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【シトロエン】2016/07/22

弱点が無くなり、より熟成が進むシトロエンC4

シトロエンC4 FEEL BlueHDi
 シトロエン はCセグメントのコンパクトカー 「C4」 に、最新のクリーンディーゼルエンジン 「BlueHDi」を搭載した「C4 FEEL BlueHDi」を新設定し発売を開始した。

 シトロエンC4は、2011年にフルモデルチェンジされた。すでに、モデル後期に入っている。現行はシトロエンC4は、先代のC4と比べると随分とコンサバになった。コンサバといっても十分個性的なのだが、先代C4は丸みを帯びたボディラインをもち、非常にオリジナリティの高いデザインだった。オリジナリティが高すぎることもあり、明確に好き嫌いが出るデザインともいえる。ただ、ビジネス的には、あまり好き嫌いが明確に出過ぎると、あまり好ましいといえなくなるのも事実だ。とくに、C4の属するCセグメントは量販車種なため、販売台数は非常に重要。そんなこともあり、現行C4はややコンサバ化され、より多くの顧客に受け入れられやすいデザインになった。

 デビュー当時のC4は、ミッションが弱点となった。このクラスでもATが多段化が進んでいたが、4速ATしかなかった。また、6速ミッションも用意されていたが、ややクセがあり日本では受け入れられにくいシングルクラッチのロボタイズATとなる6速EGSしかなかった。

 ややミッションが足を引っ張る形になっていたが、2015年の改良で「PureTech(ピュアテック)1.2Lターボエンジン」と、新世代の6速ATである「EAT6」を搭載。日本の顧客を十分に満足させる仕様となった。燃費性能も約20%向上させている。同時に、LEDランプを内蔵したヘッドライトやリヤランプには3Dの視覚効果を持つ独特のデザインが採用された。こうしたデザイン変更が行われたことで、より精悍なスタイルへと進化した。

シトロエンC4 FEEL BlueHDi

Cセグメントのクリーンディーゼル輸入車で最安値279万円! ランニングコストは大幅減確実!

シトロエンC4 FEEL BlueHDi
 シトロエンC4は、デザインやパワーユニットなど、ライバル車に対して大きく劣ることはないものの、販売台数はそれほど伸びない。それは、販売店の数の少なさや、C4の認知不足によるものだ。今、売れていないという状況だが、逆に考えればいくらでも伸び代があるということにもなる。

 そんなシトロエンC4が、イッキにジャンプアップしそうなモデルが、クリーンディーゼルエンジンを搭載した「C4 FEEL BlueHDi」ということになる。 クリーンディーゼルエンジンがもつ大トルクと、優れた低燃費性能は当然として、注目したいのは価格。なんと、2,790,000円! ガソリン車のC4 FEELに対して、20万円高という設定だ。ガソリンの直接のライバルとなるフォルクスワーゲン ゴルフ はガソリン車のみの設定。それに対して、C4にはクリーンディーゼルエンジンが搭載され、価格もこのクラスのクリーンディーゼル車の中で、最安値! ゴルフのエントリグレードであるコンフォートラインが約250万円。価格差は約29万円だ。

 随分、価格差があるように感じるかもしれないが、C4はエコカー減税100%対応。免税によるやや価格差は縮まる。そして、大きな差となるのがランニングコスト。ゴルフは、燃料にハイオクガソリンを使用するが、C4 FEEL BlueHDiは軽油を使用する。ハイオクと軽油の価格差は30円/L程度。チョイ乗りだけの人には、価格アップ分を回収するのは難しいが、そこそこ長距離を走ることがある人には、十分にメリットが出てくるだろう。

 ガソリンのC4 FEELと比べると、価格差は20万円なので、あっという間に元が取れるだろう。

 もちろん、いずれゴルフにもクリーンディーゼル車が投入されるだろう。その時、ゴルフがどんな価格設定となるのかで、C4 FEEL BlueHDiの価値が大きく変わるが、今のところ最もリーズナブルなクリーンディーゼル車といえる。

 ただ、C4 FEEL BlueHDiも輸入車の中では最安値となったものの、マツダ アクセラ の1.5Lディーゼル車と比べるとやや高めの価格設定となる。シトロエン も今後の販売台数増を狙うのであれば、やはり国産ユーザーからの顧客を奪いたいところ。そうなると、まだまだ価格高めとなってしまう。

シトロエンC4 FEEL BlueHDi
シトロエンC4 FEEL BlueHDi
シトロエンC4 FEEL BlueHDi

やや物足りない部分もあるものの、輸入車のクリーンディーゼルがより身近になった

シトロエンC4 FEEL BlueHDi
 さて、シトロエンC4に搭載される1.6Lクリーンディーゼルエンジンは、120ps&300Nmの誇る。300Nmの最大トルクは、自然吸気エンジンのV6 3.0L並み。車重は1,380㎏なので、十分すぎるというか、かなり力強い走りが楽しめるだろう。

 最大トルクの発生回転数は1,750rpm。最大出力の発生回転数は3,500rpmとなっている。これは、デミオ のクリーンディーゼルエンジンと比べると、最大トルクの発生回転数はやや高く、最高出力の発生回転数はやや低いといったところ。エンジンスペック的には、パワー&トルクの美味しいところが、やや狭い印象もあるが、実際にどんなフィーリングに仕上がっているのか楽しみだ。

 燃費性能は20.2㎞/Lとなった。この燃費値はそれほど優れた燃費値ではない。このあたりも、実燃費ではどんな数値になるのかも注目だ。また、ガソリンタンクの容量は60L。燃費値の単純計算では、1,200㎞もの航続距離を誇ることになる。これは、給油する回数が大幅に減ることを意味しており、時間の節約にもなる。

 このBlueHDiは、クリーンな排気ガスにするためAdBlueが使われている。AdBlueは尿素水溶液で、NOx(窒素酸化物)を90%削減する。AdBlueは、トランクルーム下にタンクがあり、1年または10,000kmを目安に、販売店での点検・補給を推奨している。

 マツダやBMWのように尿素を使うAdBlue使わないクリーンディーゼルエンジンもあるが、メルセデス・ベンツなどはAdBlueを使う。どちらが優れているとは言えない状況で、今のところ一長一短といったところだ。

 シトロエンC4 FEEL BlueHDiの装備は、C4 FEELとほぼ同じ。自動ブレーキ関連の安全装備が無いのは少々物足りないところだが、サイド&カーテンエアバッグなどは標準装備化されているので一定のレベルには達している。その他、クルーズコントロールやスマートキー、バックソナー、オートワイパーなどなど装備類は充実しているので、後はオプションでナビを選択する程度だ。

 シトロエンC4 FEEL BlueHDi価格は、このクラス最安値となる279万円。シトロエンファンだけでなく、ゴルフなどのドイツ車に乗るオーナーや、国産車オーナーで人とは違う個性のあるクルマに乗りたいと考える人にお勧めの1台。シトロエン独特の世界観やフィーリングは、試乗してみないと分からないので、1度は乗ってみることをお勧めしたい。

CITROËN BlueHDi CLEAN DIESEL TECHNOLOGY動画

シトロエンC4 FEEL BlueHDi価格、燃費、スペックなど

■シトロエンC4 FEEL BlueHDi価格:2,790,000円

■シトロエンC4 FEEL BlueHDiスペック
全長 mm 4,330 全幅 mm 1,790 全高 mm 1,490
ホイールベース mm 2,610
車両重量 kg  1,380
エンジン 型式 BH01
種類 ターボチャージャー付き直列4気筒SOHC
総排気量 cc 1,560
最高出力 kw/rpm 88 (120ps) / 3,500
最大トルク Nm/rpm 300 / 1,750
燃料およびタンク容量 ㍑ 軽油・60
燃料消費率 km/L 20.2
ミッション 6速AT
サスペンション 前 マクファーソン・ストラット式 後 トーションビーム式
タイヤ 前後 205/55 R16

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(レポート:CORISM編集部

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