スズキ ワゴンR新車試乗評価 クラストップの低燃費に、最先端の安全装備レーダーブレーキサポートで死角なし!

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【スズキ】2013/08/17

 

 

燃費戦争激化、ワゴンR1年足らずでマイナーチェンジ

スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー

 スズキ ワゴンRは、昨年9月にフルモデルチェンジを受けたばかりだが、1年足らずの間にマイナーチェンジを実施し、燃費向上と安全装備の充実化を図ってきた。

現行のスズキ ワゴンRは、登場した時点で大幅に燃費を向上させ、軽自動車ハイトワゴンとしてトップの28.8km/Lを達成していた。ところが昨年12月にはムーヴが29.0km/Lをマークし、さらに今年になって6月にデイズ/ekワゴンが29.2km/Lに燃費を伸ばしていた。

そんな激しい燃費競争の中で、今回のスズキ ワゴンRは、30.0km/Lを達成した。0.2km/L刻みではなくやや大きく燃費を伸ばしたわけだ。

このためデイズ/ekワゴンは、登場時点でハイトワゴンの燃費トップをうたったものの、わずか1カ月ほどの天下に終わった。

こうした燃費競争は決して悪いことではないが、競争はとかく行き過ぎになりがちなので注意が必要。カタログ燃費の数字にこだわるあまりに実用燃費の良くないクルマになってしまったり、操縦安定性を犠牲にして燃費を追求するクルマが出たりするからだ。

なので、自動車メーカー各社には、燃費だけでなく総合的に良いクルマを作るような努力をして欲しいと思う。

スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー
スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー
スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー
スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー

 

 

 

 

 

軽快な出足の良さと、長時間のアイドリングストップを可能としたエコクールに高評価

スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー

 そんな状況の中でマイナーチェンジを受けたスズキ ワゴンRだが、登場時点では間に合わなかった改良を、今回のモデルに反映させることで燃費を向上させてきた。タイミングチェーンの幅を細くしたり、エンジンとCVTの制御をさらに緻密なものにし、エンジンアンダーカバーの追加によって空力特性を向上させるなどの改良が行われた。

これらは、先に登場したスペーシアにも採用されたもので、それが今回のワゴンRに反映されたわけだ。

なので、ワゴンRでは走りをスポイルすることなく、燃費の向上が図られたと見ていい。最近の低燃費車ではタイヤの空気圧を極端に高める例も目立つが、試乗したワゴンRはブリヂストンのエコピアを履いていて、空気圧は前後とも240kPaで普通のタイヤと変わらないものだった。

今回の試乗でも、タイヤの空気圧が乗り心地に悪影響を与えたり、ウェットグリップに不安を感じさせるようなことはなかった。

試乗はタウンモードでの走りだけだったが、ボディの軽さを生かした出足の良さは相変わらずといった感じだし、交通の流れの中でメーターがグリーンになる燃費の良い状態を維持して走るのも容易だった。

強いていえば、クルージング状態からラフにアクセルを踏み込んだとき、やや反応の鈍さを感じた。これはエンジンとCVTの制御が徹底して燃費志向のものとされ、ラフな操作をキャンセルするようにしているためだろう。それは、燃費を高めるために良いことだ。

この他、ワゴンRにはスズキのグリーンテクノロジーが引き続き採用されている。夏場のドライブでは特に、アイドリングストップの入りやすさと、エコクールによる停止時間の長期化が図られていることに好感が持てた。

スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー
スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー
スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー

 

バーゲンプライスのレーダーブレーキサポートは、必ず装着したい装備

スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー

 今回の新型ワゴンRの改良では、もうひとつ注目されるポイントがある。衝突回避・低減ブレーキのレーダーブレーキサポートが設定されたことだ。これはレーザーレーダーで前方を監視し、車両などの障害物を検知して低速時に衝突を回避したり、被害を低減させるものだ。

ムーヴと同じで比較的シンプルな方式を採用しているため、近距離しか見ることができず、ドライバーが対応できなかった場合に停止できるのは時速15km程度まで、また作動するのは時速30km程度までとされていて、それを超える速度になると作動しない。

また、レーザーレーダーだけでカメラを採用していないため、人間を見分けることができず、見分けられるのは主にクルマということになる。他には、前方に障害物があるのにアクセルを踏み込んだとき、一定時間キャンセルする誤発進防止機構も備えている。

シンプルなシステムである分だけ価格も安くなっていて、4万2000円でオプション設定(FXはシートリフターなどもセットで5万400円)されている。これは横滑り防止装置のESPも含めた価格だから、かなりのバーゲンプライスと考えていい。ワゴンRを購入するときには必ず装着したい装備だ。

スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー
スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー
スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー

 

 

 

 

スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー 価格

スズキ ワゴンR/ワゴンRスティングレー

レーダー部分はルームミラー裏に装着される

■ワゴンR価格

FX 2WD 5MT 1,099,350円
4WD 5MT 1,216,950円
2WD CVT 1,109,850円
4WD CVT 1,227,450円
FXリミテッド 2WD CVT 1,249,500円
4WD CVT 1,367,100円
特別仕様車20周年記念車 2WD CVT 1,344,000円
4WD CVT 1,458,450円

■ワゴンRスティングレー

X 2WD CVT 1,344,000円
4WD CVT 1,461,600円
T 2WD CVT 1,496,250円
4WD CVT 1,613,850円

代表グレード スズキ ワゴンR FXリミテッド レーダーブレーキサポート装着車
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 3,395×1,475×1,640mm
ホイールベース[mm] 2,425mm
トレッド前/後[mm] 1,295/1,290
車両重量[kg] 790kg
総排気量[cc] 658cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 52PS(38Kw)/6000rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 63(6.4/4,000rpm
ミッション 副変速機付きCVT
タイヤサイズ 155/65R14
JC08モード燃費 30.0km/L
定員[人] 4人
税込価格[円] 1,291,500円
発売日 2013/7/16
レポート 松下 宏
写真 編集部

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