【動画あり】メルセデス・ベンツ Eクラス新車情報・購入ガイド 2,000箇所にも及ぶ変更を施したビッグマイナーチェンジ [CORISM]

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【メルセデスベンツ】2013/05/16

よりワイルドに精悍さがアップしたスタイリングに変身

メルセデス・ベンツ Eクラス
 メルセデス・ベンツは、メルセデスの顔とも言える中核モデル「メルセデス・ベンツ Eクラス(セダン/ステーションワゴン)」をビッグマイナーチェンジし発売を開始した。

 メルセデス・ベンツEクラスは、世界で累計1,200万台以上の販売台数を誇るメルセデス・ベンツを代表するモデル。現行モデルは、2009年にデビューして4年が経過したタイミングでの大幅マイナーチェンジとなる。今回のマイナーチェンジでは、パワートレインや安全装備など計2,000箇所以上におよぶ変更を行い、あらゆる面で劇的な進化を遂げている。主に、全世界的な低燃費化志向に合わせた改良と、予防安全装備のバージョンアップが行われている。

 デザインでは、ボンネット先端上部にあったメルセデス・ベンツのスリーポインテッドスターが、E250を除き、大型のグリルの中に設置された。さらに、Eクラスの特徴でもある4灯ヘッドライトも、最新のデザイントレンドを用いLEDハイパフォーマンスヘッドライトとなった。元々キレのあるシャープな顔だったメルセデス・ベンツEクラスだが、さらにアクが強くなり精悍で存在感のあるフェイスとなっている。

 リアビューでは、基本的にキープコンセプトで、あまり大きなデザインの変更は施されていない。水平基調のスポーティなリアバンパーと2本のキャラクターライン、洗練された新デザインのLEDリアコンビネーションランプにより、フロントフェイスと同様に精悍さがアップした。

 また、Eクラスには走りを磨いたモデルであるAMGが存在する。高所得者層が好むAMGのラインアップをさらに強化。今まで設定が無かった4MATICが用意され、0-100km/h加速3.6秒を誇る世界最速セダン「E63 AMG S 4MATIC」が登場した。これは、ただ単にトラクションの優れたスポーツAWD機能というだけでなく、降雪地域の富裕層に対してもリーチできるようになった。

 新型メルセデス・ベンツEクラスの価格は、大幅な変更をしながらも、従来モデルから価格据え置きとなった。円高時には、随分利益が出たとはいえ、現在の円安傾向では勇気のいる決断だ。ただ、最近の輸入車が好調な要因のひとつとして、低価格化がある。エントリーモデルであるAクラス、Bクラスが300万円を切っている以上、Eクラスとはいえ、あまり価格をアップするとモデル毎の価格差が広がりすぎる恐れもあり、メルセデス・ベンツブランド内で上級車へのスムースなステップアップが難しくなる恐れもあるのだろう。E250のエントリーグレードの価格は、595万円と600万円を切っている。この価格は、レクサスGS350が580万円なので、国産車との価格差も少なくなってきている。

メルセデス・ベンツ Eクラス
メルセデス・ベンツ Eクラス
メルセデス・ベンツ Eクラス

メルセデス・ベンツ Eクラス

大きく進化したパワーユニット。620Nmもの大トルクを発揮するクリーンディーゼルエンジンに注目!

 今回のメルセデス・ベンツEクラスのビッグマイナーチェンジでは、より低燃費化された新型パワーユニットが注目するポイントなる。

<新開発2.0リッター直列4気筒BlueDIRECTターボエンジン>
 E250系に搭載されるのは、新開発2.0リッター直列4気筒BlueDIRECTターボエンジン。このエンジンは、世界初の成層燃焼リーンバーン+ターボチャージャー、排ガス再循環装置(EGR)の組み合わせを実現した。最新燃焼制御テクノロジーに加え、アイドリングストップ機能も当然採用。その結果、従来モデルに比べパフォーマンスと燃費をいずれも向上している。最高出力211PS/155kW(従来モデル比+7PS/+5kW)、最大トルク350Nm(従来モデル比+40Nm)、燃費は15.5km/L(JC08モード)と従来モデルに比べ約23%向上も向上している。この低燃費エンジンの効果で、新エコカー減税(重量税、取得税 免税)および自動車グリーン税制優遇措置(翌年度自動車税50%減税)の優遇となっている。この350Nmというトルクは、ガソリン自然吸気エンジンに換算すると3.5リッター並。十分なトルクを有するエンジンだ。

<新型3.0リッター V型6気筒BlueTECエンジン>
 E350 BlueTEC系には新型3.0リッターV型6気筒BlueTECエンジンが搭載された。最高出力252PS/185kW(従来モデル比+41PS/+30kW)、最大トルク620Nm(従来モデル比+80Nm)と大幅にパフォーマンスを向上。アイドリングストップ機能追加し、エンジンマネジメントの最適化により、燃費経済性も改善した最先端のクリーンディーゼルエンジンとなっている。この最大トルクは、ガソリン自然吸気エンジンに換算すると6.0リッター級。E63 AMGが720Nmなので、わずか100Nmという差しかないほどだ。(数値は全て欧州参考値)

<新開発3.5リッターV型6気筒BlueDIRECTハイブリッドシステム>
 E400 HYBRID アバンギャルドに搭載されるハイブリッドシステムは、最新世代3.5リッターV型6気筒BlueDIRECTエンジンと高性能電気モーターを組み合わせ、最高出力306PS/225kW、最大トルク370Nmをアウトプットする。メルセデスのハイブリッドとしては第二世代となる最新のシステムを採用した。燃費は、15.2km/L(JC08モード)。さすがに、トヨタの2モーター式ハイブリッドを搭載したレクサスGS450hの18.2km/Lには、まだ及ばない。このE400ハイブリッドは、最高35km/hまで電気モーターのみで走行することが可能。E400 HYBRID アバンギャルドは、新エコカー減税(重量税、取得税 免税)および自動車グリーン税制優遇措置(翌年度自動車税50%減税)の優遇をうけることができる。ただ、このE400ハイブリッドは左ハンドルのみ。さらに、価格は890万円でディーゼルのE350より92万円も高価な設定。なかなか選びにくい車種となっている。

<AMG5.5リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジン>
 新たに設定されたAMG S-Modelは、パフォーマンスを強化するオプションとして、これまで設定されていたAMGパフォーマンスパッケージを超える圧倒的な動力性能を実現。E63 AMG Sは、メルセデスAMG社開発による最新鋭5.5リッターV型8気筒直噴ツインターボエンジンに専用チューニングを施し、最高出力585PS/430kW(ベースモデル比+28PS/+20kW)、最大トルク800Nm(ベースモデル比+80Nm)にまでパフォーマンスを向上。さらに、AMGリミテッド・スリップ・デフにより、いっそう優れたトラクション性能を実現した。(数値は全て欧州参考値)

進化した安全運転支援システム

 新型Eクラスには、次期新型メルセデス・ベンツSクラスに搭載予定の次世代の安全システムの多くを先駆けて採用した。安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ(Radar Safety Package, RSP)」のさらなる進化に加え、ドライバーを支援するさまざまな機能装備を組み合わせている。メルセデス・ベンツでは、これらのドライバー支援システムを総称して「インテリジェントドライブ」と呼ぶ。このようなシステムは、ボルボが頭ひとつ抜け出ており、CセグメントのV40などにも装備されていることから、安全をアピールするメルセデス・ベンツにとっても重要な装備だ。

<進化した安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」>
 従来の短距離/中長距離ミリ波レーダーに、ステレオマルチパーパスカメラ(SMPC)とマルチモードミリ波レーダー(後方)を新たに追加し、レーダーセーフティパッケージに新たな機能を加えた。先行車が停止した場合に、減速して停止する渋滞追従機能を備えた「ディストロニック・プラス」にステアリングアシスト機能を追加。ステレオマルチパーパスカメラが車線カーブと先行車両をモニターすることで、車間距離を維持しながら、ステアリング操作のアシストを行う。

 さらに、衝突回避をサポートするBAS(ブレーキ・アシスト・システム)プラスに飛び出し検知機能が加わった。前方を横切るクルマや歩行者の飛び出しを捉えて、ディスプレイと音で警告する。ドライバーが警告に反応しない場合は、PRE-SAFEブレーキの警告ブレーキと自動緊急ブレーキが段階的に作動し、衝突を回避、または軽減する。

 また、リアバンパーに設置されたマルチモードミリ波レーダーが後方からの衝突の危険を検知すると、後続車のドライバーにリアコンビネーションランプを点滅させることで警告するとともに、ブレーキ圧を高めて自車をロックし、衝突後に起きる可能性がある二次被害を軽減するリアCPA(被害軽減ブレーキ付後方衝突警告システム)を新たに装備した。

<ドライバーを支援するその他のシステム>
 対向車や前方車などに迷惑がかからないように、自動的に照射範囲を制御し、常に最大限の視界を確保するアダプティブハイビームアシスト・プラス、縦列および並列駐車の際に最適な駐車スペースを自動検出し、自動でステアリング操作とブレーキ制御を行うアクティブパーキングアシストを全車に標準装備した。
また、日産のアラウンドビューモニターのように、クルマ周辺を俯瞰する映像で周囲の状況を把握できる「 360 °カメラシステム」を全車にオプション設定。600万円弱からという価格の高級車なのだから、360 °カメラシステムくらいは、標準装備して欲しいところだ。

4MATICが追加されるなど、稼ぎ頭のAMGラインアップを強化。

メルセデス・ベンツ Eクラス
 メルセデス・ベンツの稼ぎ頭でもあるAMGは、大幅にラインアップの強化が図られた。今回から新たにE63 AMGに、ワゴンモデルだけでなくAWDである4MATICが加わった。

 この4MATICは、単にAWDというのではなく、AMGが新たに開発したパフォーマンス志向のAWD機能AMG 4MATIC。スポーツ走行時のトラクション性能を大幅に向上しているのが大きな違い。E63 AMGの強大なパワーを2輪だけで受け止めるのは、そろそろ限界ということなのだろう。AMG 4MATICのトルク配分は、後輪重視の33:67。ロッキングトルクを低めに設定することで、高速走行時のコーナリングやコーナー立ち上がりなど、走行時の高い操縦性と圧倒的な加速を実現してる。さらに、AMG 4MATIC専用に開発された3ステージESPのトルクベクトリングブレーキ機能により、四輪駆動モデル特有のアンダーステアを検知した場合、個々のホイールのブレーキ制御を行って各輪へのトルク配分を最適化。高いハンドリング性能をもったAWD機能といえる。

 この特別なAMG 4MATICを装備し、エンジンパワーをさらにパフォーマンスアップしたE63 AMG S 4MATICは、絶大なトラックション性能を生かし、0-100km/h加速わずか3.6秒(欧州参考値)と、セダンモデルとして世界最速の俊敏性を誇る。この数値は、もはやスーパーカー並。トルクベクトリングもあるので、少々テクニックに自信の無いドライバーでも、恐ろしいほどのスピードと安定感でコーナーを抜けていくことだできるだろう。

メルセデス・ベンツEクラス価格、スペック、燃費など

<メルセデス・ベンツEクラス セダン価格>
・E 250 ¥5,950,000
・E 250 アバンギャルド ¥6,550,000
・E 300 アバンギャルド ¥7,200,000
・E 300 4MATICアバンギャルド ¥7,500,000
・E 350 BlueTECアバンギャルド ¥7,980,000
・E 350 アバンギャルド ¥8,720,000
・E 400 HYBRID アバンギャルド ¥8,900,000
・E 550 アバンギャルド ¥11,200,000
・E 63 AMG ¥14,950,000
・E 63 AMG 4MATIC ¥15,200,000
・E 63 AMG S ¥17,500,000
・E 63 AMG S 4MATIC ¥17,800,000

<メルセデス・ベンツEクラス ステーションワゴン価格>
・E 250 ステーションワゴン ¥6,300,000
・E 250 ステーションワゴン アバンギャルド ¥6,900,000
・E 300 ステーションワゴン アバンギャルド ¥7,550,000
・E 300 4MATIC ステーションワゴン アバンギャルド ¥7,850,000
・E 350 BlueTEC ステーションワゴン アバンギャルド ¥8,330,000
・E 350 ステーションワゴン アバンギャルド ¥9,070,000
・E 550 ステーションワゴン アバンギャルド ¥11,550,000
・E 63 AMG 4MATIC ステーションワゴン ¥15,570,000
・E 63 AMG S 4MATIC ステーションワゴン ¥18,170,000

代表グレード メルセデス・ベンツ E250アバンギャルド
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4,890×1855×1455mm
車両重量[kg] 1750kg
総排気量[cc] 1991cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 211ps(155kw)/5500rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 35.7kg-m(350N・m)/1200-4000rpm
ミッション 7速AT
JC08モード燃費[km/l] 15.5km/l
定員[人] 5人
税込価格[万円] 655.0万円
発売日 2013/5/14
レポート 編集部
写真 編集部

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(レポート:CORISM編集部

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