メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング試乗記・評価 部分自動運転のレーダーセーフティパッケージに加えPHV化。まさにハイテクの塊となったフラッグシップモデル

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【メルセデスベンツ】2015/07/13

 

 

外観デザインからPHVであることを判別するのは難しいSクラスPHV

メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング

メルセデス・ベンツ は、フラッグシップセダンSクラスプラグインハイブリッド(PHV)車 であるS550プラグインハイブリッドロングを設定した。

高級車やハイパフォーマンスカーをラインナップするメルセデス・ベンツは、排気量が大きくCO2の排出量が多い。CO2の排出量規制が厳しくなる中、環境への配慮を示すために、また各国の燃費規制に対応するためにPHVを設定したといえる。

メルセデス・ベンツSクラスプラグインハイブリッドの外観デザインは、基本的にSクラスのものと変わらない。PHV車に専用の仕様として、18インチの5ツインスポークアルミホイールが採用されたのが標準車とのわずかな相違点だ。

外観では見分けが付かないためかどうか、試乗車にはPHV車であることを示すためにボディサイドで大きな文字でPHVであることが書かれていた。試乗するのがちょっと気恥ずかしくなるような仕様である。

メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング
メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング
メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング
メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング

 

100㎞/hでもEV走行が可能! 4つのモードが用意され用途に合わせてPHVの魅力を最大限に発揮!

メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング

 SクラスPHVのパワートレインは最高出力245kW(333ps)、最大トルク480N・mを発生する新型のV型6気筒3.0Lのブルーダイレクト・ツインターボエンジンに、最高出力85kW(115ps)、最大トルク350N・mを発生する高出力の電気モーター組み合わせている。

PHVのシステム出力としては、325kW(442ps)/650N・mというV型8気筒4.0Lエンジンに匹敵するパワーを実現している。だからこそ、グレード名もS550プラグインハイブリッドロングとされているのだ。

SクラスPHVの走行モードは、4種類が設定されていて、基本となるハイブリッドのほか、極力モーターのみで走行するEモード、バッテリーの充電レベルを維持するEセーブ、回生ブレーキなどにより充電を最大化するチャージの4つの走行モードが、ドライバーの走行スタイルや走行条件に応じてに選択可能だ。

このハイブリッドシステムは、メルセデス・ベンツ独自の技術によるPHVで、30km程度を走行できるだけの量のリチウムイオン電池を搭載し、時速100kmでのクルージングもモーターだけで走るEV 走行が可能という余裕の動力性能を備えている。

高速道路での合流で加速するときなどには、エンジンとモーターの両方を使って走ることになるが、合流して流れに乗った後は、EV走行のままでクルージングできる。とても静かで、滑らかな走りだ。

搭載されるリチウムイオンバッテリーの充電時間は、フル充電まで約4時間(AC200V電源使用時)で、充電完了時間はマルチファンクションディスプレイで設定可能。また、回生ブレーキなどによって走行中も充電が行われる。基本的に、夜自宅で充電して昼間に使うというパターンだが、それで十分である。

一般的なユーザーの1日の走行距離は30km以下というのが普通。そうした使い方なら、S550プラグインハイブリッドは、ほとんどの走行を電気だけで走行することも可能である。ガソリンスタンドに行くのは、長距離を走ったときだけ、なんてことになるかも知れない。

この大容量リチウムイオン電池を搭載しながら、365Lのトランク容量を確保している点も見逃せない。ただし、トランク内には電池の搭載による段差がある。ガソリン車のS550ロングは500Lなので、容量が小さくなるのは止むを得ない。

メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング
メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング
メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング

 

価格はガソリン車のS550ロングと同じ設定! ハイブリッド好きの日本マーケットにはPHVをプッシュする戦略的な価格設定に注目!

メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング

 安全装備のレーダーセーフティパッケージは、もちろん標準で装備されている。クルマの周囲360度を見渡すセンサー備え、部分的な自動運転ともいえるような仕様まで設定されている。インテリジェントアクセルペダルなどがあり、低燃費でスムーズかつ安全な運転を実現する。

自動ブレーキを中心にした先進安全装備は、当初は日本のメーカーが開発を始めたものなのだが、日本のメーカーが手を抜いているうちに、今ではメルセデス・ベンツが最先端を行くようになっている。日本人としては少しばかり悔しい気持ちにさせられる。

S500プラグインハイブリッドロングには、ガソリン車のS550ロングと同じ16,220,000円という価格が設定されている。高級車のSクラスを買うことの理由にPHVであることを挙げて選択するユーザーもいると見られるので、予想する以上に好調な売れ行きを示す可能性がある。

メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング
メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング
メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング

 

 

 

メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング価格

メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング...
■メルセデス・ベンツS 550 PLUG-IN HYBRID long価格:16,220,000円

 

 

メルセデス・ベンツS 550 プラグインハイブリッド ロング燃費、スペックなど

定員[人]5人

代表グレード メルセデス・ベンツS 550 PLUG-IN HYBRID long
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 5,250×1,900×1,495mm
ホイールベース[mm] 3,165mm
車両重量[kg] 2,330kg
総排気量[cc] 2,996cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 245(333)/5,250〜6,000rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 480(48.9)/1,600〜4,000rpm
モーター最高出力[kw(ps)] 85(115)
モーター最大トルク[N・m(kg-m)] 350(35.7)
ミッション 7速AT
JC08モード燃費[km/l] 13.4km/l
価格 16,220,000円
レポート 松下 宏
写真 編集部

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(レポート:CORISM編集部

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