トヨタ プリウス試乗記・評価 燃焼効率40%で燃費40.0㎞/L! TNGA採用で走りの質が大幅アップ! 価格もアップし243万円からか?

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【トヨタ】2015/11/19

 

 

先代よりわずか1.5%アップし40%となった熱効率は、そんなに凄いのか? TNGAって何?

トヨタ プリウス(prius)

 4代目となる新型トヨタプリウス に一足早く試乗した。新型プリウスは、トヨタが新しい開発・生産手法として採用するTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)に基づいて開発された。TNGAは、この後も登場するいろいろなモデルと共通化できる部分は共通化するとともに、大幅な軽量化や合理化を図るものだ。その頭出しの車種にプリウスが選ばれたのは、このクルマにかけるトヨタの意気込みを示すものといっていい。

4代目新型プリウスは、どれくらい新しいのか、プロトタイプ車に試乗する前には疑問に感じられる部分もあった。外観デザインは、新しくなったとはいえ、従来のモデルに続いてトライアングルシルエットを採用し、キープコンセプトの印象が強い。また、ハイブリッドシステムも2モーターのTHSⅡを採用するのは従来と変わらないからだ。正直に言って、TNGAを採用した割には進化の幅が小さいのではないかという懸念もあった。

だが、実際に新型プリウスを走らせて見ると、想像を超え大きく進化しているのが分かった。TNGAによる新プラットホームの採用やボディ骨格の強化により、大幅にボディ剛性を向上させたことが、走りの良さのベースにある。

さらに、新型プリウスのハイブリッド システムがTHSⅡであるということは変わらない。しかし、2モーターのハイブリッドシステムである点が共通という程度で、中身は全くの新設計に近い。エンジンにしても2ZR-FXE型で型式は同じだが、これはボアピッチが同じだから同じ型式になっているだけのこと。ブロックや冷却系など全くの新設計に近いエンジンだという。だからこそ、熱効率40%という究極の数値が得られたのだ。先代プリウスの熱効率は38.5%。わずか1.5%のアップというと、誤差のようなものに感じるが、技術的には非常に大きなジャンプアップともいえるもの。ほとんど新設計となったというハイブリッドシステムからも、わずか1.5%向上させることの難しさが分かる。

トヨタ プリウス(prius)
トヨタ プリウス(prius)
トヨタ プリウス(prius)
トヨタ プリウス(prius)

 

 

従来モデルのデザインを進化させたスタイル。より低重心化された車体

トヨタ プリウス(prius)

 新型プリウスの外観デザインは、トライアングルシルエットの頂点の部分を前進させたものの、横から見たときの印象はほぼ共通。前後のデザインはシャープな切れ味を感じさせるものになり、特にリヤはテールランプの形状が印象的だ。

インテリアデザインも進化して質感を高めている。先代プリウスは、コンソール部分の形状が近未来的で特徴的だったのに対して、新型車では普通のクルマのインパネデザインに近い印象になった。

フロントシートは、シート高が低く設定されたことで、乗り込むときに潜り込むような感じになり、乗降性はやや悪くなった印象がある。プリウスの顧客は、高齢な方が多いことを考えると、なるべく姿勢変化が少なく乗り降りできる方が好ましい。TNGAにより、低重心化し走りの質を上げたい部分と二律背反といえる部分ともいえる。後席はシート高が下がったことなどによって、ヘッドクリアランスは少し拡大している。ただ、大きな余裕があるというほどではない。

新型プリウスには、ニッケル水素電池とリチウムイオン電池のふたつが用意されている。新開発のニッケル水素電池は軽量・小型化が進められ、搭載位置がラゲッジスペースの床下から後席のシート下に変わった。これによってラゲッジスペースの床面が110mm下げられ、荷室容量も56L拡大して502Lになっている。重い電池搭載位置がシート下となったことで、前後の重量バランスや低重心化が施され基本性能を向上させている。

トヨタ プリウス(prius)
トヨタ プリウス(prius)
トヨタ プリウス(prius)

 

 

トヨタ プリウス燃費、スペックなど

【新型トヨタ プリウスプロトタイプモデル主要諸元(社内測定値)】
全長(mm)/ 全幅(mm)/ 全高(mm) 4,540 / 1,760 / 1,470<1,475>
ホイールベース(mm) 2,700
室内長(mm)/ 室内幅(mm)/ 室内高(mm) 2,110 / 1,490 / 1,195
エンジン種類 直4DOHC
総排気量(cc) 1,797
最高出力(kW[PS]/rpm) 72 [98] / 5,200
最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) 142 [14.5] / 3,600
モーター最高出力(kW[PS]) 53 [72]
最大トルク(N・m[kgf・m]) 163 [16.6]
バッテリー リチウムイオンまたはニッケル水素
燃費 40.0㎞/L(一部グレード)
< >内の数値はE-Four(電気式4輪駆動方式)搭載車の値
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(レポート:松下 宏

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