トヨタ の高級車ブランドであるレクサス は、ミッドサイズのハイブリッド 専用車HS250hに特別仕様車ハーモニアス レザー インテリア2（Harmonious Leather InteriorⅡ）を設定。さらに、HS250hを一部改良し、2014年6月16日に発売を開始する。

　レクサスHS250hは、初のハイブリッド専用セダン としてデビュー。トヨタブランドのサイと基本部分を共用し、いわゆる姉妹車関係にある。高額車が多く、法人名義での登録が多いレクサスブランドにおいて、当時400万円を切る価格で登場したHS250hには、多くの個人の顧客をレクサス店へ呼び込むことができるものと期待された。

　しかし、国産車セダンは、もはや人気が無くなっていたこともあり、想像以上の苦戦を強いられる。2013年1月には、レクサスの新デザインの象徴ともいえるスピンドルグリルを装備しマイナーチェンジするも結果は同じだった。

　やはり、トヨタブランドで、より安価な姉妹車サイ があることや、より低燃費性能を高めたハイブリッドシステムを搭載しながら安価なカムリハイブリッドがあるなど、トヨタの中でカニバリが発生している。この中では、カムリハイブリッド が一番人気。HS250hやサイより安く、燃費やパワーもあるのだから当然の結果といえよう。

　その上、レクサスHS250hは、いくらレクサスブランドとはいえ高価。エントリーグレードでも4,217,143円。この価格は、クラウン ハイブリッド アスリート4,217,143円と同じなのだ。クラウンはFRで、HS250hはFF。そのうえ、クラウンハイブリッドの方が燃費がよくパワフルだ。こうなってしまったら、やはり売れる理由が見当たらなくなる。

　それは百も承知とはいえ、放置状態にはできない。今回投入された特別仕様車ハーモニアス レザー インテリア2は、バージョンCをベースに、より専用の装備で高級感をプラスしたモデルとなっている。

　シートには、バイオレットを差し色とした専用ブラックレザーを採用。さらに、ドアトリムなどには、ホワイトゴールドの専用本木目やメローホワイトの表皮カラーを配し、洗練されたブラック＆ホワイトの室内空間を実現。ボディカラーには、特別色スターライトブラックガラスフレークを含む全11色を設定した。

　このレクサスHS250h特別仕様車ハーモニアス レザー インテリア2の価格は、4,630,000円。ベースのバージョンCの価格が4,484,571円なので、約15万円アップで高級感を高める専用装備を得ることができる計算だ。装備を考えると、ややお買い得感がある仕様となっている。

　バージョンCでは、やや高級感が足りないが、バージョンI（4,834,285円）では少々高価過ぎると感じている顧客には合うだろう。

　しかし、それでも4,630,000円は高価。この価格帯は、BMW 3シリーズ やメルセデス・ベンツ Cクラス がターゲットになる。FR車の欧州強豪セダンと渡り合うためには、ハイブリッド高級セダンというだけでなく、走行性能を含めたトータルの総合力アップが必要だろう。

　また、今回の特別仕様車の追加と同時に、一部改良が行われた。一部改良では、家庭用と同じアクセサリーコンセント（AC100V・1500W / センターコンソール後部・ラゲージルーム内）をオプション設定し、災害時などに非常用電源として利用可能としている。

　この機能は、非常用電源としてなど限定的なものではなく、車内でPCやゲーム機、カメラなどのバッテリーなども充電できるなど、意外と便利な機能だったりするのでお勧めだ。

■レクサスHS250h特別仕様車“Harmonious Leather InteriorⅡ”価格：4,630,000円

＜特別仕様車 特別装備＞
・ 専用インテリアカラー（ブラック＆メローホワイト）
・ 専用本木目（バーズアイメイプル / ホワイトゴールド）＋本革ステアリング（本革パッド・ステッチ・ステアリングスイッチ付）
・ 専用本木目（アッシュバール / ホワイトゴールド）ドアトリムスイッチベース＋コンソールオーナメントパネル
・ 専用本革シート表皮（バイオレットパーフォレーション）
・ 専用シートステッチ（バイオレット）
・ 専用ナビゲーション画面フレーム / センターレジスター（ピアノブラック塗装）
・ 特別色 ： スターライトブラックガラスフレーク