダー に近い販売台数にもなってきた。

 シャトルの販売台数の8~9割がハイブリッド車 となっている。ガソリン車は、完全に売る気が無く1グレードのみの設定。価格を重視するワゴン顧客向けで、非常にシンプルな装備となっているからだ。

 シャトルハイブリッドは、3グレードが用意されており、それぞれ4WDが用意されている。フィールダー のハイブリッドには4WD設定が無い。降雪地域などでは、そうした理由もあり、シャトルハイブリッドが売れている理由のひとつになっている。

 シャトルハイブリッドの燃費は、グレードによって異なる。簡素化されたエントリグレード、ハイブリッドは、34.0㎞/Lとなっており、わずかにカローラフィールダーの33.8㎞/Lを上回る。だが、中間グレードのハイブリッドXは32.0㎞/L、ハイブリッドZは29.6㎞/Lとなっていて、カローラフィールダーにやや差をつけられている状態だ。両車とも1.5Lエンジン+ハイブリッドの組み合わせだ。

 ただし、積載スペースではシャトルハイブリッドが勝る。カローラフィールダーが407Lなのに対して、シャトルハイブリッドは570Lとクラスを超えた積載性を誇っている。積載性を重視するのであれば、シャトルハイブリッドという選択になる。

ホンダ シャトルハイブリッド

■装備や質感を向上したライトな改良。安全装備は物足りないまま

ホンダ シャトルハイブリッド
 今回の改良では、燃費でカローラフィールダーに負けているハード部分はそのままで、主に装備や質感のグレードアップを中心に行われている。質感と装備を向上させることで、カローラフィールダーに対してより高い競争力を得たい考えだ。まず、インテリアライトのLED化、カラーバリエーションの変更に加え、「HYBRID X」、「HYBRID Z」には2015年12月に発売した特別仕様車「STYLE EDITION」の装備を標準化するなど、内外装ともにさらなる質感の向上を図った。LEDインテリアライトなどは、アフターパーツなどでも人気のアイテムだけに差別化を図るにはちょうどよい。

 シャトルハイブリッドの価格は、中間グレードのハイブリッドXで2,195,000円。5,000円ほどだが価格がアップした。プラスされた装備などを考えると、わずかだがお買い得感があるといった程度。

 シャトルハイブリッドとカローラフィールダーを比較すると、基本的にシャトルハイブリッドが使い勝手に優れる。燃費はカローラフィールダーだが、荷室はシャトルハイブリッドの圧勝。さらに、最小回転が問題になる。カローラフィールダーは、16インチホイールを履いたモデルになると、なんと最小回転半径は5.5mにもなる。この5.5mという数値は、ミニバン と同じだ。コンパクトワゴンなのに、ミニバンと同じ最小回転半径では、使い勝手が良いとは言えない。シャトルハイブリッドも16インチホイールだと4.9mから5.2mになるが、まぁ、なんとか許容範囲といえるだろう。

 そして、両車とも物足りないのが安全装備。自動ブレーキ系は、両車とも歩行者検知式の自動ブレーキではない。歩行者検知式の自動ブレーキではないが、カローラフィールダーのトヨタ セーフティセンスCの方が、シャトルハイブリッドの自動ブレーキより性能的には勝っている。

 ホンダは、コンパクトSUV のヴェゼルにいち早く歩行者検知式の自動ブレーキ「ホンダ センシング」をほぼ標準装備化した。これは誇れるべきこと。しかし、シャトルは未だ簡易型の自動ブレーキのみの設定。ホンダの安全思想には「セーフティ フォー エブリワン」という立派なものがある。しかし、今のところこの安全思想とはかけ離れているのがシャトルということになる。早急な安全装備の改良に期待したい。

 ただ、シャトルハイブリッドのエントリグレードには、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグが標準装備されていない。中間グレードであるハイブリッドXとハイブリッドZになると、あんしんパッケージが標準装備されているので、サイドエアバッグ&カーテンエアバッグが標準装備されている。カローラフィールダーには、全車サイドエアバッグ&カーテンエアバッグが標準装備化されている違いがある。

■ホンダ シャトル価格

■ホンダ シャトル価格
・HYBRID FF 1,995,000円/4WD 2,189,400円
・HYBRID X FF 2,195,000円/4WD 2,389,400円
・HYBRID Z FF 2,395,000円/4WD 2,557,000円
・G FF 1,695,000円/4WD 1,889,400円

■ホンダ シャトル主な変更点

ホンダ シャトル主な変更点

○エクステリア・インテリアの質感を向上
<全グレード共通>
・インテリアライト(フロントマップランプ、ルームランプ、ラゲッジルームランプ)のLED化
<HYBRID X>
・フォグライト
・ステンレス製スポーツペダル
・ETC車載器(音声タイプ)
<HYBRID Z>
・本革巻ステアリングホイール(スムースレザー)
・ステンレス製スポーツペダル
・ETC車載器(音声タイプ)
・トノカバー
○新ボディーカラーの採用
・プレミアムクリスタルレッド・メタリック
・ルーセブラック・メタリック
・ルナシルバー・メタリック

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(レポート:CORISM編集部

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