超お買い得でスポーティな限定車登場!【ボルボS60 T4 R-DESIGN試乗評価】

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【ボルボ】2012/04/01

 

 

価値ある価格とスタイル

 しばらくヒット作がなく、国内では少々存在感が薄かったボルボだが、新型ボルボS60/V60がデビュー後は、かつてのボルボのように絶好調の販売台数となっている。新型ボルボS60/V60のヒットの理由は、美しいデザインと1.6Lの低燃費エンジンの採用、そしてボルボ独自の安全技術である追突回避・軽減のシティセーフティとミリ波レーダーとカメラで人やクルマを認識し自動ブレーキをかけ衝突回避・軽減をするヒューマンセーフティにある。メルセデス・ベンツBMWのブランドに飽きた顧客にとっては、まさにセンセーショナルで新しさを感じるクルマだ。また、S60DRIVeで375万円というライバルに比べリーズナブルな価格設定も魅力的だ。

そんな新型ボルボS60にT4 R-DESIGNが100台の限定車として登場した。このS60 T4 R-DESIGNは、専用のサスペンション、エアロパーツ類、本革シート、スポーツペダルなどを装備したスポーティモデル。このスポーティなS60 T4 R-DESIGNは、正直なところ限定車でいいのか? と、思えるほど、マーケティング的に重要なポジションにある。

それは、スポーティグレードという立ち位置にある。メルセデス・ベンツでいえば、AMGスポーツパッケージ、BMWならMスポーツパッケージがある。このパッケージオプションは大人気。ほとんどの顧客が装着するほどの人気オプション。中古車のリセールバリューも、このオプションがある無しで大きく査定価格が変化するほどだ。日本人は、スポーツパッケージが大好きなのだ。それだけに、ボルボにとってもスポーツパッケージといえるT4 R-DESIGNは非常に重要な価値をもつことになる。この後、V60にも同様な限定車が出ると思われる。

435万円という価格も絶妙だ。DRIVeと同様に、T4 R-DESIGNはライバルに比べお買い得感のある価格設定。さらに、ライバルには無いセーフティパッケージ25万円が、キャンペーンで10万円で装着できるのだから競争力は高い。

ボルボS60 T4 R-DESIGN
ボルボS60 T4 R-DESIGN
ボルボS60 T4 R-DESIGN

 

あくまでスポーティな軽快感と良好な乗り心地

 このS60T4 R-DESIGNに乗ると、強化された足まわりの違いに気が付く。専用のモノチューブタイプのダンパー、強化スタビライザーなどなど、よりスポーティな仕様になっているからだ。タイヤは235/40R18とインチアップされているが、意外と乗り心地はよく、ゴツゴツした感じもなく快適。全体的に、無駄な動きが無くなりキュッと引き締まったといった印象だと評価したい。

小回りは苦手だが、1845mmという大きなボディのFF車なのに意外とタイトターンも得意。ロールセンターも下がっている印象もあり、全体的に低重心化されているのかクルマの動きがフラットだ。結構、ヒラリヒラリとコーナーを軽快に抜けていける。それでいて、乗り心地が悪くないのだから、誰にでもお勧めできるスポーティな限定車だ。

ただし、スポーティからスポーツモードで運転すると、ちょっと不満な点が出てくる。下り坂でハイスピードの走りが続くとブレーキがフェード気味になってしまう。せっかくの18インチタイヤも生かしきれない。強化ブッシュや強化リヤサスペンションアッパーマウントなど、細かい部分も煮詰めた足まわりと同様に、ブレーキにも足まわりのひとつとしてチューニングして欲しいと感じる。ドイツ車とは、ひと味違うスタイリッシュなデザインでありながら、走りも本格派というのが理想。だが、まぁ、そこまで必要としない人には、乗り心地も良好なので十分なスポーティさだと思う。

ボルボS60 T4 R-DESIGN
ボルボS60 T4 R-DESIGN
ボルボS60 T4 R-DESIGN

 

ボルボの世界観を色濃く反映するボルボS60 T4 R-DESIGN

ボルボS60 T4 R-DESIGN

 このボルボS60 T4 R-DESIGNは、走りの質を求めるクルマというよりは、ボルボの安全・スポーティでスタイリッシュという世界観に共感して、自分のライフスタイルの一部にするようなクルマだと思えた。使い古されたブランドよりも、自分らしさや独自の価値観をもつ顧客に向く。

エントリーモデルのDRIVeに比べると、50万円ほど高価なのだが、DRIVeにナビとレザーシートの組み合わせで425万円になる。T4 R-DESIGNの価格が435万円なので、プラス10万円で専用サスやエアロパーツ、専用内装などが手に入るとなれば、かなりリーズナブルな設定だ。予算に余裕があればもちろん、多少予算オーバーだとしても、無理して買っても価値もあり、満足感も高い。ボルボS60T4 R-DESIGN100台限定といわず、新グレードとして追加して欲しい限定車だ。

<ボルボS60 R-DESIGN 特別仕様・装備>

 

 

 

 

■パフォーマンス/エクステリア

R-DESIGN 専用シャシー
専用スポーツ・サスペンション
スプリング剛性増(先代S60比15%増)
モノチューブリアダンパー
強化リアブッシュ(T6 AWD SE比20%強)
強化フロントブッシュ(先代S60比400%強)
ストラットタワーバー
R-DESIGN 専用外装
エンブレム付シルクメタル・フロントグリル
フロントバンパー
リアバンパー(専用ディフューザー付)
デュアル・スポーツテールパイプ
スペシャルデザイン・アルミホイール
“Ixion”ダイヤモンドカット(8.0Jx18) 235/40R18タイヤ

■インテリア

R-DESIGN 専用内装
T-Tec/テキスタイル/本革コンビネーション・スポーツシート
アルミニウムベゼル付メーターパネル
アルミニウム・パネル
本革/シルクメタル・スポーツステアリングホイール
フロアマット
本革巻シフトノブ“SPORT”
スポーツペダル

<ボルボS60 T4 R-DESIGN その他の特別装備・仕様>

■パフォーマンス/エクステリア

デュアル・キセノンヘッドライト(自動光軸調整機構付)/ヘッドライトウォッシャー
アクティブ・ベンディング・ヘッドライト機能
インテリア

運転席/助手席8ウェイパワーシート
HDDナビゲーションシステム、VICS3
12セグ地上デジタルTV(リモートコントロール付)

■ボルボS60 T4 R-DESIGN価格 4,350,000円

代表グレード ボルボ S60 T4 R-DESIGN
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4630x1845x1480mm
車両重量[kg] 1540kg
総排気量[cc] 1595cc
最高出力[ps(kw)/rpm] 180ps(132kW)/5700rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 24.5kg-m(240N・m)/1600-5000rpm
トランスミッション ギアトロニック(湿式デュアルクラッチ パワーシフト・トランスミッション[電子制御6速AT])
10・15モード燃費[km/L] 12.8km/L
定員[人] 5人
消費税込価格[万円] 435.0万円
発売日 2011/03/05
レポート 大岡 智彦(CORISM編集部)
写真 CORISM編集部
ボルボS60 T4 R-DESIGN
ボルボS60 T4 R-DESIGN
ボルボS60 T4 R-DESIGN

 

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(レポート:大岡 智彦

 

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