ジャガー Fタイプクーペ(F-TYPE COUPE)試乗記・評価 獰猛な爆音マシン!

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【ジャガー】2014/12/03

 

 

とにかく大きなボディサイズだが、スポーツカーらしいデザインは、誰もが魅了されるはず

ジャガー FタイプRクーペ(F-TYPE COUPE)

ジャガー の本格的なスポーツモデルであるジャガーFタイプは、2013年に先にコンバーチブル が登場し、2014年になってクーペが登場した。常識的に考えたら、クーペが先に発売され、後からコンバーチブルを投入するのが普通だが、ジャガーFタイプでは異なるアプローチがとられた。

これは、ジャガーFタイプのメインマーケットがアメリカで、それも温暖な気候の西海岸のカリフォルニアでの販売台数が多いことから、そこで良く売れるコンバーチブルのほうが優先されたようだ。

改めてジャガーFタイプを見ると、いかにもスポーツカーらしくてカッコ良いクルマだと思う。デザインについては個人的な好みで好き嫌いが大きく左右されるが、これくらいに素直にスポーツカーとして仕上げられたクルマは、誰がみてもカッコ良いと思うのではないだろうか。

とくに、斜め後方から見たときのU字型のウインドーが設けられたリヤビューは、コンバーチブルにはないカッコ良さが表現されている。リヤのハッチゲートの後端の部分は、車速に応じて立ち上がるスポイラーとなっている。

ジャガーFタイプのボディは、とても大きい。カタログ上の全幅は1925mmに達していて、しかもドアミラーを展開した状態では2042mmになるという。この広い全幅と大きなドアによって狭い駐車場では乗り降りするのが大変。自宅に広い駐車場があり、狭い駐車場しかないような施設は利用しない人が乗るクルマだと割り切って考えるしかない。

ジャガー FタイプRクーペ(F-TYPE COUPE)
ジャガー FタイプRクーペ(F-TYPE COUPE)
ジャガー FタイプRクーペ(F-TYPE COUPE)
ジャガー FタイプRクーペ(F-TYPE COUPE)

 

550ps、680Nm! 問答無用の出力をもつFタイプ R! その迫力のサウンドは「直管」並み!?

ジャガー FタイプRクーペ(F-TYPE COUPE)

 そんな大きなボディをもつジャガーFタイプで、最初に試乗したのがV型8気筒5.0Lのスーパーチャージャー仕様エンジンを搭載するFタイプ Rだ。コンバーチブルにはないクーペ専用エンジンである。

FタイプRで2名乗車の室内空間は、いかにもタイトなコクピット感覚だ。シートの後ろに少しばかりのスペースはあるが、基本的には手荷物を置く程度である。このあたりも本格的なスポーツカーなのだからと、割り切って考えるしかないのだろう。逆にハッチを開いたときのトランクは意外なくらいにたっぷりした容量が確保されている。

低い位置に設定された運転席に座わり、シートベルトを締めてセンターコンソールに設けられたスタートボタンを押すと、ブォンと軽く空吹かしが入る。けっこう大きな音で、さあ走ろうという気持ちにさせるサウンドである。

ジャガーFタイプ Rの走りは、豪快そのものだ。今回の試乗コースは、福島県の山の中で、信号などはほとんどなく、また道幅も比較的広い道路が選ばれていたので、そんなシチュエーションの中では、とても気持ち良く走らせることかできた。

405kW(550ps)/680N・mの動力性能は、Fタイプのボディに対して余裕十分というか、あり余る余裕を持っている。Fタイプ RはV型8気筒エンジンを搭載することもあって、オールアルミ製のボディの割には重量が重く、車両重量は1810kgに達しているが、そんな重さは全く関係ないと言わんばかりの豪快な加速を見せる。

速さが相当なものというより、アクセルを踏み込んだときの後ろから押されるような加速感が凄い。なかなか味わうことのできない動力性能と加速感である。

4輪 ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用した足回りはけっこう硬めで、スポーツカーらしい乗り味を感じさせるが、その割にコーナーでは一定程度にロールしてしなやかに曲がっていく感じがある。このあたりの味付けも、なかなか見事なものだ。

それ以上に印象的だったのは、排気音だ。普通に走らせていても物凄い爆音を聞かせるので、これが理由で山の中の試乗コースを選んだのかと思ったほどだ。しかも、Fタイプ Rではコンソールに設けられたスイッチを押すと、さらに大きな爆音を響かせる。その昔に流行った“直管”という言葉を思い出させるほどの大爆音である。

ジャガー FタイプRクーペ(F-TYPE COUPE)
ジャガー FタイプRクーペ(F-TYPE COUPE)
ジャガー FタイプRクーペ(F-TYPE COUPE)

 

 

シャシーとエンジンのバランスが抜群のFタイプクーペ。価格も意外とお買い得!

ジャガーFタイプSクーペ

 もう1台のFタイプ Sも相当な実力だ。V型6気筒3.0Lエンジンにスーパーチャージャーを装着し、動力性能は280kW(380ps)/460N・mを発生する。しかも、最大トルクを3500回転から5000回転という幅広い回転数域で発生する。Fタイプ Rには及ばないものの、一般道を走る範囲ではこちらも十分な動力性能といっていい。

Fタイプ Rにも共通する話だが、クーペはクローズドボディとなるためボディの剛性感がコンバーチブルを上回っている。オープンエアの爽快感はなくなるが、それと引き換えにしっかりしたボディに包まれる安心感が得られるのがクーペの良いところだ。

このボディの剛性感は、俊敏なシャシーにもつながるもので、両方がうまく重なり合って気持ちの良い走りのスポーツカーを具現化している。

交通量が多い日本では、コンバーチブルの爽快感を味わえるシーンがそう多くはない。そのことを考えると、一般的にはクーペのほうがより魅力的といえるのではないだろうか。

また、ジャガーFタイプクーペには比較的割安な価格が設定されている。ポルシェ などの競合車を意識して、それよりも安い価格が設定されているからだ。超高級スポーツカーながら、この価格帯の競合車との比較では、意外にお買い得なクルマでもある。

ジャガーFタイプSクーペ
ジャガーFタイプSクーペ
ジャガーFタイプSクーペ

ジャガーFタイプ クーペ価格、燃費、スペックなど

ジャガーFタイプSクーペ

■ジャガーF-TYPE クーペ価格
・F-TYPE COUPÉ AUTOMATIC ¥8,590,000
・F-TYPE S COUPÉ MANUAL ¥10,390,000
・F-TYPE S COUPÉ AUTOMATIC ¥10,880,000
・F-TYPE R COUPÉ ¥13,270,000
・F-TYPE R AWD COUPÉ ¥13,970,000

代表グレード ジャガーFタイプRクーペ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,470×1,923×1,315mm
ホイールベース[mm] 2,620mm
トレッド前/後[mm] 1,600/1,650mm
車両重量[kg] 1,810kg
総排気量[cc] 4,999cc
エンジン最高出力[kw(ps)/rpm] 405(550)/6,500
エンジン最大トルク[N・m/rpm] 680/3,500
ミッション 8速AT
0-100km/h加速 4.2秒
最高速度 300㎞/h
JC08モード燃費 8.1㎞/L
定員[人] 2人
税込価格[円] 13,270,000
レポート 松下 宏
写真 編集部
ジャガーFタイプSクーペ
ジャガーFタイプSクーペ
ジャガーFタイプSクーペ

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(レポート:松下 宏

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