マツダCX-60新車情報・購入ガイド 危険な香りもするが、素晴らしき挑戦

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【マツダ】2022/06/25

マツダCX-60

内燃機関へのこだわりは、大きな賭けなのか?

 

マツダCX-60マツダは、新世代ラージ商品群第1弾である新型CX-60の予約受注を開始した。

この新型マツダCX-60は、マツダにとってロードスターを除くと久しぶりのFR(後輪駆動)車をベースとしたモデル。さらに、ミッションやパワーユニットまで新開発されており、非常に注目を集めている。

クルマ好きにとっては、とても魅力的なモデルといえる新型マツダCX-60。しかし、その一方で「カーボンニュートラルビジネス」視点では「マツダ大丈夫か?」と思える。

多くの自動車メーカーが、続々とEV(電気自動車)を投入している中、いずれ投入されると予想できるものの、新型CX-60にEVの設定が無かったからだ。

マツダは、すでにMX-30 EVを発売しているものの、目的は主に欧州のCAFE規制への対応だ。あまり、EVには積極的な印象がない。それどころか、近い将来EVのみの世界になると、必要が無くなるエンジンとミッションを新開発しているくらいだ。

マツダCX-60あのガソリン臭の強いBMWであっても、国内メーカーを抑えて国内最多車種のEVを投入している。

ただ、マツダの考え方は非常にシンプルで明快。それは、ある意味、漢気を感じ共感し、多くのファンを虜にする。

EV移行期における内燃機関車の更なる環境負荷低減とはしているものの、その考え方を端的にまとめると「内燃機関を極める!」だ。今回、新開発された3.3Lディーゼルエンジンも、新技術を投入し大幅低燃費化を果たした第2世代となった。

また、バイオディーゼル燃料を使用するエンジンを搭載したマツダ2バイオコンセプトをモータースポーツに投入し、内燃機関の究極の形を目指している。

「内燃機関を極める!」というマツダの考え方は、理解できるし応援したくなる。だが、やはりビジネスとしてとらえた場合、大きな賭けでもある。

もはやEV化の波は止められない。EV化を加速させるために、内燃機関車に対してはプラス課税されることも十分に考えられるからだ。こうなると、いつまで売ることが可能か分からないまま、内燃機関を造り続けるのはリスクが高い。

もちろん、そんなことはマツダも百も承知。その上で選択した「内燃機関を極める!」。まずは、新型CX-60の売れ行きが今後のマツダを占う重要な指標になる。

マツダCX-60

 

 

新型マツダCX-60のポイント1 「3.3Lディーゼルエンジン」

 

マツダCX-60CX-60の開発は、まずはエンジンありきとだという。最大トルク550Nmを発揮することが前提となったという。すでに発売済みの2.2Lディーゼルとエンジンのボアとストロークを同じ86.0×94.2mmとすることで、コストダウンも行った。

こうすることで、エンジンは直6と決定。550Nmもの大トルクと直6エンジンを横置きのFF(前輪駆動)とするのは無理があるため、当然、FR(後輪駆動)のプラットフォーム(車台)が必要ということになった。

この3.3Lディーゼルエンジンは、第2世代へと進化した。排気量アップとリーン燃焼可能な運転領域を拡大。高出力と低燃費を両立した。排気量を上げたことで発生する余剰空気を使い切るために、 燃焼室を2 段設けた2段エッグ燃焼室を採用している。

ちなみに、3.3Lディーゼルの出力は231ps&500Nmで、燃費はFR車が19.6~19.8㎞/L(WLTCモード)となった。1クラス下のサイズとなるCX-5の2.2Lディーゼル車は、出力が200ps&450Nmで燃費はFF車で17.4㎞/L(WLTCモード)。CX-60の3.3Lディーゼルは、大排気量ながら2.2Lディーゼルを上回る低燃費性能となっている。しかも、CX-60の方が150㎏前後車重が重いので、非常に優れた燃費値といえる。

さらに、この3.3Lディーゼルエンジンには、小さなモーターを加えた48Vマイルドハイブリッド車の用意されている。一般的に、低速トルクが強大なディーゼルエンジンには、同様やキャラクターをもつモーターの組み合わせは、あまりメリットが無いとされてきた。

ところが、マツダは内燃機関によるCO2排出量にこだわるため、16.3ps&153Nmという小さなモーターをプラス。エンジン出力もややアップさせ、254ps&550Nmとした。これにより、CX-60ハイブリッドの燃費は4WDで21.0㎞/Lとなった。通常の3.3Lディーゼルエンジンで4WD車の燃費は、18.3~18.5㎞/Lなので、大幅に燃費を向上させている。モーターでわずかでもアシストすることで、より高効率な領域で走行できるという。

その他、詳細は未定だが、直4 2.5Lガソリンエンジンをベースとした PHEV(e-SKYACTIV PHEV)も用意。出力は323ps&500Nとなっている。

マツダCX-60

 

 

新型マツダCX-60のポイント2 「トルコンレス8速AT」

 

マツダCX-60もちろん、こうした優れた燃費に貢献しているのが、新開発のトルコンレスの8速ATだ。多段化することで、よりエンジンの効率がよい回転域を使えるため燃費は向上する。

しかも、トルコンレスとすることで、よりダイレクトで切れのある変速が可能となり、走りの質も向上。従来の6速ATに比べ、約22%ものエネルギーロスを軽減した。

さらに、驚きなのは、このトルコンレス8速ATはマツダ内製だということ。長期に渡り、ライバルと比べると物足りない6速ATを使い続けていたのもトルコンレス8速ATの開発費にあてるためと思えるほどだ。

本来なら、ミッションをメインとするサプライヤーから調達するのが普通。マツダもロードスターでは、アイシン製6速ATを使っている。

ところが、マツダは自社開発とした。その理由は「マツダの求める要件では、どこも受けてくれなかった」。もはや、マツダ専用ともいえる要件が多過ぎたようだ。

走りにこだわるマツダは、ドライビングポジションを重視する。そのため、既存のミッションでは、理想のドライビングポジションが取れない。そこで、エンジンやミッションなどを含め、 全体で最適レイアウトとすることが必要だったのだ。

マツダCX-60

 

 

新型マツダCX-60のポイント3 「ひと目でFRと分かるデザインと上質感」

 

マツダCX-60CX-60のデザインコンセプトは、「Noble Toughness(ノーブルタフネス)」。力強いFR骨格やインテリア空間のタフさの中に、魂動デザインの知性やエレガンスを表現した。

外観デザインでは、やはりFR車であることを強調。とにかく長いボンネットが特徴的。フロントオーバーハングもギリギリまで切り取られ、運動性能の高さも感じさせる。

全体的にシンプルな面表現となっているものの、張りの強さを感じさせ洗練されたタフネスさを感じさせる。高級SUVらしい凛とした風格がある。

インテリアのインパネデザインは、ワイドで直線的なラインが特徴。スピード感があるデザインだ。また、極太のセンターコンソールを備え、SUVらしいたくましさやFRらしい縦置きミッション車であることをアピールする。

インテリアには、高級SUVらしく4つの選択肢がある。

マツダCX-60・プレミアムモダングレード

自然がもたらす変化に美を見出し、きめ細やかにしつらえる日本人の精神を表現。

・プレミアムスポーツ

成熟した大人の遊び心を揺さぶり、心昂らせる、上質なスポーツカーのような質感と大胆さをアピール。

・ギャラント

タフなSUVでありながら、各部の質感を高めて大人の魅力を演出。

・アクティブ

気兼ねなく使えカジュアルさで、大切な人と共に過ごす相棒のような存在。

上級グレードが上質なのは当然として、アクティブなどのエントリーグレードもなかなか質感が高い。もちろん、高級素材は使われていないものの、素材の使い方が上手く安っぽく見えない。マツダのデザイナーは、色の使い方も上手。カジュアルだが、大人のSUV感を見事に表現している。

 

 

新型マツダCX-60のポイント4 「トップレベルの予防安全装備」

 

マツダCX-60CX-60の予防安全装備は、大幅に進化した。初採用となる「ドライバー異常時対応システム(DEA)」は、そのひとつ。この機能は、ドライバーの病気などによる意識消失などにより、運転ができない状態をシステムが検知すると、 ハザードの点滅やブレーキランプ点滅とホーンを鳴らすなどし、異常発生を車外に報知。高速道路などでは、できる限り路肩に寄せ停止。一般道では、同一車線内に停止する。

停止後は、ヘルプネットにより救命要請する。ドライバーが運転不可能になり、暴走や被害拡大を軽減する。とくに、高齢化社会では、もしものときに頼りになる機能と言える。

また、重要な自動ブレーキの機能は、車両や歩行者、自転車、自動二輪も検知可能へと進化。さらに、右左折時の歩行者と自転車や車両にも対応する。交差点内での事故は多いので、非常に実用的な機能を得たことで、予防安全性能を大幅に向上。こうした機能機能をもつ自動ブレーキは、今のところトヨタセーフティセンスのみとなっている。DEAを含めれば、CX-60の予防安全装備は国産車トップレベルといえる。

 

 

マツダCX-60価格

 

・25S S Package 2WD AT 2,992,000円/4WD AT 3,217,500円

・25S L Package 2WD AT 3,415,500円/4WD AT 3,641,000円

・25S Exclusive Mode 2WD AT 3,844,500円/4WD AT 4,070,000円

・XD 2WD AT 3,239,500円/4WD AT 3,465,000円

・XD S Package 2WD AT 3,580,500円/4WD AT 3,806,000円

・XD L Package 2WD AT 4,004,000円/4WD AT 4,229,500円

・XD Exclusive Mode 2WD AT 4,433,000円/4WD AT 4,658,500円

・XD-HYBRID Exclusive Sports 4WD AT 5,054,500円

・XD-HYBRID Exclusive Modern 4WD AT 5,054,500円

・XD-HYBRID Premium Sports 4WD AT 5,472,500円

・XD-HYBRID Premium Modern 4WD AT 5,472,500円

・PHEV Exclusive Sports 4WD AT 5,846,500円

・PHEV Exclusive Modern 4WD AT 5,846,500円

・PHEV Premium Sports 4WD AT 6,264,500円

・PHEV Premium Modern 4WD AT 6,264,500円

 

 

マツダCX-60ボディサイズ、燃費などスペック

 

代表グレード: マツダCX-60 XD-HYBRID Premium Sports 4WD

ボディサイズ[mm]: 4,740×1,890×1,685

ホイールベース[mm]: 2,870

最低地上高[mm]: 180

最小回転半径[m]: 5.4

車両重量[kg]: 1,940

総排気量[cc]: 3,283

エンジン種類:T3-VPTS型 直6 DOHC直噴ディーゼルターボ

エンジン最高出力[kw(ps)/rpm]:187(254)/3,750

エンジン最大トルク[N・m(kg-m)/rpm]: 550〈56.1〉/1,500-2,400

モーター最高出力[kw(ps)/rpm]: 12(16.3)/900

モーター最大トルク[N・m(kg-m)/rpm]:153(15.6)/200

ミッション: トルクコンバーターレス8速AT

WLTCモード燃費[km/l]: 21.0km/l

バッテリー 種類:リチウムイオン

サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/マルチリンク

タイヤサイズ:235/50R20

 

 

マツダCX-60パワーユニットスペック

 

・直4 2.5Lガソリン 188ps/6,000rpm 250N・m/3,000rpm

・直4 2.5L PHEV(e-SKYACTIV PHEV) 323ps/6,000rpm 500N・m/4,000rpm

・直6 3.3Lディーゼル+48Vマイルドハイブリッドシステム(e-SKYACTIV D) 254ps/3,750rpm 550N・m/1,500~2,400rpm

・直6 3.3Lディーゼル 231ps/4,000~4,200rpm 500N・m/1,500~3,000rpm

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