ランドローバー レンジローバー新車試乗評価 脱ドイツ車ならコレ! 五感に訴える真の高級を教えてくれる本格派SUV。

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【ランドローバー】2013/06/24

 

 

贅を尽くした豪華さと、上方から周囲を見渡せる見晴らしはセダンでは味わえない圧倒的な優越感

ランドローバー レンジローバー

 オフロードの高級車としての地位を確立したレンジローバーは、今回のモデルチェンジで4世代目となった。エクステリアは先代のイメージを残し、どこから見てもレンジローバーだと認識出来る。それでいてLEDを配したヘッドライトやモダンなフロントグリルが新鮮な印象を胸に刻みつける。

全長5005mm、全幅1995mm、全高1865mmの堂々としたサイズで、先代モデルより長く、広く、そして低くなっている。巨大なアウディQ7に極めて近いサイズとなったが、軽量なオールアルミニウム製モノコックボディ構造を採用しボディシェルのみで39%、180kgの減量をおこなった。軽量化と言っても車両重量は2350kgもあり、燃料消費率5,8km/l(JC08モード)と、燃費競争の世の中とは別次元のクルマである。燃費は悪くても105リッターの燃料タンクを装備して航続距離をしっかり確保しているのは、燃料切れが生命の危険に直結するオフロード育ちだからだろうか。

運転席には「座る」と言うより、「乗り込む」或いは「よじ登る」と言った表現が適切。小柄の女性には少しハードルが高いかもしれないが、一旦座ってしまえば高い着座位置により、遠くまで見渡せ、快適であると同時に巨大なボディでも運転がし易い。雪も降らず、オフロード性能の必要が無い都内で大型SUVをしばしば見かけるのは、アイポイントの高さによる周囲に対する優越感があるからでは無いかと、このレンジローバーのハンドルを握っていて思った。

室内のサイズはたっぷりありながら無用に広くは無いのは好感が持てる。ホイールベースを拡大し後席のレッグルーム、ニールームを拡大し快適性を向上させている。明るくモダンで上品なインテリアである。

ランドローバー レンジローバー
ランドローバー レンジローバー
ランドローバー レンジローバー

 

ランドローバー レンジローバー

ランドローバー レンジローバー
ランドローバー レンジローバー
ランドローバー レンジローバー

 

ほとんど使わないであろう機能も、高級車に必要な贅沢さを表現

ランドローバー レンジローバー

 スタートスイッチを押すとエンジンが始動し、センタコンソールより円筒型のATのローターリーセレクターがせり上がってくる。それを回してDレンジを選択。ブレーキペダルの足を緩めると、大きなボディがするすると動き出す。パドルシフトが付いたハンドルは軽く、またペダル類も節度のあった軽さで女性でも楽に運転が出来る。

エアサスペンションは、275/45R21の大きなホイールを履いていても柔らかく、ドイツのSUVの固い乗り心地と対極にある。市街地での極上の乗り心地も、スピードを上げるに従い浮遊感を感じてくるが、セカセカしながらアクセルを踏むのはレンジローバーには相応しくない。ゆったりした気持ちで、優雅に運転していれば、広い窓を通して流れる周囲の風景と、職人の良い仕事をしたレザー、ウッドそしてメタルの高級インテリアが五感に訴え、真の高級を教えてくれる。

静かで存在を感じないエンジンは5リッター・スパーチャージド・エンジンの最高出力は510PSもあり、その気になればスタートから100km/hまで5.4秒の俊足である。8速ATはシフトショックも少なくDレンジを選択しておけば、必要に応じて欲しいだけのパワーを路面に伝え、パドルシフトの不必要であるが、不必要な装備を備えるのも高級車として必要だ。不必要と言えば、渡河水深限界性能は前モデルの700mmから900mmに向上しているが、それを試す人はいないだろう。

今までのDNAを受け継いだニュー・レンジローバーは、従来の欠点を真面目に取り組み、昇華した正常進化モデルである。前モデルのオーナーならニューモデルの良さを理解出来るだろうし、ドイツ車の質実剛健に飽きたSUVオーナーにも一度体験して欲しいモデルである。

ランドローバー レンジローバー
ランドローバー レンジローバー
ランドローバー レンジローバー

 

ランドローバー レンジローバー
ランドローバー レンジローバー
ランドローバー レンジローバー

 

レンジローバー 価格 燃費 スペック等

ランドローバー レンジローバー

■レンジローバー
・5.0 V8 VOGUE (ヴォーグ) 12,300,000 円
・5.0 V8 SUPERCHARGED VOGUE (スーパーチャージド ヴォーグ) 14,900,000 円
・Autobiography (オートバイオグラフィー) 16,700,000 円

 

 

 

 

 

代表グレード レンジローバー5.0 V8 SUPERCHARGED VOGUE (スーパーチャージド ヴォーグ)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 5,005×1,985×1,865mm
ホイールベース[mm] 2,920mm
トレッド前/後[mm] 1,690/1,685mm
車両重量[kg] 2,520kg
総排気量[cc] 4,999cc
エンジン最高出力[kW(PS)/rpm] 375(510)/ 6,500rpm
エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm] 625(63.8)/2,500rpm
ミッション 8速AT
タイヤサイズ 275/45R21
JC08モード燃費 5.3km/L
定員[人] 5人
税込価格[円] 14,900,000円
発売日 2013/3/2
レポート 丸山和敏
写真 編集部

価格.com 自動車保険

 

【関連記事】

(レポート:丸山 和敏

【オススメ記事】

【関連記事】

【オススメ記事】