さて、そんな 新型ホンダ クラリティ フューエル セルですが、ゴルフバック3つが入るトランクルームもちゃんと確保し、満タンでの航続距離は700km以上。しかも、水素充填して満タンにする時間は3分程度と実用性も十分。

その上、電気自動車と同じように、災害発生などの非常時には緊急電源として使用することもでき、最大9kVAの電気を供給することも可能とのこと。9kVAと言われてもピンときませんが、一般家庭であれば約7日分の電気に相当するそうです。

ホンダ クラリティ フューエル セルの走りは、FCV だからといって特殊ではなくきわめて普通、というか既存のガソリン車と乗り換えてもまったく違和感なく走らすことが出来ます。駆動は電気モーターですから動き始めで最大トルクが発揮され、発進は力強くかつスムーズ。そして車速が乗ってからでも力不足を感じることはなく、アクセルの動きに合わせて思った通りの力がどこからでも湧いてくる、そんな印象でした。

また、FCスタックもボンネットの中にあり、とくにFCスタックの作動音がすることもなく高い静粛性をもっています。乗り心地も快適でした。高級セダン としての実力は十分といったところでした。

ホンダ クラリティ フューエル セルのボディは大きく全長4,895mm×全幅1,875mm×全高1,475mmとなっています。トヨタ ミライ のボディサイズが全長4,890mm×全幅1,815×全高1,535mmなので、比較するとよりワイド＆ローなフォルムとなっています。しかし、アメリカを意識したのか全幅1,875㎜と、日本で使うにはかなり大きいといった印象です。

　このホンダ クラリティ フューエル セルは、発売時期は2016年3月となるそうです。

当初は先代クラリティと同じく企業向けリース販売のみということです。最初から個人も対象に通常の販売形態をとったトヨタ ミライ と比べると、まだ自信が無いようにも見えます。いずれ個人向けにも販売を行う予定、とのことですが期日は未定。ホンダ クラリティ フューエル セルの価格は766万円。装備の違いなどが分からないので単純比較ですが、ミライの価格が7,236,000円なのでクラリティの方がやや高価な価格設定になっています。ハイブリッド車 などは、トヨタ車の価格を下回る価格設定をするホンダでしたが、さすがにクラリティはミライの価格を下回ることはできなかったようですね。

価格は700万円を超え、高級車で一般向きではないように感じますが、FCVには国から202万円の補助金、地方自治体は若干異なりますが東京都は101万円の補助金が出ます。約300万円もの補助金がでるので、実際は400万円台で買える計算です。まだまだ、水素ステーションなどのインフラ整備が進んでいませんが、近所に水素ステーションがある人は、FCVという選択も十分にありでしょう。

これから急速に進むと思われる水素社会。その主役がFCVであり、このホンダ クラリティ フューエル セルでもあります。長期間化石燃料に縛られてきた自動車がついに、この呪縛から解き放たれました。水素で走る究極のエコカー、燃料電池車が気になる人はさあ、今から貯金を！

■主要諸元
乗車定員 5名
一充填走行距離(参考値) 700km以上(JC08モード走行時、Honda測定値)
充填時間 3分程度
燃料電池最高出力 100kW以上
燃料電池スタック出力密度 3.1kW/L
モーター最高出力 130kW
水素最高充填圧力 70MPa
エネルギーストレージ リチウムイオンバッテリー
寸法(全長×全幅×全高) 4,895mm×1,875mm×1,475mm
価格(参考) 7,660,000円(消費税込み)