フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE新車情報・購入ガイド 電動化へイッキに加速するフォルクスワーゲンの第2弾PHEVは、クラストップとなるEV航続可能距離51.7㎞/Lを達成! [CORISM]

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【VW】2016/06/13

ライバルを圧倒する高い実用性も備えているパサート

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
 フォルクスワーゲンは、上級セダン/ワゴンのパサートにプラグインハイブリッド(PHEV)である新型パサートGTEの発売を開始した。

 パサートGTEのベースとなっているガソリン車のパサートは2015年にデビューしている。現行のパサートは、8世代目となっており、フォルクスワーゲングループの新しいモジュラー戦略「MQB」に基づいて開発された。搭載されたエンジンは1.4LのTSIのみで、150ps&250Nmを発揮する。パサートのライバル車は、メルセデス・ベンツCクラスやBMW3シリーズ。ライバルは、主に2.0Lターボ車がメインとなることもあり、1.4Lのパサートは20.4㎞/Lという優れた燃費値を誇る。また、このパサートは、歩行者検知式の自動ブレーキなど安全装備面も充実している。

 また、実用性が高いのがパサートの魅力。最近のトレンドは、デザイン重視という傾向があり、Cクラスや3シリーズなどのトランクなどのラゲッジスペースは、あまり広いとはいえない。対してパサートのトランクやラゲッジスペースは、とにかく広大。ひとクラス上のモデル以上のスペースをもつほどだ。

 パサートは、Cクラスや3シリーズをライバルとしながらも、価格はかなりリーズナブルな設定であるのも魅力のひとつだ。エントリグレードとなるトレンドラインは、329万円からというリーズナブルな価格設定となっている。

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE

クラストップレベルのEV走行距離可能距離51.7km! ただし、ガソリン車との差が少ないハイブリッド燃費値21.4㎞/Lは今後の課題

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
 そんなパサートをベースとしPHEV化したのがパサートGTE。セダンだけでなく、ワゴンであるヴァリアントも同時に投入された。パサートGTEは、1.4Lターボとモーターを組み合わせたPHEV。エンジンは1.4LのTSIだが、ガソリン車に比べ6psアップし156ps&250Nmとなっている。このエンジンに、116ps&330Nmのモーターが組み合わされている。このモーターは、エンジンンとミッションの間にあり、6速のDSGにより前輪にパワーを伝える。

 EV走行時には、この6速DSGが変速。モーターだけで、最高130km/hまで走行か可能だ。日本においては、十分な最高速度といえる。

 EV走行用の電力を蓄えるリチウムイオン電池は、トランクに設置されている。そのため、トランクスペースはやや小さくなった。リチウムイオン電池の容量は、9.9kW/h。なかなか大容量なリチウムイオン電池を搭載。この大容量電池のおかけで、パサートGTEは51.7㎞というEV走行距離を誇る。EVの日産リーフと比較すると、約3分の1という電池容量となる。リーフの電池容量は、30kW/hで航続可能距離は280kmだ。

 51.7㎞という航続可能距離は、クルマを毎日のように短距離で使う人には非常にメリットがある。小まめに自宅などで充電できれば、ほぼガソリンを使わない生活が送れるようになる。パサートGTEは、急速充電器に対応していない。しかし、最近ではショッピングモールやゴルフ場など、普通充電器を備えているところが増えている。こうした場所で、上手く充電できれば、ロングドライブでもかなり経済的なドライブが可能になる。ただし、輸入車なのでハイオク仕様となるため、国産PHEVと比べるとガソリン代は高めになる。

 パサートGTEは、EV走行用の電力を使い切るとハイブリッドモードへ移行する。エンジンでの走行やモーター走行など、最も効率的な方法で走行する。このハイブリッドモードでの燃費は21.4㎞/Lとなっている。ガソリン車の20.4㎞/Lをわずかに超えているものの、少々微妙な数値。ハイブリッドなのに、ガソリン車の燃費とさほど変わらないのであれば、燃料経済性という点では、あえてPHEVを買う理由が無いからだ。パサートGTEの価格は511.9万円なので、ガソリン車の価格と比べると非常に高価。車両価格差を燃料費差で埋めることは非常に難しい。すでに生産を終了してしまったが、ホンダ アコードPHVはEV航続距離こそ37.6㎞と短いが、ハイブリッドモードでの燃費は29.0㎞/Lを誇っていた。パサートGTEは、ハイブリッドモードでの燃費向上が今後の課題だろう。

 そうしたハイブリッドモードでの少々物足りない燃費を補うために、GTEモードと呼ばれるスポーツモードが用意されている。これは、エンジンとモーターの出力を走行パフォーマンスに振ったモードだ。アクセルレスポンス、ギアのシフトタイミング、ステアリングが自動的にスポーティな特性に切り替わり、同時にエンジンと電気モーターのフルパワーが得られるようになる。その結果、0-100km/h加速7.4秒という、スポーティな走りを可能とした。燃費では国産ハイブリッドに遠く及ばないため、異なる部分でパサートGTEの存在価値をアピールする。

 このGTEモードの他に、パサートGTEにはEVモード、ハイブリッドモードの他、積極的に充電するバッテリーチャージモードが選択できる。

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE

高い先進・安全性を感じるアクティブ インフォ ディスプレイ

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
 パサートGTEの外観デザインは、ガソリン車に対して先進性を感じさせるデザインが加えられている。ブルーを用いたパーツを装着することで、「GTE」シリーズとしての統一感あるデザインとした。さらに、フロント部分では、青いGTEエンブレムとLEDヘッドライトからラジエーターグリルの上部に伸びる水平ラインが大きな特徴。フロントバンパーの左右に埋め込まれたC字型のLEDランプは、パサートGTEであることをひと目で分からせる。

 インテリアは、GTE専用のレザー3 本スポークマルチファンクションステアリングホイールやシフトノブなどにブルーのステッチが入っている。パサートGTEで最も先進性を感じさせる部分が、フォルクスワーゲン初採用となる「アクティブ インフォ ディスプレイ」だ。12.3インチの大型ディスプレイを用い、インタラクティブな機能を備えたフルデジタルのインストルメントパネルだ。

 このアクティブ インフォ ディスプレイは、とても見やすい。1,440×540 ピクセルの高解像度ディスプレイに、2Dもしくは3Dのアニメーションで展開するグラフィックはとても精密かつ詳細。大画面の中に、あらゆる情報を映し出す。ディスプレイの表示は数種類のモードから、ドライバーは好みに合わせて選択することができる。メーター中央に、ナビ画面を表示することができ、視線移動を最小限に抑えており、安全面でも高いレベルにある。フォルクスワーゲングループのアウディA4などにも採用されている技術だ。

 また、スマートフォンを使い充電時間予約や乗車前のエアコン設定などもモバイルオンラインサービス“Volkswagen Car-Net“により可能となっている。また、MirrorLinkがあればスマートフォンのアプリなどが使用可能となっている。こうした機能は、ドンドン多機能になっていく予定だ。

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
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パサートGTEは、戦略的な価格設定5,199,000円から! しかし、ライバルBMW 330eとの価格差はわずか34万円。その違いは?

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
 フォルクスワーゲン パサートGTEの価格は5,199,000円。この価格設定そのものは、フォルクスワーゲン的にはかなり戦略的な価格だ。BMWのガソリン車の320iと比べるとやや高価だが、ディーゼルの320dと比べると同等程度の価格になる。パサートGTEがFF車であるということを除けば、なかなか戦略的な価格設定といえるだろう。

 ただし、BMWも3シリーズにPHEVの330eを投入している。この330eの価格は5,540,000円。若干装備差があるとはいえ、FRで2.0Lターボ、8速ATの330eとの価格差が34万円。この差は、かなり微妙。絶対的なパワーや走行パフォーマンスは330eが上回るが、ハイブリッドモード燃費やEV航続可能距離ではパサートGTEが上回る。ザックリといえば、より経済性・実用性重視ならパサートGTE。走行パフォーマンス重視なら330eということになる。こうした違いは、好みによるので、実際に試乗してみてから選ぶといいだろう。
 
 パサートGTEには、セダン&ヴァリアントとも2グレードが用意されている。標準モデルに対し、アドバンスグレードが用意されていて価格差はどちらも60万円となっている。アドバンスに追加される装備は、デジタルメータークラスター“Active Info Display“、ヘッドアップディスプレイ、アラウンドビューカメラ“Area View”、駐車支援システム“Park Assist”、ドライビングプロファイル機能、上質なナパレザーを用いたパワーシート(シートヒーター付き:運転席/助手席)、アダプティブシャシーコントロール“DCC“、235/45R18インチタイヤ&アルミホイールなど。価格相応の装備といえる。

 お勧めは、やはりアドバンスだ。なんといっても、デジタルメータークラスター“Active Info Display“は先進性を感じさせる部分で満足度も高い。標準車もこのメーターを標準装備化し、ガソリン車との差別化を図ったほうが良いように感じるほど。せめて、単品でオプション設定してほしいところだ。今のところ、この装備はアドバンスでしか得られないので、アドバンスを選ぶしかない。

 フォルクスワーゲン パサートGTEは、108,000円のクリーンエネルギー自動車等導入促進対策費の適用がされる。こうした補助金と値引きを上手く活用したいところだ。パサートGTEの値引きには、やはりBMW 330eと競合させるのが効果的。あくまで330eが本命であることを告げ、先に330eの見積りを取っておくことが重要だ。値引きに関しては、補助金がもらえなくなるとか減額されるとか色々と難色を示す可能性がある。そうした場合、約11万円程度の補助金なら「車両本体からそれ以上値引きしてもらえれば、まったく問題ない」くらいの姿勢で商談すればいい。値引きの根拠として、ガソリン車のパサートのリセールバリューの低さをアピールするといいだろう。パサートGTEは、新しいクルマなので、今後どうなるか不明だが、ガソリン車と同じようになると、短期の乗り換えには不向きだ。リセールバリューがあまり期待できない可能性があることを伝え、値引きで解決してほしいと伝えるのもいい。

 こうしたPHEVの販売では、自宅に充電設備を設置しなくてはならない。そのため、充電設備の設置コストもかかるので、そうしたコストもシッカリと比較してみるといいだろう。

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE

フォルクスワーゲン パサートGTE価格

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
■セダン
・GTE 5,199,000円
・GTEアドバンス 5,799,000円

■ヴァリアント
・GTE 5,399,000円
・GTEアドバンス 5,999,000円

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
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フォルクスワーゲン パサートGTE燃費、スペックなど

フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
■フォルクスワーゲン パサートヴァリアントGTEアドバンス スペック
全長 4,775mm 全幅 1,830mm 全高 1,500mm
ホイールベース 2,790mm
トレッド 前/後1,580/1,560mm
最低地上高 120mm
車両重量 1,770kg
エンジン 直列4気筒 DOHC インタークーラー付ターボ(4バルブ)
総排気量 1,394cc
最高出力 115kW (156PS) / 5,000-6,000rpm
最大トルク 250Nm (25.5kgm) / 1,500-3,500rpm
電動機 定格出力 55kW 最高出力 85kW (116PS) 最大トルク 330Nm (33.6kgm)
駆動用バッテリー リチウムイオン電池
総電圧 352V
総電力量 9.9kWh
タイヤ 235/45 R18
ハイブリッド燃料消費率  21.4km/L
充電電力使用時走行距離  51.7km
価格 5,999,000円
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE
フォルクスワーゲン パサートGTE/パサート ヴァリアントGTE


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(レポート:CORISM編集部

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