ボディの肥大化を抑え、燃費と居住性をアップ!【新型スバル インプレッサ新車情報】 [CORISM]

はてなブックマークに追加 Googleブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録
【スバル】2011/12/03

肥大化しなかったボディサイズ

新型スバル インプレッサ
 スバルは、インプレッサシリーズをフルモデルチェンジし、12月20日より発売する。第四世代となる新型スバル インプレッサは、5ドアのスポーツと4ドアのG4と2つのボディをもつ。それぞれ、1.6Lと2.0Lが用意されている。

 最近のスバルは、北米での販売好調もあり、レガシィもボディを拡大。国内を意識したと言うより、グローバルでの販売を意識している。今回の新型インプレッサも、すでに北米では発売済みのモデル。北米仕様のインプレッサが姿を現す前は、ボディサイズの肥大化が危惧されていた。しかし、新型インプレッサはいたずらにボディを大きくすること無く居住性を高め登場した。具体的には、ホイールベースを25mm拡大し室内スペースを拡大するとともに、ショルダー&エルボースペース、後席足元にゆとりを持たせている。

 デザインは大きく変化した。ポテっとした個性的なデザインから、エッジの効いた力強いルックスへと変貌している。セダンとハッチバックは、両車とも明確に、そのスタイルの違いをアピール。ハッチバックは柔らかなボディラインを、セダンはトランクの存在感を、しっかりと表現している。

 インパネ周りは、柔らかな曲線を強調したデザインから一転。新型インプレッサは、水平基調をベースとしたデザインに変更されている。派手さやインパクトはないものの、好き嫌いが別れない安心できる造形になった。

新型スバル インプレッサ
新型スバル インプレッサ
新型スバル インプレッサ


新型スバル インプレッサ
新型スバル インプレッサ
新型スバル インプレッサ

ソコソコ安くて、低燃費! オススメ、2WDの1.6i-L

 エンジンは1.6Lと2Lの2タイプをラインアップ。組み合わされるミッションは、新開発した軽量でコンパクトなリニアトロニック(CVT)。基本的にスバルのコア技術であるAWDの設定だが、一部グレードにFFと5MTが用意されている。アウトプットされる出力とトルクは、1.6Lが115馬力と15.1kg-m。2Lが150馬力、20kg-mとなっている。

 注目は量販車種となるであろう1.6L車。排気量は、前モデルの1.5Lから100ccアップとなっている。ここで問題になるのは、自動車税だ。日本の自動車税では1.5Lより1.6Lは、わずか100ccで年間5,000円変わってくる。一般的に、日本のユーザーを考えるのなら1.5Lエンジンを選択するのが普通だろう。

 スバルは、従来型の1.5ℓエンジンに対して、100ccの排気量分をトルクアップに使うことで、低回転から高回転まで全域でトルクを向上。実用領域での軽快で気持ちの良い走りを実現。従来型の2.0ℓと比較しても遜色のない加速性能もち、従来型の1.5Lエンジンと比較して約20%の燃費性能の向上を実現している。と、そのメリットを強調する。確かにその通りなのだが、スバルは会社の規模的に、それほどエンジンライナップを多く持つことができない。販売対象の国ごとにエンジンラインアップを細かく用意できないのだ。極端な言い方をすれば、日本マーケットの税制区分だけで、エンジンのライナップを決められないということなのだ。グローバルカーとしては、正しい選択だが、日本マーケットでは選びにくい排気量になったのは間違いない。

 環境性能では、1.6i-LのCVT車、2.0L全車にアイドリングストップ機能を搭載。1.6L 2WD リニアトロニック アイドリングストップ搭載車で17.6km/L(JC08モード)を達成。2.0L 2WD リニアトロニック車 アイドリングストップ搭載車は、17.2km/L(JC08モード)と、トップクラスの実力を得ている。ポイントはFFの燃費が飛び抜けて良い。この低燃費性能で、一部のグレードを除き、ほぼすべてのグレードがエコカー減税の対象となっている。

 走りを支えるシャシーは、進化型のSIシャシーを採用。このクラスにしては、リヤサスにダブルウィッシュボーンを奢るなど、潜在能力は高い。そんな高い基本性能を生かし、路面の凹凸をしっかり吸収しながらも、リニアに反応するしっかりとしたハンドリング性能と安心感のある乗り心地を実現。フロントサスペンションには、ストラット式を採用。ストラットのシリンダー内部に車両の挙動を安定させるためのリバウンドスプリングを使い、スタビライザーの径をアップすることで走行安定性を向上させた。

 以前は、AWDにVDC(横滑り防止装置)は必要ない、とまで言っていたスバルだが、ぶつからないクルマでお馴染みのアイサイトのヒット、高い衝突庵勢性能をもつボディが評価されたことにより、最近では走りよりも「安全のスバル」を全面に押し出すプロモーションを実施。その流れに乗り、新型インプレッサもVDC(横滑り防止装置)を全車に標準装備した。その割には、1.6L車には、アイサイトが装着されたグレードがないなど、小さい排気量のクルマに乗るユーザーは金額優先で安全装備にお金を出さない、という排気量のダウンサイザーをあまり受け入れようとしないグレード展開が少々気になる。もはや、排気量の大きいクルマに乗ることが、ステータスである時代ではない。

 新型のエンジンにミッション、高い安全性能など大きく進歩した新型インプレッサ。クルマそのものは、非常に魅力的な仕上がりをみせる。しかし、価格もそれなりにアップしている。声を大にして安い! とは言えない。雪国など、どうしてもAWDが必要というのでなければ、オススメは断然FFの1.6i-LのCVTだ。このグレードだと17.6km/Lの燃費を享受することができる。ちなみに、AWDになると16.2km/Lと燃費は結構落ちる。価格もFFの1.6i-Lが約171万円、AWDになると約192万円と大幅に高価になるからだ。

新型スバル インプレッサ
新型スバル インプレッサ
新型スバル インプレッサ


新型スバル インプレッサ
新型スバル インプレッサ
新型スバル インプレッサ


新型スバル インプレッサ
新型スバル インプレッサ
新型スバル インプレッサ

代表グレード スバル インプレッサ スポーツ1.6i-L
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4580×1740×1465mm
車両重量[kg] 1260kg
総排気量[cc] 1599cc
エンジン最高出力[ps(kw)/rpm] 115ps(85kw)/7300rpm
エンジン最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] 15.1kg-m(148N・m)/3500rpm
ミッション CVT
JC08モード燃費[km/l] 17.6km/l
定員[人] 5人
税込価格[円] 1,711,500円
発売日 2011/12/20日
レポート 編集部
写真 スバル

新型スバル インプレッサ

【関連記事】

(レポート:CORISM編集部

【オススメ記事】