トヨタ プリウスα(アルファ)1年待ちの真相とは?【国沢コラム】 [CORISM]

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【ビジネス・経済】2011/05/24

今注文しても24年4月以降だが、それほど驚くほどじゃない?

 プリウスα の納期はトヨタ のWebサイトによると「平成24年4月以降」だという。そもそも月販目標3千台と多くないところに持ってきて、3万台程度の注文を受けた模様。発売と同時に20万台以上と言われるオーダーを受けたプリウス と比べれば驚くほどじゃないと考える。
 実際、最近の新型車の立ち上がり受注が1ヶ月で2〜3万台というケースは普通のこと。目標の10倍のオーダー受けても、普通なら発売前の作り置きと、立ち上がり後の生産増により最大納期半年といった感じ。しかしプリウスαの場合、様々な影響を思い切り受けてしまった。
トヨタ プリウスα(アルファ)

 生産が遅れている原因となっている7人乗りのプリウスα。主に新たに搭載されたリチウムイオン電池が原因だという

トヨタ プリウスα(アルファ)

 プリウスαの3列目シート。大柄な大人だと少々きつい

トヨタ プリウスα(アルファ)

 7人乗りのラゲッジルーム。5人乗りの方が納期は早いといわれている

世界中で人気のプリウス。そこに震災。売るクルマがない悲劇的な現実

 最大の問題は「震災による部品不足」である。震災後、真っ先に稼働させたラインはプリウスだったものの、未だにフル生産の半分程度に留まっているようだ。しかもプリウスも大人気車種だからたまらない。あまり知られていないことながら、昨年までプリウスは日本市場を最優先していた。ECOカー補助金で爆発的に売れたため、バックオーダー解消の理由でアメリカ市場向けなどの生産台数を絞っていたワケ。この間、ずっとアメリカ市場から「プリウスがもっと欲しい」とリクエストされていたという。今年になってやっとアメリカ市場向けを増やしていた矢先の震災である。
 震災前に船積みしてアメリカへ送ったプリウスは、4月上旬で売り切ってしまい、今や中古のプリウスに新車並みの価格が付くほど。当然の如く日本向けのプリウスだって在庫払底。少なかったプリウスの4月の販売台数は「売れなかった」のでなく「売るクルマが無かった」ワケ。
トヨタ プリウスα(アルファ)

 運転席と助手席の間、この写真の部分にリチウムイオン電池が搭載される

トヨタ プリウスα(アルファ)

 5人乗りのラゲッジルーム。2列目シート後部付近にニッケル水素電池が積まれる

トヨタ プリウスα(アルファ)

 相変わらずセンターメーターは、遠くにある上に文字が小さく見にくい

年末発表予定のヴィッツ級ハイブリッドも大量バックオーダー決定か?

 しかも日本市場だって、ガソリン不足の時に猛烈に評価を上げたプリウスの人気たるや猛烈に高い。トヨタは公表していないが、プリウスのバックオーダーは数万台に達しているそうな。そんなこんなで、アメリカじゃ「クルマ欲しい!」の連呼。日本でも売れ、しかもプリウスαの追加という状況となった。
 本来アメリカ市場向けに企画したプリウスαだったものの、もはや輸出どころじゃない感じ。逆に「プリウスばかり売れる」という商品企画を反省しなければならない。
 この調子だと年末に予定されていたヴィッツハイブリッド のバックオーダーも凄いことになるだろう。
 さて、プリウスαは日本で成功するだろうか? プリウスからの乗り換えユーザーが約10%と案外少ない。つまり、プリウスの燃費の良さを知ってしまった人からすれば、プリウスαの燃費では物足りないということです。ただプリウス以外からの乗り換えを考えている人であればコストパフォーマンス高いと思う。

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(レポート:CORISM編集部

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